本文へスキップ

フォーミュラEドライバーなら、“充電ゲー”の26年型F1で速いのでは? そう甘くはないと現役FE戦士たち「まだまだ全然別物だよ」

フォーミュラEの参戦ドライバーたちは、電気エネルギーのマネジメントが重要になった今季のF1に参戦したとしても、フォーミュラEの経験が優位に働くとは考えていない。

Nyck De Vries, Mahindra Racing

写真:: Joe Portlock / Getty Images

 電動エネルギーの出力比率が高まり、これまで以上に“電気”の扱いが重要になった2026年シーズンのF1。そこで素朴かつ安直な疑問が思い浮かぶ。フォーミュラEのドライバーが今のF1に乗ればどうなるのか、と。

 フォーミュラEは完全電動のマシンで競われるのに対し、F1はエンジン50%、電気50%の割合で出力を発生する“パワーユニット”を搭載するハイブリッドマシン。車体もタイヤも大きく異なるので両者を単純比較することは当然できない。ただ、今年のF1は電気エネルギーをいかに効率良く回生(充電)して、それをいかにデプロイ(使用)するかが勝敗の鍵を握っている。そしてそんな“エネルギーマネジメント”の勝負をこれまでずっとやってきたのが、フォーミュラEのドライバーたちなのだ。

 2020-2021シーズンのフォーミュラEチャンピオンで、今季もマヒンドラからフォーミュラEに参戦、東京E-Prixでは勝利も収めたニック・デ・フリーズは、F1参戦経験があるだけでなく、今季はマクラーレンのテストドライバー兼シミュレータドライバーを務めている。つまり、2026年からの現行規則F1マシンの挙動を知る数少ないフォーミュラEドライバーのひとりなのだ。

 そんなデ・フリーズに、フォーミュラEドライバーは現行のF1マシンをうまく乗りこなせるのではないかと尋ねると、こう語った。

「F1でバッテリーの重要性が高まっていることはその通りだ。ある意味、F1の技術規則はWEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEでやっていることを取り入れている部分もある」

「でもF1はモータースポーツの頂点であり、これまでの歴史を振り返っても、モータースポーツにおける世界最高のドライバーたちがF1でレースをしている。だから彼らはすぐに適応したし、それこそ彼らがあそこにいる理由だ」

「だからフォーミュラEでの経験があればF1で速く走れると言うつもりはない。まだまだF1とフォーミュラEは別物だ。ただ、WECやフォーミュラEから取り入れられた技術的要素は確かに存在する」

 F1チームと関わりを持つ現役フォーミュラEドライバーがもうひとり。2022-2023シーズンのシリーズチャンピオン、ジェイク・デニス(アンドレッティ)だ。彼は実はレッドブル・レーシングで開発ドライバーを務めており、シミュレータで現行F1マシンを体感しているのだ。

ジェイク・デニス(左)

ジェイク・デニス(左)

写真: Takashi Aoyama / LAT Images via Getty Images

 そんなデニスに同じ質問を向けると、彼も「そうは言っても、(F1とフォーミュラE)はまだまだ全然別物」と話す。特に、フォーミュラEのタイヤはF1のスリックタイヤとは違い、全天候対応の溝付きタイヤ。その時点で大きな違いがある。

「フォーミュラEのマシンとF1のマシンはかなり違いがある。F1はかなりグリップするけど、フォーミュラEは真逆なんだ。それでいて、エネルギーマネジメントの方ではフォーミュラEがかなり先を行っている。だから比較するのは難しいね」

 なおフォーミュラEは来シーズンからGEN4と呼ばれる新世代車両を投入予定。常時4輪駆動でパワーも従来の1.7倍と大きく性能アップし、その速さはF1に近付くとも言われる。ただタイヤに関しては将来的なスリック化が検討されているとはいえ、来季も引き続き溝付きタイヤが使われる予定で、サプライヤーはブリヂストンが務める。

関連ニュース:
 
前の記事 【コラム】東京フォーミュラEは”夜遊び”にはまだ足りない……しかし今後に期待。FE創設者「日本でのレースに投資する。ファンの皆さんのためにも」

最新ニュース

FIA、2026年新レギュレーションに、ドライバーから批判が集まるのは分かっていたと明かす……しかし「今年のレースは面白い」と主張

F1
F1 F1
Hungaroring Pirelli test
FIA、2026年新レギュレーションに、ドライバーから批判が集まるのは分かっていたと明かす……しかし「今年のレースは面白い」と主張

東京の街を駆けるフォーミュラE、来季はパワー大幅増の“モンスター”に。しかしドライバーたちは楽観視「コースに少し変更を加えるだけでいい」

フォーミュラE
FE フォーミュラE
東京の街を駆けるフォーミュラE、来季はパワー大幅増の“モンスター”に。しかしドライバーたちは楽観視「コースに少し変更を加えるだけでいい」

メルセデス、後半戦に大型アップグレードの“弾”を持っている? 投入時期を慎重に検討中「予算的には良い状況にある」

F1
F1 F1
ベルギーGP
メルセデス、後半戦に大型アップグレードの“弾”を持っている? 投入時期を慎重に検討中「予算的には良い状況にある」

雨のSF富士で予選トップ3に入ったブラウニングとオサリバン。知られざる数奇な“腐れ縁”|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

スーパーフォーミュラ
SF スーパーフォーミュラ
雨のSF富士で予選トップ3に入ったブラウニングとオサリバン。知られざる数奇な“腐れ縁”|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記