F1

レーシングブルズ代表が語る、フェルナンド・アロンソ45歳の凄さ……「今も衰えるところを見せない」

レーシングブルズの代表を務めるアラン・パルメインは、フェルナンド・アロンソを「非常に完成度の高いドライバー」だと評価する。他に数多くの名ドライバーと仕事をしてきたパルメインが、そう語るのはなぜなのか?

Pol Hermoso

公開日時: 2026/08/07 0:17

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Fernando Alonso, Aston Martin Racing

 褒め言葉の中には、単なるお世辞に過ぎないモノもある。しかしF1史上屈指の名ドライバーたちを間近で見てきた人物の言葉には、格別な重みがある。

 現在レーシングブルズのチーム代表を務めるアラン・パルメインは、30年以上にわたってF1のパドックで活躍してきたエンジニアだ。ミハエル・シューマッハーがチャンピオンを獲得した時代にはベネトンの一員であり、ルノーとアルピーヌではフェルナンド・アロンソと共に長く働いた。その他にもキミ・ライコネンと共に仕事をしたこともある。

 こうした実績があるからこそ、彼の言葉には重みがある。そんな彼に、エンジニアの観点から見て、これまで共に仕事をしてきたドライバーの中で最高の存在は誰かと尋ねると、彼はこう語った。

「フェルナンドだと思うよ。彼は非常に完成度の高いドライバーだ」

 しかし最も興味深いのは答えそのものではない。アロンソが初めてタイトルを獲得してから20年以上経った今でもなお、大きな影響力を保ち続けているとパルメイン代表が語ったことは、実に興味深い。

 パルメイン代表は、アロンソには”ドライビングスタイル”がないと言う。F1では、ドライバーたちの”ドライビングスタイル”について議論が交わされることが多い。あるドライバーはフロントのグリップが強いセッティングを好み、またあるドライバーがリヤに安定したグリップがあることを好む……といった具合だ。

 しかしパルメイン代表は、そういう理論を覆した。

「フェルナンドには、ドライビングスタイルというようなモノはないと思う。マックス・フェルスタッペンにもないよ」

 パルメイン代表はそう断言する。

 彼の説明はシンプルであり、同時に非常に重要な視点でもある。本当の意味で卓越したドライバーは、自分のドライビングスタイルに合わせてマシンを改造するようなことはしない。むしろどんなマシンであっても、そのマシンをできる限り速く走らせるための手法を実現できるのだ。

 言い換えれば、マシンに合わせて変化するのは、ドライバーの方でなければいけないということだ。

 この能力は、パルメインがアロンソについて感じていることであるという。そして近年のトップドライバーであるフェルスタッペンにも、それと同じ能力があるという。

 そしてパルメインは、アロンソは衰えていることを感じさせないとも語った。

「むしろ、アロンソは今の方がよくなっていると思う」

アロンソの仕事の進め方

Fernando Alonso, Aston Martin Racing

Fernando Alonso, Aston Martin Racing

Foto de: Alastair Staley / LAT Images via Getty Images

 パルメインは2021年と2022年、2年のブランクを経てF1に復帰したアロンソと、アルピーヌで共に働いた。当時のアロンソについてパルメインは、キャリア晩年を迎えたドライバーとは感じなかったと証言する。

「スピードは全く落ちていなかった。むしろ、以前よりも良くなっていたほどだ」

 特にレースではそれが顕著だったという。

 アロンソは決勝で、実に安定したラップを刻む。通常のドライバーならばペースが落ちていくところ、アロンソはそれもなく、安定したペースを維持する。それはライバルを苛立たせるには十分であり、それこそがアロンソの最大の強みであると、パルメインは言う。

 またアロンソの仕事の進め方も、強みであるという。

「フェルナンドは、各セッションの後に非常に細かいブリーフィングを行ない、マシンの中で感じたことを性格に伝え、その後で姿を消すんだ」

「彼はエンジニアに仕事を任せる。そして次のセッションの前に戻ってきて、どんな変更をしたかだけを尋ね、再びコースに出るんだ」

「彼とエンジニアの間には、非常に高いレベルの信頼関係がある」

 アロンソと彼を担当するエンジニアたちは、お互いのことを大いに尊重している。それは、それぞれがすべきことに集中するということに基づいた信頼関係である。ドライバーはドライビングに、そしてエンジニアはマシンの開発に専念するのだ。

 適応力、衰えることのないスピード、経験、そして勤勉さの組み合わせこそが、フェルナンド・アロンソというドライバーが、今もパドックにおける模範となっている理由なのだろう。

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