F1 アメリカGP
F1分析|実はデグラデーションはそれほど大きくない? 次第に安定……1ストップ戦略が主流に
F1アメリカGPのフリー走行2回目のペース推移を見ると、ソフト〜ハードいずれのタイヤの出番もありそうだ。
田中 健一
公開日時: 2026/10/24 9:27
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Max Verstappen, Red Bull Racing
写真:: Steven Tee / LAT Images via Getty Images
F1アメリカGPのフリー走行2回目では、セッションが順調に進んだこともあり、多くのマシンが積極的にロングランを行なった。その走行データを見ると、走行開始直後のデグラデーションこそ大きいものの、次第にペースが安定。これであれば1ストップ戦略が主流になりそうだ。
FP2のセッション中、ソフトタイヤを履いてロングランをしていたフェラーリのルイス・ハミルトンは無線でこんなことを語った。
「すごく落ちてきている。コース上にクルマを留めておくのも難しいよ」
確かにハミルトンが言うとおりの傾向だったことが、実際の走行データから読み取れる。
Longrun Pace: Soft
写真: Motorsport.com Japan
上のグラフは、FP2でソフトタイヤを履いたマシンのペース推移を折れ線グラフで示したものである。赤の点線で示したのがハミルトンのロングランペースであり、1分41秒台後半で走り始めると、その後一旦1分40秒台までペースアップ……しかしその後は急速にペースを落としていった。確かに「デグラデーションが大きいよ」と嘆くのも当然であった。
しかし対照的なデータもある。それがチームメイトのシャルル・ルクレール(赤の実線)のペースだ。
ルクレールはハミルトンよりも速いペースでロングランをスタートさせ、一旦ペースを落とす。しかしその後ペースが安定……1分42秒台のペースで安定させている。
つまり走り出し直後はデグラデーションが顕著であるが、次第に安定するということ。これは他のマシンでも同じような傾向が出ている。
最も分かりやすいのは青い実線で示したレッドブルのマックス・フェルスタッペンだ。フェルスタッペンもロングランを、ルクレールよりも若干遅いペースで走りはじめ、多少ペースを落としたもののその後安定。しかも安定した部分はルクレールよりもペースが速い……つまりフェルスタッペンの方がロングランでは速い可能性がある。
他のマシンも、徐々にペースを落とした。そこでロングランを終えてしまったため、ペース推移の全体像は見えにくい。しかし、周回数を重ねれば同じようにペースが安定した可能性がある。
ちなみにアルピーヌは、ロングラン開始直後のペース下落率は実に小さい。ただ7〜8周ほど走るとガクリとペースが落ちている。これは他のマシンとは少し違う挙動に見え、興味深い。
Longrun Pace: Medium
写真: Motorsport.com Japan
一方でこちらのグラフは、ミディアムタイヤでのロングラン時のペース推移である。ソフトタイヤのように崖のようにペースが落ちる箇所はあまり見えず、なだらかにペースが落ちていっている様がよくわかる。
ただ10周ほど走ると、ペースが徐々に上がり始めているのが緑の実線で示したアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)や水色の点線で示したアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)のペース推移で見て取れる。
これらを見ても、ミディアムタイヤは決勝では欠かすことのできないタイヤであるということは間違いないだろう。
Longrun Pace: Hard
写真: Motorsport.com Japan
またハードタイヤを履いてのロングランを行なったドライバーも数人いる。
このペース推移を見ると、ソフトやミディアムに比べて実に安定。絶対的なペースの面で見ても、ソフトやミディアムにそう見劣るわけでもない。
ピレリのモータースポーツ・ディレクターを務めるダリオ・マラフスキーはプレスリリースの中で、「C2(ハードタイヤ)はレース戦略において、限定的な役割しか果たさないと見られる」と語ったが、このデータを見る限りでは、ハードタイヤを選ぶドライバーもいるかもしれない。
ちなみに初日を終えた段階で、各車の残りタイヤ数はハード1セット、ミディアム2セット、ソフト6セットとなっている。ただウイリアムズはハードとミディアム1セットずつ、ソフト7セット残し、キャデラックはハード2セット、ミディアム1セット、そしてソフト6セットという残りタイヤ数である。
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