マゼピンが予選後に流した“涙”の真相。スタッフの人事異動もあり歯がゆいシーズン続く「僕にはレースしかないんだ……」
ハースのニキータ・マゼピンは、予選後のインタビューで感情が溢れ出してしまったのは、チームスタッフの離脱などで「困難な時期」を過ごしているからだと明かした。
写真:: FIA Pool
F1第19戦サンパウロGPのノックアウト予選で、自身のミスもありQ1敗退に終わったニキータ・マゼピン(ハース)は、その後のインタビューで目に涙を浮かべる一幕があり話題となった。
スプリント予選レースを終えた後に再度インタビューに応えたマゼピンは、先のインタビューで感情的になった理由は「そのほとんどがミスをしたことによるもの」だとしたが、チームスタッフが変更となったことで厳しい時期を過ごしていることも関係していると語った。
「ここ数戦はマシンバランスだけでなく、チームの内部事情もあってかなり厳しい状況に置かれている」
マゼピンはそう語った。
「だからこそ、特に今は結果が重要になっている。素晴らしいラップを記録できるところだったのに、あと少しのところで頑張りすぎてしまって台無しにしてしまったのは、精神的にキツかった」
さらに彼はこう続ける。
「マシンから降りて、記者に質問されるまで4分くらいしかなかったから、その時の記憶がよみがえってきたんだ。うまくいっていたらもっと違う結果になっていたと思うと、ただただ悲しい気持ちになる」
「僕の人生には、レース以外何もない。だから人生をかけて戦っているし、当然うまくいかない時は感情的になってしまう」
またマゼピンはチームの内部事情について、「ここ数レースで人の出入りが激しく、チームが“シャッフル”されている」と説明する。そんな中でマゼピンは、メキシコでチームメンバーとのサッカーの試合を計画したり、レース後の送別会にも参加した。
「今僕の周りにいる人たちが、来年も全員ここにいるとは限らないことは分かっている」とマゼピンは言う。
「だからこそ僕は今の環境を楽しんでいる。今年に入ってから僕は、本当に素晴らしい、誠実な人たちに囲まれている」
「残念ながら、僕のエンジニアは先週別のチームに移ってしまった。それは彼だけに限った話ではない。だから……厳しい状況なんだ」
マゼピンは具体的にどのスタッフが去っていったのかについては明かさなかったが、次のように話した。
「僕のエンジニアリングチームのメンバーは常に同じではなく、トルコ以来変わり続けている」
マゼピンは今季、チームメイトのミック・シューマッハーにペース面で後れを取ることが多く、シーズン前半はシャシーの問題にも見舞われるなど、苦しいシーズンを過ごしている。そんな中でのスタッフの人事異動は、彼にさらなる困難を与えている。
「この仕事は、ただオフィスに出社して、何か作業をして帰ればいい、という単純な仕事ではない。だからこそ今の状況は本当に厳しい」
「レースで成功するためには、人々との特別な絆が必要だ。彼らはドライバーのために一生懸命働き、ドライバーは彼らのために一生懸命働くんだ。そういったことを積み重ねることで、僕もこれまで結果を残してきた」
「でも、直接仕事をするメカニックが(シーズン途中で)変わってしまうと、そのメカニックが適応する時間が足りない。その結果、オースティンのようにヘッドレストが外れたり、不要なピットストップで25秒をロスしたりしてしまう。そこから立ち直るのはかなり厳しい」
「自転車で走っている時に、タイヤに木片が刺さってしまうような感覚だ。あらゆることの勢いが止まってしまう」
「ただ、これまでにも同じような経験はしたことがあるし、前より強くなって戻ってきたいと思う」
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