日本語だってお手のもの。フォーミュラE参戦の元レッドブル育成マルティ、日本の文化とアニメへの愛を語る
フォーミュラEに参戦するぺぺ・マルティは、日本と日本のアニメへの愛から、日本語を勉強しようと思い立ったという。
Pepe Marti, CUPRA KIRO
写真:: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images
東京都心を舞台に熱戦が繰り広げられているフォーミュラE東京E-Prix。残念ながら日本人ドライバーは参戦していないが、おそらく参戦ドライバーの中で最も流暢な日本語を話すのは、クプラ・キロのジョゼップ・マリア・マルティ(通称ぺぺ・マルティ)かもしれない。
マルティはJ SPORTSのインタビューで、「日本で楽しみにしていることは?」という質問に対し、日本語で「7月京都と大阪に行きました。来年私は横浜と福島に行きます」と回答。ファンに向けてはインタビュアーの助けも借りながら、「こんにちは、私はぺぺ・マルティです。この週末はフォーミュラE東京E-Prixです。この週末は楽しみです。よろしくお願いします。ありがとうございます」とかなり本格的な日本語を披露した。
昨年までレッドブルジュニアチームの一員としてFIA F2を戦っていたマルティは、ミドルフォーミュラをウォッチする熱心なファンにとっては馴染みの存在ではあるが、日本のレースに参戦した経験もなく、なぜ日本語を習得しようとしたのか経緯が気になるところ。そこで本人に尋ねてみた。
曰くマルティは大の日本好きであり、特にアニメが大好き。親日が高じた結果、日本語にチャレンジするようになったのだという。
「アニメも理由のひとつだけど、ふたつ理由があるんだ」
「まず第一に、僕は日本が好きなんだ。文化も好きだし、日本の人たちにも魅力を感じている」
「日本に来た時、人々の礼儀正しさに心を打たれた。日本人同士はもちろんだけど、外国人に対してもまずは礼儀を重んじてくれるよね。今の時代、そういうのも珍しくなっているから、そこは本当に気に入っている。だから日本語を勉強したいと思ったんだ」
「そして日本のアニメが好きだから、日本語を耳にすることも多い。それに新しい言語を身に付けるのは役に立つと常々思っていたんだ。世界中の人たちと、その国々の言葉でコミュニケーションが取れるのは本当に素晴らしいことだ」
ちなみにお気に入りのアニメを尋ねると、「そうだな……けっこう観てるからね」と悩んだ様子だったが、多くの作品の名前を挙げてくれた。
「『僕のヒーローアカデミア』、『ヴィンランド・サガ』、『鬼滅の刃』……『Attack on Titan』って日本語で何だっけ? ああ!『進撃の巨人』だったね」
「初めて観たのが『進撃の巨人』だった。いとこから『絶対観た方がいいから!』と言われたのがきっかけだから、感謝しないとね。ちなみにその次に観たのが『ハイキュー!!』だ」
アニメを通して耳にする日本語はカジュアルな話し言葉が多いため、フォーマルな言葉遣いや漢字には苦労しているというマルティ。「少なくとも2030年までには流暢に話せるようになれたらいいな」とF1チームの再建プランのような堅実な計画を明かした。
そうなると期待せずにはいられないのが、マルティがいずれ日本のレースカテゴリーに参戦することだ。昨年まではF1直下のカテゴリーで戦い、今年はフォーミュラEを舞台に選んだマルティだが、今もF1を目標にしているのか、それとも違ったカテゴリーでプロドライバーとしてのキャリアを築きたいと考えているのか、率直に尋ねた。
「難しい質問だね。もちろんF1は話をもらえれば耳を傾けたいとは思っている。ただ正直、今はここでレースをしていて楽しいんだ」
「フォーミュラEにもうまく順応できていると思っているし、今回も予選は散々だったけどレースではポイントを獲得できた。少なくともごく近い将来の話をするならば、ここが自分の居場所だと思っている」
「でもスーパーフォーミュラやスーパーGTのGT500を掛け持ちしてみたいという気持ちもある。やっぱりレーシングドライバーとしてとにかく速いマシンに乗りたいという気持ちがあるし、その点でスーパーフォーミュラは素晴らしい選手権だ。僕はザック・オサリバンと仲が良くて、もちろん(同郷の)アレックス・パロウとも話す。彼らからは良い話しか聞かないから、そういう選択肢も当然除外していない」
日本のレースカテゴリーに参戦する外国人ドライバーの中には、チームとのコミュニケーションを円滑にするために日本語を勉強する者も少なくない。ただマルティがかなりの“予習”を済ませた段階で日本にやってくれば、それは大きな武器となることだろう。
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