ペレスがF1ドライバー候補にエール! F1への挑戦は「人生の素晴らしい経験になる」上達のコツは”メモ”にあり
F1ドライバーのセルジオ・ペレスが、ホンダのドライバー育成プログラムの講師としてスクール生徒の前に登場。当然生徒からはF1ドライバーになるために必要なことを聞かれたが、重要視していたのは『メモ魔』になることだった。

ホンダ・レーシング・スクール(HRS)の講師としてモビリティリゾートもてぎを訪れたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、カートで修練する生徒から「F1ドライバーになるための大切なこと」を問われたが、“メモ魔”になることが重要だと、質実剛健な答えを返していた。
現在HRC(ホンダ・レーシング)がパワーユニット供給で協力しているレッドブルだが、ホンダとは今年10月に四輪ドライバー育成に関して関係強化を発表。現役F1ドライバーであるペレスのHRSアンバサダー就任が発表されていた。
11月26日、ホンダ・レーシング・サンクスデーを前に来日したペレスは、イベント前日にHRS-Kの特別講師として初めて生徒の前に姿を現した。
当初は生徒の模擬レースなどをコースサイドからチェックし、その後にアドバイス等が行なわれる予定だったが、ペレスの希望もあり彼も一緒にレースを走って”チェック”することに。トラブルから現役F1ドライバーとのガチバトルとはならなかったが、それでも生徒たちの走行をペレスが間近で観察する形となった。
走行後、ペレスは参加している生徒たちの走りは”非常に良い”と語り、今後のフォーミュラカーへの挑戦の予定を尋ねるなど、生徒たちへの期待を感じさせるコメントを残していた。ただ、彼らに共通して「(海外に行くなら)英語は大事」と呼びかけるなど、ティーンエイジでスペイン語圏のメキシコからヨーロッパへ単身渡ったペレスらしいアドバイスもあった。
その後はペレスがスクールの生徒たちから質問に答える時間が設けられたが、やはり彼らの歓心はF1で。「どうやって」「何が大切なのか」……そんな質問が飛んだ。
「地元を離れるのがいちばん大変だった。14歳でヨーロッパにいかなくてはならなくて、完全に一人で生活が始まったんだ。それは(日本人の)みんなも一緒で、ヨーロッパに行けば、慣れるのは大変だと思う」
F1ドライバーになる上で最も大変だったことについて、ペレスはそう語った。
「でも(F1ドライバーになるというのは)やりがいのある夢だと思う。全員がF1ドライバーになれるとは限らないが、人生の経験は素晴らしいものになるはずだと思うよ」
そう未来のF1候補生にエールを送ったペレス。彼はその上でF1ドライバーになるうえで大切だったことについては、少々派手さに欠ける、もとい非常に実務的なアドバイスを残している。それは”メモ”の大切さだ。

HRSの生徒からの質問に答えるペレス
Photo by: Motorsport.com / Japan
「どんなレースでも、どんなクルマでも、降りた後にはどんなことでもメモに書き記すことだ」
「雨でもちょい濡れでもなんでも、感触やどんなパフォーマンスができたのか、それともできなかったのかを記すことだ。それはたとえ10秒差で勝っていたとしてもそうで、次は20秒差で勝ちたい、勝つためにはどうすれば良いのか、細かいところまで全部メモに書くのがとても大事だと思う」
「一歩一歩でも伸びていくためには、自分のパフォーマンスをフルに意識していることが非常に大切で、みんなよりもベストを尽くさなくてはならない。地元から離れていても体調もベストに保つことも大事だし、そういった細かいところをキープすることがとても大切なんだ」
さらに、ペレスはシーズンを通じて「自分の目標を忘れずにいること」でメンタルをコントロールすることの大事さも説くなど、HRS-Kの生徒から寄せられた”夢”のF1へ向けた熱意に誠実に答え続けた。
そしてペレスは、生徒からの質問に答え終わったあと、最後にもう一つ重要なことを伝授。次のように語ってこの特別講義を締めくくった。
「レースをしている時は、将来のことを少し考えるのを止めて、今を生きる、今を楽しんでほしい」
「毎日ハッピーに日常を過ごすことが重要だ。F1ドライバーになったり、上のカテゴリーに行った時に『あの時は楽しかったのに』『もっとこうすることができたのに』とならないように今を楽しんでほしい」
現役F1ドライバーによる直接指導という貴重な機会を得た、HRS-Kの生徒らの今後に期待したい。
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