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日々進化を続ける角田裕毅。ランキング3位を手繰り寄せた「“緊張”や“焦り”の解消」

角田裕毅は、FIA F2を戦った2020年シーズンにメンタル面で大きく成長したといい、それがランキング3位獲得、そしてF1昇格に繋がったと考えている。

Yuki Tsunoda, Carlin

 日本人としては7年ぶりとなるF1レギュラーシートを手にし、2021年シーズンからアルファタウリ・ホンダのドライバーとしてF1に参戦する角田裕毅。彼が2020年のFIA F2でランキング3位を獲得した裏には数多くの意識改革があった。

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 2020年からF2にステップアップした角田は、シーズン序盤からフリー走行や予選でトップタイムを記録するなど、その速さを周囲に存分に知らしめていた。ただその速さがレースでの好結果に繋がらない場面もあったが、その都度自らの弱点を修正していき、速さと強さを兼ね備えたドライバーに成長していった。

 その一例が、角田が3位表彰台を獲得した第4戦シルバーストンのレース1だ。レース後に角田は、それまでチームと無線でやり取りするのがあまり好きではなかったが、レースを楽にするためにコミュニケーションを増やした結果、それがうまく機能したと話していた。

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 レースで勝つために、自らに足りない部分を客観的に見つめる力があるような印象を受ける角田。改善した点はそれだけではなかったようだ。

「僕はこの1年間、特にメンタルの部分で成長したと思っています」

 12月21日にオンラインで行なわれた記者会見の中で、角田はそう語った。

「F2に上がった時にメンタルトレーナーがついて、それからは毎レース『どういう感触だったか』『どういう気持ちだったか』などを事細かく伝えたりしていました。そしてシーズン前に自分の性格や考え方を知るためにテストをしたのですが、僕は未来のことを考えやすいという結果が出ました」

「F3の時の僕だったら『スーパーライセンスを獲れなかったらどうしよう』とか『このレースをしくじったらどうなるんだろう』とか考えていたんですね。そういうことを気にする分緊張も増しますし、焦りが出てしまうというのが僕の弱点でした」

「それを改善するために試行錯誤しましたが、シーズンの途中で自分の中で良いやり方が見つかりました。自分は未来のことを考えやすいので、とにかく目の前のことに集中すること、練習走行中だったら1コーナーのどの位置でブレーキングするだとか、そういうことしか考えないようにしました、そこが緊張や焦りの部分を解消してくれました」

 インタビューなどでも飄々(ひょうひょう)とした、何事にも動じないような雰囲気を醸し出す角田だが、その裏には彼なりの努力があったようだ。

 角田がF1参戦に必要なスーパーライセンスを獲得する上で重要なレースとなったのが、バーレーンで行なわれた第11戦、第12戦(最終戦)だった。最低でもランキング5位以上でシーズンを終える必要があった角田はその当落線上にいたが、第11戦の予選でミスを犯してしまい、最後尾スタートに。翌日のレース1では驚異の追い上げを見せて6位入賞を果たしたものの、レース2で無得点となったことでランキング5番手で最終ラウンドを迎えることになってしまった。

 しかし角田は翌週に行なわれた最終戦の予選でポールポジションを獲得すると、レース1で優勝、レース2で2位とパーフェクトな走りを見せ、結果的にランキング3位を獲得。このパフォーマンスが結果的にF1昇格を手繰り寄せた形だが、ここにも彼の意識改革があったようだ。

「あと僕は結構熱くなりやすいところがあります。例えばアタックラップ中に邪魔されてしまうと無線でワーワー叫んでしまうんですけど、そういうのは止めた方がいいと言われています。そうやってワーワーと叫んだレースウィークとそうでないレースウィークとでは結果が雲泥の差になっていました」

「例を挙げるとすれば、バーレーンでの1ラウンド目(第11戦)の練習走行では、赤旗が出たりアタックラップを邪魔されたりしていて、言わないように気を付けていましたが無線でワーワーと言ってしまいました。それで焦りが出てしまって、予選では赤旗やトラフィックが出る前にタイムを出そうとしてミスに繋がってしまいました。なので2ラウンド目(最終戦)は練習走行で邪魔をされても自分の心を落ち着かせて次の周に集中するようにしました。当たり前のことかもしれませんが、自分にとっては難しいことでした」

「それをしたおかげで、1ラウンド目と最終戦では全く違う結果になりました。結果的にそれが功を奏してランキング3位になり、スーパーライセンスを手にすることができたので、まだ完璧とは言えませんが、そこが改善できたところだと思います」

 

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