F1 オーストラリアGP

F1分析|レッドブル圧勝続きも、実は大接戦の2023年シーズン。ほとんどのチームが1%差以内に……唯一の例外はアルファタウリ?

レッドブルが完璧な強さを見せる2023年シーズン。しかし各車のパフォーマンスを分析すると、見た目以上の接戦であることがわかる。しかしアルファタウリだけは、大きく遅れをとっているようだ。

編集: 2023/04/13 9:52

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Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT04

 2023年のF1もここまで3戦が終了。レッドブルが全部のレースで勝ち、アストンマーチンがトップチーム入りを果たしたのが印象的である。

 では実際の勢力図は、一体どんな形になっているのだろうか? 各マシンのパフォーマンスがどんな推移を見せているのか、検証してみよう。

 このパフォーマンス比較は、各チーム2台のうち速い方のセクタータイムを抽出し、最速パフォーマンスを100%としている。つまり、数字の大きい方(グラフで下方ほど)が遅いということになる。そして、昨年からの上昇度合いがわかりやすいように、2022年最終戦アブダビGPのパフォーマンスも入れ込み、4戦分のパフォーマンス数値をグラフ化している。

2023年マシンパフォーマンス推移(22年アブダビ〜23年オーストラリア)

2023年マシンパフォーマンス推移(22年アブダビ〜23年オーストラリア)

Photo by: Motorsport.com / Japan

 昨年から引き続き最速なのは、成績を見ても当然レッドブルである。レッドブルはアブダビ、バーレーン、サウジアラビア、オーストラリアと、どんなコースでも最速のマシンであり、最強の座を欲しいままにしている。

 一方でフェラーリは、パフォーマンスを落としている印象である。昨年のアブダビGPでは、0.09%の遅れだったフェラーリ。しかし今年のオーストラリアGPでは、その遅れが0.43%にまで広がってしまっている。これは、1分30秒のラップタイムのサーキットで、0.3秒ほど遅くなったということを示している。

 一方で昨年は3番手だったメルセデスは、実はレッドブルに近づきつつある。今季も小さなサイドポンツーンを採用してきたメルセデスだが、開幕戦ではレッドブルに大きな差をつけられているように見え、チームはコンセプトの一新すら辞さない構えを見せている。しかし、開幕戦と第2戦では確かに昨年と比較してパフォーマンスを落としたものの、オーストラリアGPでは接近。フェラーリと同じように1分30秒のサーキットということを勘案すると、0.171秒速くなっているという計算になる。

 このことから判断すると、メルセデスは確かに前進している。メルセデスのジョージ・ラッセルは、開幕戦の段階では「レッドブルが全勝する」と発言していたが、オーストラリアGP後にはこれを撤回し、「諦めたりしない」と語っている。そのラッセルの手応えは、ここからでも見て取れる。

 今季躍進を見せ、フェルナンド・アロンソが3戦連続で3位表彰台を獲得しているアストンマーチンは、予選パフォーマンスでも確かに昨年から比べて大きく前進している。昨年のアブダビでは1.06%の遅れだったが、オーストラリアGPでは0.46%の遅れまで近づいている。ただ依然としてレッドブルとの差は大きく、優勝は簡単ではないように見える。

 見た目上は、このアストンマーチンが今季最も伸びたチームのように思えるが、実はここまでの3戦を見ると、ハースとウイリアムズの伸びが興味深い。

 ウイリアムズは、今季2番目に伸びたチームだと言われているが、実際には最大の成長を実現したのはこのウイリアムズかもしれない。アブダビでは2.38%遅れの最下位だったウイリアムズだが、オーストラリアGPでは0.8%の遅れになった。実に1.422秒も速くなったのだ。まだまだ上位とは差があるが、それでも脅威の伸びである。

 またハースの前進度合いもなかなかのものだ。ハースは昨年アブダビでは1.72%の遅れだったのに対し、今年のオーストラリアでは0.6%遅れにまで上昇。1.12%の伸び率を示している。

 なおオーストラリアGPでは失速してしまったが、アルファロメオも実は大いに成長しているように思える。アブダビからサウジアラビアGPに向けての伸び率は、0.98%とハースに近しい伸び方をしているのが確認できる。オーストラリアでの失速は、アップデートの不発か、あるいはコース特性に合わなかったのか……今後のレースで明らかになってくることだろう。

 心配なのがアルファタウリである。アルファタウリは、昨年最終戦の段階では7番手のチームだった。しかし今季の開幕戦は限りなく最下位に近い9番手、第2戦では最下位、そして直近のオーストラリアGPでは、失速したアルファロメオに次いで遅かったのだ。しかも、どのコースでも安定して遅いというのが、心配な部分である。

 そのオーストラリアでは、フロアなどを中心にアップデートを投入。しかし初日に角田裕毅はコースアウトした際に壊してしまったため、予選やレースで使うことができなかった。しかしもしこのアップデートを使うことができたとしても、大幅な戦闘力向上は期待できないのではないかと、見る向きもある。

 また次戦アゼルバイジャンGPは、メインストレートを含む長い全開区間が特徴のコースを舞台に行なわれる。マシンの空気抵抗が大きく、最高速が伸びないアルファタウリにとっては、鬼門となるかもしれない。

 今季はレッドブルが成績面では圧倒しているものの、実は昨年以上にチーム間の差は詰まっている。これまで説明してきたように、ほとんどのマシンが1%以内の差にひしめきあっている。そんな中でアルファタウリだけが、唯一2%近い遅れをとり続けている。一刻も早い打開策の投入を待ちたいところだ。

 

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