F1

ホンダ・レーシング”RA626H”はまだ本来のパフォーマンスではない「振動の問題さえ解決できれば……」

ホンダ・レーシングの武石伊久雄専務は、まだまだパワーユニット本来のパフォーマンスを発揮する状況にはなかったとテストを振り返った。しかし振動の問題が解決できれば、想定していたパフォーマンスを発揮できるはずだと語り、開幕戦をしっかり走ることを「まだ諦めていない」とも語った。

田中 健一

編集: 2026/03/01 10:03

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Honda RA626H power unit

Honda RA626H power unit

写真:: Honda

 ホンダ・レーシング(HRC)が先日、日本国内のメディアに向けた緊急ブリーフィングを開催し、F1のプレシーズンテストで見舞われた問題について説明を行なった。そこでHRCは、問題さえ解決できれば本来のパフォーマンスを発揮できるはずだと語った。

 レギュレーションが大変更される2026年のF1。ここ数年のF1は、開幕前に1回しかテストが行なわれないというシーズンも多かったが、今年はレギュレーション大変更に伴い、バルセロナでのシェイクダウンテスト、そしてバーレーンで2回のプレシーズンテストで、各チームともそれぞれ3日間の走行機会が与えられた。しかしアストンマーティン・ホンダは、シェイクダウンテストでは1日と少ししか走れず、バーレーンでの2回のテストでも、トラブルに見舞われて満足に周回できなかった。

 結果として、周回数は全チーム中最も少なく、さらに記録したラップタイムも最も遅かった。そのため、信頼性だけでなくパフォーマンスも低いのかと嘆く声も聞かれた。

 アストンマーティン・ホンダが見舞われていたトラブルは、異常な振動によってバッテリーのシステム系にダメージが及んでいたことが原因だったと説明された。これによりバッテリーから漏電してしまう危険があり、テストを終了したというのだ。バーレーンテスト後半2日目終盤に、フェルナンド・アロンソがドライブしていた時にコース上に停止したシーンがあったが、それこそが悩まされていた問題の典型例だったという。

 昨年まではレッドブルに対して、HRCが開発・製造したパワーユニット(PU)を供給していた。当然昨年までのPUと今年からのPUは、レギュレーション変更によって大きく異なるものではあるが、レッドブルと組んでいた時には振動による問題でバッテリーにダメージが及んでいたという事象はあまり明るみに出ていない(トロロッソにPUを供給していた2018年、振動の問題に見舞われたことがあった)。また開発段階でも、当然振動に関するテストも行なっているはずだ。それでもトラブルに見舞われてしまったということは、アストンマーティンのシャシーAMR26に搭載した時特有の振動があったということなのだろう。

 現在アストンマーティンのスタッフが5名HRC Sakuraを訪れ、対策を検討する作業に追われているという。

 現時点は、この問題解決が大変なものなのかどうか分からないという。振動というのは実に難しいモノであり、原因はひとつではないことが多い。

 ブリーフィングに出席した武石伊久雄専務によれば、「振動の源はもちろんPUなのですが、クルマとして組み上げた場合には、路面からの入力も含め、複合的な要因で異常振動が起きることがあります」

「今はHRC Sakuraにある、モノコックも載っているようなベンチを使いながら、実際に振動対策の解決を行ないながら、何案も走らせているというところです。それで開幕戦に向けて、解決しようと動いているところです」

 武石専務は、時間がかかる可能性も否定できないとしながらも、なんとか開幕戦までには対策を施したいとも語った。

「原因がひとつに特定できれば、すごく攻め込みやすい部分になります。でもおそらく、それぞれが連成しながら振動を発生させているんだと思います。そういう意味では、何かひとつだけを直せばうまくいくかどうかも今は分からないですし、少し長引く可能性も否定はできません」

「ベンチでのテストでも、ある程度の傾向は見えてきます。その傾向を掴みながら、実際に走った傾向も予測して、改善に向けて手を入れていくというのが、対策の方向性になってくると思います」

「私の中では、鈴鹿までにというよりも、開幕戦までに振動を下げようと思っています。そしてもちろん、鈴鹿にも当然戦える状態にしていくつもりです」

「アストンマーティンさんのパーツをうまく組み込んでもらえば、それだけでうまくいく可能性だって当然あると思っています。ですから当然、諦めたわけではありません」

 そして武石専務は、こうも語っている。

「問題が解決すれば、本来のパフォーマンスは出てくると思います。ただ、テストでロングランなどができていれば、もっとパフォーマンスの面についてもお話しできたかもしれないですが、今はまだパフォーマンスの話を積極的にできる状況ではないです」

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