F1 マイアミGP
F1分析|フェルスタッペン、予選9番手から圧勝の要因は? ハードタイヤでの秀逸すぎるレースペース
F1マイアミGPで予選9番手から怒涛の追い上げを見せて勝利を奪ったレッドブルのマックス・フェルスタッペン。その勝因は、ハードタイヤでの秀逸なレースペースにあったようだ。
田中 健一
公開日時: 2023/05/09 9:20
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2023年のF1マイアミGPは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。予選9番手からの怒涛の追い上げで、まさに完勝と言っても良いレースだった。
フェルスタッペンは後方グリッドからのスタートだったため、ハードタイヤを履いてスタート。一方、ポールポジションからスタートしたチームメイトのセルジオ・ペレスは、ミディアムタイヤを履いてスタートした。これが、勝敗を分けた一因だったとも言える。
下のグラフは、マイアミGPの決勝レース、トップ5のマシンのレースペース推移をグラフ化したものである。これを見ると、フェルスタッペンの勝因のいくつかが見て取れる。
F1マイアミGPのレースペース分析
Photo by: Motorsport.com / Japan
赤枠1で示した部分は、ミディアムタイヤでスタートしたマシンがピットインする直前の各車のレースペースである。このグラフにはレッドブルの2台のほか、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)のレースペースも示しているが、彼らも全てミディアムタイヤを履いてのスタートだった。
このグラフを見ると、フェルスタッペン以外のマシンのペースが、12〜13周目をピークに、その後下落していることが分かる。対するハードタイヤのフェルスタッペンは、ピークこそ同じ13周目だが、その後も大きくペースを落としていない。
赤枠1の中の点線で示された部分は、レッドブルのふたりのペース差がよく分かる。サインツJr.とアロンソを抜いたフェルスタッペンは前に邪魔な存在がいない状況となり、首位を行くペレスをの差を詰めていった。後方1秒まで迫られたペレスは、太刀打ちできる術はないと判断し、20周目にピットに入っている。
フェルスタッペンはレース終盤にミディアムタイヤに履き替え、そしてペレスを抜いたわけだが、ミディアムを履いたフェルスタッペンには、ペースダウンする傾向は見て取れない。
おそらくこれは、路面の改善具合と関係しているモノと思われる。レーススタート直後はまだ路面が汚れていたためグリップ力が低く、ミディアムタイヤを痛めつけた。一方でレース終盤は、各車が周回を重ねたことで路面の埃が取れ、さらに溶けたゴムが路面に張り付く”ラバーグリップ”も上がっていたため、ミディアムタイヤが痛むことはなかった……その差が、ふたりのレース結果を分けた一因だったはずだ。
ハードタイヤでのペースも、勝因だっただろう。フェルスタッペンは1分32秒9でハードタイヤのスティントをスタートさせ、ピットストップする直前の44周目には1分31秒0を記録している。つまり1周あたり0.046秒ラップタイムが上がっているわけだ。一方でペレスは、ミディアムからハードに履き替えた時には1分31秒4だったが、最終ラップでは1分30秒5……1周あたりのペースの上がり幅は0.025秒だった。それだけ、フェルスタッペンのハードタイヤでのペースが優れていたということだ。
実際、使い古したタイヤを履いているはずのフェルスタッペンと、比較的新しいタイヤを履くペレスのペースは、30周目を過ぎた頃からフェルスタッペンがピットインするまでの間、ほぼ同じになっている。これでは、ペレスに勝ち目はない。
レッドブルのホーナー代表は、「今日、マックスに勝てた人はいないと思う」とレース後に語ったが、まさにそれを裏付けるデータと言っていいだろう。
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