ハミルトンとメルセデスは、F1アゼルバイジャンGP初日の苦戦からなぜ立ち直れたのか?

F1アゼルバイジャンGP初日で苦戦しながらも、予選ではフロントロウを獲得してみせたルイス・ハミルトン。彼とメルセデスはどのようにして状況を好転させていったのか?

ハミルトンとメルセデスは、F1アゼルバイジャンGP初日の苦戦からなぜ立ち直れたのか?

 F1第6戦アゼルバイジャンGPの予選でルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手を確定させた時、彼は無線で叫び、喜びを表した。

「素晴らしい頑張りだよ、みんな! 素晴らしい頑張りだ」

 彼は通算100回目となるポールポジションを獲得することはできなかったが、メルセデスにとって最悪の週末になる可能性があったところから、状況を好転させたのだ。

 前戦モナコGPで苦戦し7位に終わったハミルトンは、バクーに入ってからも復調の兆しを見せることができていなかった。初日午後に行なわれたFP2では11番手。チームメイトのバルテリ・ボッタス共々トップ10に入ることができなかった。

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 チーム代表であるトト・ウルフは初日を終えた段階で、予選が非常に厳しいものになると予想していた。ハミルトンとボッタスはこの時点でグリップ不足に悩まされていたからだ。

 しかし、2日目午前に行なわれたFP3でハミルトンは3番手タイムをマーク。依然としてボッタスがトップ10に入れなかったため、メルセデスとしては納得いく結果ではなかったかもしれないが、勢いは増していた。

「FP3の時点ではまだまだ最悪な状況だった」とハミルトンは言う。

「でもFP3の終わりに発見できたものがあって、その方向に向かってプッシュを続けた結果、それが報われたんだ」

 異なるセットアップの方向性を見出したことにより、メルセデスはモナコから続いていたタイヤのウォームアップの問題を解消し、ハミルトンは逆転のチャンスを手にした。

「最後の最後にセットアップを変えたところ、少し可能性が見えてきたんだ」とハミルトンは説明する。

「他の人たちのようにタイヤにスイッチを入れることができていなかった。しかし突然タイヤが機能し始めて、僕たちは勝負に加われるようになったんだ」

 メルセデスは予選開始までの間に夜通し分析を行った結果、突破口を発見することができたようだ。ハミルトンは長年の実績からチームを信頼してはいるものの、その変更が間違った方向に進んでしまうのではないかという不安も抱えていたという。

「正しい方向に行くのか、間違った方向に行くのか分からなかったので、不安でいっぱいだった」

「今朝(FP3)や昨日(初日走行)のように、トップ10から外れる可能性もあった」

「僕たちは昨夜(金曜夜)23時までここにいた。そしてセッション開始の10分前まで小さな変更をしていた。なんとかして問題を解決させる必要があったんだ」

 これに関してウルフは、メルセデスが望み通りの結果を得るために、“徹底的な”セットアップ作業をしたことを明かした。

「特効薬のような確実な解決策はないので、ひたすら数をこなして、色々なことを試し、ドライバーからのフィードバックを得た結果、最終的により適切な位置まで来ることができた」とウルフ。

「FP3最後の走行でそのステップを確認したところ、マシンはまずますの状態になっていたんだ」

 そして迎えた予選のQ2とQ3でハミルトンとボッタスは、アタックラップに入る前にウォームアップラップを2周入れるという戦術を採った。ハミルトンは特にこの戦術がハマり、Q2を3番手タイムで通過した。

 そしてハミルトンはQ3最初のアタックで2番手タイムを記録し、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の間に割って入った。そのラップタイムはルクレールのポールタイムからわずか0.232秒遅れであり、FP2でのベストタイムを0.7秒近く縮めるモノだった。

 しかしハミルトンは、トウを使うためにボッタスに近付きすぎてしまったため、本来ならばもう少しラップタイムを縮めることができたはずだと考えている。

「間違いなく、もう少し縮められるだけのタイムがあったと思う。最初の周回で、バルテリに近付きすぎてしまったんだ」

 そうハミルトンは語る。

「前を走るマシンに近付きすぎたため、中間セクターで少しペースを落とした。でも、僕はそれを受け入れている」

 最終的に、Q3の終盤に角田裕毅(アルファタウリ)がターン3でクラッシュしたことにより赤旗が掲出。それにも助けられ、ハミルトンは2番グリッドを手にした。

 ハミルトンは逆境に強いことで知られており、困難な状況に陥ったとしても、素晴らしいリカバリーを見せる。モナコでの苦い思い出から学ぶことをハミルトンとメルセデスは誓っていたが、バクーでの”逆転劇”はそれを証明するかのようだった。

 それを物語るように、予選後のハミルトンの表情はとても明るかった。

「正直なところ、最高の気分だ」

「今週末はずっとトップ10から外れていた。マシンを理解してパフォーマンスを引き出すのに本当に苦労していたから、素晴らしい気分だ」

「ここに来れたことを嬉しく思うし、1周できたことに感謝している。昨日の時点で予想していたのとはかなり違うレースになりそうだ」

 フェルスタッペンとのポイント差は、アゼルバイジャンGPでさらに拡大するように見えた。しかし今は逆に、ポイントリーダーの座を奪還するチャンスが転がり込んできたのだ。

 しかしそれ以上に、バクーで得られた教訓は、シーズン残りの期間でさらに貴重なものとなるかもしれない。

 

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