元レッドブルのマルコ博士が語る、フェルスタッペンの強さの理由「15歳の頃、その身体に25歳の精神が宿っているように見えた」
昨年までレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めていたヘルムート・マルコ博士は、マックス・フェルスタッペンが素晴らしいパフォーマンスを発揮するのは、父親の厳しいトレーニングのおかげだと語った。
長きにわたってレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めてきたヘルムート・マルコ博士。しかし2025年いっぱいで同職を退いた。
そのマルコ博士はレッドブルで、ドライバー育成を指揮してきた。その間数々のF1ウイナーを育て上げたことでも知られている。
そんな中でもマルコ博士の最高傑作と言えるのが、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンであることはいうまでもないだろう。ふたりは、いずれも4年連続でのチャンピオンを獲得した。
オーストリア版の『Die Zeit』のインタビューに応じたマルコ博士は、「目標達成のために全力を尽くす覚悟がある」と確信が持てない若手ドライバーを採用することは「決して」なかったと明かした。
「私は常にコース脇に立ち、全てを観察し、直感も基づいて判断していた」
そうマルコ博士は語る。
「今では全てのドライバーが、まずはシミュレーターに乗る必要がある。しかしシミュレータの結果は、私の事前の評価と99%一致するんだ」
マルコ博士は候補者たちを見る際、才能だけでなく人格の面にも注目した。特に精神面を重視していたという。
「若いドライバーを長期的に育成するには、最大で300万ユーロ(約5億6000万円)もの費用がかかる。13歳の息子や娘を持つ親は、通常ならば自分たちでその費用を捻出しなければいけない。私は常に、才能あるドライバーたちが、借金したり時には家を抵当に入れたりするなど、家族が彼らのためにどれほどのリスクを負っているのかを理解しているかどうかを知りたかったんだ」
マルコ博士曰く、ベッテルとフェルスタッペンに関しては、若い頃からF1で成功するために必要な資質があると見抜いていたという。
「私のオフィスのテーブルの向かい側にベッテルが座っていた時、彼はフォーミュラBMWで20戦中18勝した直後だった」
そうマルコ博士は振り返る。
「彼は残り2戦を勝てなかったことを悔やんでいた。あの不屈の精神は、今でも私の心に深く刻まれている」
またフェルスタッペンについてもこう語った。
「フェルスタッペンは、15歳の身体に25歳の精神が宿っているような印象を与えた」
「マックスには明確な目標があった。それは、父親による非常に効果的で厳しいトレーニングのおかげというところもある。
マックス・フェルスタッペンは父ヨス・フェルスタッペンから、こんなトレーニングを受けていたという。
「常に一番でなければいけない、最高でなければいけない……彼は文字通り、父親からその言葉を吸収したんだ」
しかし危うさも感じていたと、マルコ博士は言う。
「それは限界ギリギリの状態だった」
「例えばミラノ近郊、ガルダ湖の近くにカートコースがふたつある。マックスは指が青くなるまで、そこで走らなければいけなかった。気温が10度だろうが、雨が降っていようが、そんなことは関係なかった」
「しかし、マックスは今でも父親の厳しさから恩恵を受けている。」
「マックスは悪天候の中でコースインすると、すぐに他のドライバーよりも2秒速く走る」
目的のためには手段を選ばないのか? そう尋ねられると、マルコ博士はこう語った。
「そうだね。でも、あんなことに耐えられる少年は、そう多くはないだろうね」
フェルスタッペンは昨年まではチャンピオン争いを繰り広げたが、今季はレギュレーション変更に伴いレッドブルが後退したことで、上位争いに加われていない状況である。さらにそのレギュレーション変更によりマシンのドライビング特性が大きく代わったことに、フェルスタッペンは不満を隠さず、引退の可能性すらちらつかせている。
その一方でGT3マシンに乗ってニュルブルクリンク24時間レース参戦を目指したり、さらにはシムレースに挑んだりと、日々レース漬けの日々を送っている。あたかも彼自身が”レーシングマシン”のようだ。
ただ今年、パートナーのケリー・ピケとの間に第一子が誕生。良いパパにもなった。
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