F1メカ解説|超高速市街地コースを、どんな空力パッケージで攻略するのか?:F1アゼルバイジャンGPピットレーン直送便
アゼルバイジャンの首都バクーの市街地を舞台に開催されるF1アゼルバイジャンGP。長い全開区間があるため、超高速市街地サーキットとも言われる。ここに各チームは、低ダウンフォース仕様の空力パーツなどを持ち込んだ。
写真:: Uncredited
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
Ferrari SF-23 front wing detail
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリはバクー市街地サーキットで要求されるリヤウイングのダウンフォースレベルとバランスを取るべく、フロントウイングのフラップを薄くしてきた。
Mercedes W14 rear detail
Photo by: Uncredited
メルセデスW14のリヤエンドをクローズアップ。リヤウイングのメインプレーンは、中央部分が厚くなるスプーン形状。またビームウイングやディフューザーにも変更を加えてきた。
この写真を見ると、ディフューザーのサイドウォールに、半円形の切り欠きが存在するのが良くわかる。また右ギヤブレーキダクトに吊り下げられたウイングレットの下端が、3段階の階段状になっている。
Alfa Romeo pit garage detail
Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images
準備が進められているアルファロメオC43。リヤウイングのメインプレーンは、地面とほぼ水平に寝た状態であるが、翼端部分が上方に持ち上げられたスプーン形状である。また翼端板との接続部は、外側の角が削り取られ、空気抵抗を減らしている。
Mercedes W14 technical detail
Photo by: Uncredited
メルセデスはガレージの外に、W14のフロントウイングをズラリと並べた。今週末はフリー走行が1回に削減され、2回の予選と2回のレースを行なうフォーマット。しかも、ウォールが近い市街地コース……ダメージを受けた場合に備えた準備をしている。
Haas F1 Team VF-23 technical detail
Photo by: Uncredited
ピントは合っていないが、ハースのリヤウイングはフラップの上端がかなり切り取られ、空気抵抗を減らそうとしている。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
カウルが外されたレッドブルRB19。プッシュロッドのインボード部分の下から、エキゾーストパイプが跳ね上がり、ギヤボックスおよび衝撃吸収構造の上に通されているのがよく分かる。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
レッドブルRB19のリヤウイング。メインプレーンは、路面と並行になるようにかなり寝かされている。フラップは比較的大きめだが、上端の中央部分にはV字型の切り込みが入れられており、ここでも空気抵抗減を狙っている。
Mercedes W14 technical detail
Photo by: Uncredited
再びメルセデスのリヤウイングを前方から。ダウンフォースと空気抵抗を少なくしたリヤウイングを持ち込んでいる。メインプレーンは中央部分が厚くなったスプーン形状。フラップは上端が若干削り取られている。ただその後端にはガーニーフラップが取り付けられている。このガーニーフラップは、後に外される可能性もある。
Alpine A523 technical detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌのハイダウンフォース仕様のフロントウイング。フラップの翼端部分は薄くなり、アウトウォッシュの流れを促している。
Alpine A523 front wing detail with sensors
Photo by: Giorgio Piola
アルピーヌはバクーに、フロントウイングのフラップの一部に、大きな切り欠きを設けたタイプも投入してきた。これにより、空気抵抗を減らすことを狙っているものとみられる。
Haas F1 Team VF-23 technical detail
Photo by: Uncredited
ハースは、リヤウイングで発生するダウンフォースを削ったバランスを取るため、フロントウイングのフラップの上端をトリミングしてきた。
Aston Martin AMR23 technical detail
Photo by: Uncredited
F1マシンのノーズは、衝撃吸収構造の上にバニティ・パネルを貼り付ける形で構成されている。これによって、クラッシュテストを経ずに、ノーズの形状を変更することが可能だ。この写真に映るアストンマーチンAMR23のノーズは、先端部分のバニティ・パネルが外されている。
AlphaTauri AT04 technical detail
Photo by: Uncredited
アルファタウリの低ダウンフォース仕様のリヤウイング。メインプレーンは中央部が厚いスプーン形状だが、フラップは他チームの多くが中央部分を削ってきたのに対し、翼端に近づくに連れて薄くなっている。なお、中央部分にも小さなV字型の切り欠きが存在している。
McLaren MCL60 rear detail
Photo by: Uncredited
マクラーレンMCL60を真後ろから撮影した1枚。リヤウイング、ディフューザー、ビームウイングなどのレイアウトを一連で確認することができる。
Mercedes W14 nose and front wing detail
Photo by: Uncredited
メルセデスW14のフロントウイングとノーズのアッセンブリーを下方から観察。非常に単純化されているのが分かる。
McLaren MCL60 detail
Photo by: Uncredited
マクラーレンのフロアは、フロアの前端部よりも上に位置する、インボードストレーキを特徴としている。サイドポンツーンのアンダーカット下にある膨らんだ部分は、上下両方の気流をマネジメントするのに役立つ。フロア端、およびフロアのエッジウイングに存在するストレーキは、たわみを減らすべく傾斜した形状となっている。
McLaren MCL60 detail
Photo by: Uncredited
マクラーレンMCL60のフロアエッジウイングのクローズアップ。3つの羽根状のパーツが下面に取り付けられ、いずれも傾斜がつけられている。これによって、過度に曲がるのを防いでいる。
Ferrari SF-23 rear detail
Photo by: Uncredited
フェラーリのリヤウイング。他チームと同様、メインプレーンはスプーン形状だ。ステーは開幕戦などで使われていた2本のモノに戻った。
Ferrari SF-23 rear detail
Photo by: Uncredited
フェラーリは2枚のビームウイングを搭載。下の1枚は中央部分で後部衝撃吸収構造に接続されて左右に分割されているが、上の1枚はリヤウイングの横幅いっぱいにまで広がる単一構造のモノとなっている。
Mercedes W14 detail
Photo by: Uncredited
メルセデスW14のフロアは、一部が上方に捲れ上がっており、フェンスが形成されている。下には複数の小さなストレーキが存在。そのうちいくつかは、大きさが他のモノとは異なっている。また、この部分の後方はさらに大きく捲れ上がり、より複雑な形状になっている。
Ferrari SF-23 detail
Photo by: Uncredited
フェラーリはFP1に向けて、フロアにいくつかのセンサーを搭載。リヤタイヤの前のフロアの端は、非常に複雑な3D形状になっている。またディフューザーのサイドエッジには、複数の切り欠きが存在しているのも分かる。
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