環境派ベッテル、次世代PUの将来に見解。持続可能な燃料、市販車との関係……”正しい”理解が必要
F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルは、2026年以降のF1のパワートレインについて、特に燃料に関しては熟考が必要だと主張している。
F1は2026年からパワーユニット(PU/V6ターボハイブリッド)の規則が変更される予定となっている。まだこの規則の詳細については持続可能な燃料へのコミットを含めて発表されていないが、F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルは、特に燃料に関して深く考え直すことが必要だと考えている。
ドライバーの中でも環境保護などの活動に熱心なことで知られているベッテル。彼はイギリスGPで私有のウイリアムズFW14Bのデモランを行なったが、その際はカーボンニュートラル燃料を使用しており、ここでも環境への配慮が見られた。
FW14Bをカーボンニュートラル燃料で走らせる……今回の成功はF1が異なる道を選ぶことができるということを示唆するものだったとも言えるだろう。
そして、この選択肢が好ましいと思うかと訊かれたベッテルは次のように答えた。
「僕らの(現行)エンジンを見てほしいんだけど、これは凄いモノだよ」
「パワフルで、信じられないほど効率的だ」
「恐らく最も効率的なエンジンだろう。僕も世界中全部のエンジンを知っているわけではないけど、最高効率のエンジンのひとつのはずだ。でも、いつか買おうと思っているクルマ、もしくは以前買ったクルマに、そのエンジンは載っているだろうか? いや、そうではないだろう」
「僕が今回使った燃料には、1リットルあたり5.95ユーロ(825円)を払っている。普通の燃料よりもすごく高価だ。でも、普通の燃料と、僕が買ったものはかなり違っていることも忘れないで欲しい」
「だから、(カーボンニュートラル燃料の)価格が下がる余地はある。同時に、もう片方は中長期的には上昇するしかない」
Sebastian Vettel, Aston Martin
Photo by: FIA Pool
ベッテルは将来のF1燃料とパワーユニットは、より公道と関連性を持ったものになるべきだと示唆している。
「F1で僕らが使っている燃料は、少なくとも僕が先週使ったモノよりも4~5倍は高いはずだ。だから、ここではお金は問題ではない」
ベッテルはそう語る。
「なぜそこまで高価なんだと思うだろう? エンジンと燃料を一緒に開発して、ライバルよりもパフォーマンスを絞り出すためだ。だから競争が激しいんだ」
「一方で、手に負えないとは言いたくはないけど、(開発が)コントロールできなくなり、エンジンがあまりにも複雑になって、公道ではその恩恵を受けることはできなくなる可能性がある。そこで、『僕たちがやろうとしていることには正当な理由がある』といったような強いガイダンスとガバナンスが必要なんだと思う」
「その正当な理由については、とても明確でシンプルだ。だからそれを実現させる方法を見つけなくちゃならない。僕はモータースポーツ野郎で、レースを愛しているし、こうしたクルマが大好きなんだ。V10エンジンの興奮も大好きだよ。今後において、そういった面を後回しにするのかは分からない。何が最善の策なんだろう?」
「何がより安価な方法なのか? という点も同様に気がかりだ。こうしたエンジンには多額の費用がかかるし、現時点でも彼らの開発費は莫大なものになっているんだ」
「2026年以降をどうしたいのか、彼らはまだ擦り合わせができていないように思う。同意しなくてはいけない人が多いというのが大変なのは分かるけどね」
Be part of Motorsport community
Join the conversation記事をシェアもしくは保存
Top Comments
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。