ホンダ田辺豊治元F1テクニカルディレクター、今も英国に残り業務を継続「新しいチャレンジへ向けスタート」

2021年シーズンまでホンダF1のテクニカルディレクターを務めていた田辺豊治。彼は年が変わった今もイギリスに残り、レッドブル・パワートレインズへの業務移管などの作業を続けている。

ホンダ田辺豊治元F1テクニカルディレクター、今も英国に残り業務を継続「新しいチャレンジへ向けスタート」

 2021年限りでF1活動を終了させたホンダ。しかし同社のF1テクニカルディレクターを務めていた田辺豊治は、2022年となった今もイギリスに残り、業務を続けている。

「今は今年のまとめであったり来年に向けての準備を進めていますが、新しいところとしては、来シーズンに向けてレッドブル・パワートレインズにHRD-UK(ホンダ・レーシング・デベロップメント UK)の事業を譲渡するための話をしたり、またトラックサイドでの業務の役割の分担をレッドブルと話し合ったりしています」

Read Also:

 イギリスのミルトンキーンズにいる田辺は、そう現在の状況について語ってくれた。

 前述の通り、ホンダは2021年限りでF1活動を終了……今後はその業務をレッドブル・パワートレインズに移管し、ホンダはサポートするという立場になる。田辺は、そのための業務を今も続けているというのだ。

「アブダビでのタイヤテストを終えて、実走対応という部分ではひと段落つきました。今はオフィスベースの仕事……現在はリモートでのミーティングが中心ですが、オフシーズンに入って今までにはない、レッドブル・パワートレインズに業務を移管するという新しいチャレンジへのスタートを切っています」

 なお最終戦アブダビGPから、インタビューを実施した12月末までの間に、メルセデスがアブダビGPでのセーフティカー解除時の手順に対する提訴を取り下げたため、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンの2021年F1ドライバーズチャンピオンが確定。ホンダとしては2015年にF1に復帰して以来、初めてチャンピオンを手にした。

「マックス選手には、初のドライバーズチャンピオンシップ獲得おめでとうございますと伝えたいです。彼とはこの3年間一緒に仕事をさせてもらって、本当に素晴らしいドライビングと走りを見せてもらってきました。その最後に一緒にチャンピオンを獲れたことは嬉しく、そして誇りに思います」

 そう田辺は言う。

「2021年の走り、ドライバーとチームとしての走りを見ると、マックス選手が一番だったというのは自明のことだと思います。だからハッキリ申し上げて、提訴について私は気にしていなかったというのが本音です」

 このチャンピオン獲得は、ホンダにとってどんな意味のあるモノだったのか? そう尋ねると、田辺は次のように説明してくれた。

「2015年に参戦を始めた時、信頼性でも、パワーの面でも、かなり劣っていました。そういう現実を目の当たりにしながら、参戦を続け、信頼性とパワーを上げていかなきゃいけない。そしてそんな状況の中でもPU(パワーユニット)をレース現場に送らなければいけない。どのスペックを現場に送ればいいんだ……そういう苦しい状況でのスタートだったと聞いています」

「2018年に私が参画した時には、状況はかなり上向いていましたが、まだまだ他のメーカー、特にメルセデスに対しては遅れを取っていました。そんな中で、ホンダの特に技術メンバーは、自分たちの技術を信じて、信頼性とパワーの向上を目指してきた。それを、本当に諦めなかったんです」

「そして2021年には、自分たちが学んできたこと、自分たちがやりたいと思ったことを全て注ぎ込んだ新骨格PUとバッテリーパックを投入し、最後までチャンピオンを争うことができました」

「2020年の段階では、マックス選手は2勝……まだまだチャンピオンを争えるレベルには至っていませんでした。それを、チャンピオンを争えるレベルに上げるんだということで、全精力を注ぎ込み、2021年シーズンに望みました。最後の最後までもつれましたが、最終ラップでチャンピオンを獲得することができました」

「残念ながらコンストラクターズチャンピオンは手にできませんでしたが、それでもドライバーズチャンピオンシップ獲得できたのはみんなが諦めず、努力を重ねた結果だと思います」

 なお田辺は、2022年もレッドブル・パワートレインズをサポートする立場で、F1への関与が続いていくことになるという。

「今イギリスに駐在していて、レッドブルと近いところにいるということもあり、ミルトンキーンズのホンダファクトリーの人材と業務を移管するというところには、直接関わっていくことになると思います。そしてレースのサポートというところにも関わっていく、そういう予定です。ホンダの一員として、業務を”お渡し”するということになると思います」

 まだまだ多くの業務が残っているため、彼が日本に戻るのは先のことになりそうだ。

「いつになるんでしょうね? 日本の居酒屋が恋しいですね。焼き鳥とかね」

 
Read Also:

シェア
コメント
マクラーレンCEO、2022年は複数マシンでのタイトル争いを熱望「1チームの独走なら驚くね」
前の記事

マクラーレンCEO、2022年は複数マシンでのタイトル争いを熱望「1チームの独走なら驚くね」

次の記事

角田裕毅、先輩F1ドライバーから得たコース外での学び「レースへの姿勢に差……自分も変わらなくちゃいけないと思えた」

角田裕毅、先輩F1ドライバーから得たコース外での学び「レースへの姿勢に差……自分も変わらなくちゃいけないと思えた」
コメントを読み込む