「本来のF1マシンからは程遠い」ストロール、ルール微調整後も不満抱える
アストンマーティンF1のランス・ストロールは、不満の声が多かった2026年ルールに調整が加えられても、理想には程遠いと嘆いている。
アストンマーティンのランス・ストロールは、F1が今週末のマイアミGPでルール修正を導入するにもかかわらず、2026年のレギュレーションは依然として「F1が本来あるべき姿から大きくかけ離れている」と主張した。
2026年のルールに関するさまざまな側面について、チーム、ドライバー、そして一部の熱心なファン層から懸念の声が上がってきた。そして中東2戦の中止によって生まれた春休み期間を利用して、ルールの一部調整について話し合いが行なわれた。
その結果マイアミGPから一部ルールを調整することで合意。スーパークリッピング時のエネルギー回生量の上限を350kWに引き上げること、そして予選での1周あたりのエネルギー回生量が8MJから7MJに引き下げられることが決まった。こうした変更で、予選ではより積極的にマシンをプッシュできるようになる見込みだ。
マイアミGPで導入される今回の修正は、あくまで最初の調整段階にすぎず、今後の数戦で得られるデータ次第ではさらなる変更が加えられる可能性がある。
大方の見方としては、これは問題解決の決定打というより、正しい方向への小さな一歩に過ぎず、より大規模なハードウェア面での変更が必要になるだろうという見方が多い。
少しでも改善することが期待されているが、依然として批判的なのがストロールだ。彼はF1は依然として「あるべき場所から何マイルも離れている」と言い、現行レギュレーションは今後数年間にわたり「根本的に欠陥を抱えたまま」であり続けると主張する。
「こうした変更によって改善されることを願っている。予選ラップやレースを台無しにしているあらゆるものがあるからだ。だから、もう少し普通に運転できるようになることを期待している」
マイアミGPの木曜日にストロールはそう語った。
「バッテリー管理やリフト&コースト、どれだけスロットルを踏むかといったことを、いちいちそこまで考えなくて済むようになってほしい。しかし、バッテリーのことばかり考えずに全開でプッシュできる、本来のF1マシンにはまだ程遠い。あるべき姿からは何マイルも離れている」
Lance Stroll, Aston Martin Racing
Photo by: Clive Mason / Getty Images
ストロールは、先週末に開催されたモナコ・ヒストリック・グランプリで、過去のF1マシンがモナコ市街地コースを走る映像を見たことが特に印象的だったと語った。
「休みの間には、昔のレース映像を何となく見ていた。テレビではモナコ・ヒストリックもやっていて、2000年代初頭のフェラーリのサウンドを聞いた。あの音は本当に素晴らしかったし、マシンも小さくて俊敏だった。2000年代前半、あるいは中盤のV8時代やV10時代のオンボード映像も見た」
「それと比べると、今のマシンはまったく違って見える。当時のマシンの音や特性は見ていてずっとエキサイティングだった事がわかる。悲しいことではあるけど、良い方向に向かってくれることを願っている」
一方でルール調整を評価する声もある。アルピーヌのピエール・ガスリーは、この調整によって予選を以前のような魅力あるものへ戻すための意味ある改善がもたらされると述べた。また各チームの上級エンジニアたちは、1周アタック中にリフト&コーストを行なう必要性が、今後はほぼ無くなると予想している。
「僕たちが求めていた方向へ進んでいる。ゲームチェンジャーだとは思わないが、正しい方向への一歩であり、試してみる価値はある。これがどんな効果をもたらすのかを実際に確認し、さらに対応が必要かどうかを見極めることが重要だ。でも、僕は良いものになると思うよ」
またガスリーは、ドライバーの意見を考慮して次のステップに進んだFIAとF1首脳陣の対応を評価した。
「全体として、ここしばらくで最も良いコミュニケーションだったと思う。非常に建設的だった。ドライバーとして、自分たちが議論に関われたことを評価している」
「なぜなら実際にハンドルを握っているのは僕たちであり、あらゆる状況で何が起きているかを体感しているのも僕たちドライバーだからだ。ドライバーが提供できるフィードバックは、組織内の他の誰よりも具体的で正確なものになる。彼らはそれをしっかり認めてくれた」
「もちろん、ドライバーがルールをすべて決められるわけでじゃない。スポーツの背景には大きな組織やメーカーが存在していて、それぞれが求めるものや、この競技に参入するうえで必要としている条件がある。全員を満足させなければならないんだ」
「でも最終的には、安全性が最優先されるべきだ。今回行なった変更については、皆かなり満足していると思う」
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