【ル・マン24時間】フェラーリ51号車、トヨタとの”死闘”を制し総合優勝! 攻めに攻めたトヨタ8号車が2位で、ル・マン6連覇ならず
第91回ル・マン24時間レースは、51号車フェラーリ499Pがトヨタ8号車GR010ハイブリッドとの死闘を制し、総合優勝を果たした。
第91回ル・マン24時間レースは、51号車フェラーリ499P(ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ/アレッサンドロ・ピエール・グイディ組)が総合優勝。レース序盤から波乱の展開となった100周年記念大会を制した。
トヨタは他車からの追突を受け、7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組)が8時間過ぎのところで悔しいリタイアを喫した。
残された8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)はフェラーリ51号車に食らいつき死闘を演じたが、終盤のクラッシュもあり2位フィニッシュとなった。
序盤から雨などもあり、波乱の展開となった今回のル・マン24時間。夜間や朝になっても各クラスでクラッシュやトラブルが頻発。止まるマシンも多くなっていった。
朝を迎え首位に立つフェラーリ51号車は2番手トヨタ8号車とのギャップを少しずつ拡大。レース残り6時間となった時点で、8号車に1分ほどの差をつけて首位を快走した。
総合優勝争いはフェラーリとトヨタ1台ずつの一騎打ちになりつつあったが、8号車から2分遅れの3番手キャデラック2号車がリードラップに残り、4番手のキャデラック3号車も1周遅れという位置。セーフティカー出動などがあればまだまだどうなるか分からないという状況だった。
残り5時間45分というところでポルシェカスタマーのJOTA38号車がインディアナポリスでクラッシュし、スローゾーンが設けられると、首位51号車がルーティーンのピット作業へと向かった。
タイヤ交換を終えた51号車だったが、エンジンがかからず走り出せないというまさかの事態に。マシンをリセットし再始動はできたものの、これで同じ周にピットに入ったトヨタ8号車が先行。51号車は6秒ほど後方でコースに復帰することになった。
しかしタイヤ交換をしたばかりの51号車の方がレースペースが良いようで、残り5時間12分のところで51号車が首位を奪還。再び少しずつトヨタ8号車との差を広げていった。
サーキット上空の雲間から太陽も覗き、徐々に路面温度も上昇。しばらくは各車が淡々と走行していたが、残り4時間25分を切ったところでLM-GTE Amクラスのプロトン・コンペティション911号車ポルシェがポルシェカーブでクラッシュ。またスローゾーンが設けられた。
レース後半からフェラーリ51号車とほぼ同じタイミングでピットに入っていたトヨタ8号車だが、このスローゾーンを有効活用しようとしたか、通常のスティントと比べて半分ほどの距離でピットに飛び込んだ。ただ51号車もこれに反応。翌周にピットに入り、8号車の4秒前でコースに復帰した。
ここでトヨタ8号車のハートレーは果敢にプッシュ。51号車を1.5~2秒前後のギャップで猛追した。だがさらにその後ろから6周遅れのフェラーリ50号車が接近。この間にまた差が5秒ほどまで開いた。
両陣営ともここが勝負どころと見たか、2台ともに猛プッシュ。好タイムを叩き出し合い、8号車はここで自己ベストラップタイムを更新した。ピットインを挟んでも2台のプッシュは続き、ハートレーは3スティント目のミディアムタイヤで懸命に51号車を追った。
タイヤの違いもあり、18秒ほどまで差が広がったトヨタ8号車だが、残り2時間37分のところでピットイン。タイヤを交換した一方で、ハートレーは連続4スティント目の走行に入り、さらにプッシュを続けた。お互い少しのミスも許されないトップ争いは、少しずつトヨタ8号車がフェラーリ51号車とのギャップを削り、その差は再び10秒を切った。
残り2時間を切り、トヨタはフィニッシュドライバーとして平川亮に8号車を託したが、リヤタイヤをロックさせてしまい、アルナージュで痛恨のクラッシュを喫してしまう。
8号車は前後のボディワークにダメージを負い、緊急ピットイン。後続のキャデラック2号車との差が十分あったため、トヨタ8号車は2番手をキープ。しかも修復作業も実に迅速であり、リードラップのまま走行を再開した。ただフェラーリ51号車との差は3分以上まで広がってしまった。
これでしぶとく追いかけるトヨタのプレッシャーから解放されたフェラーリ51号車は、少しペースを落とし慎重にチェッカーを目指した。
しかし、ル・マンは最後まで何が起きるか分からない。フェラーリ51号車は残り時間23分を切って実施したラストピットで、またもマシンが始動しないトラブルが発生。大きくタイムをロスしてしまった。トヨタ8号車の平川は諦めずにプッシュを続けており、残り20分を過ぎて最後のピット作業を済ませた段階でその差は1分45秒となった。
だがこれで波乱は打ち止め。フェラーリ陣営は固唾をのんでチェッカーを見守ったが、51号車がホームストレートに帰ってくるとようやく喜びを爆発させた。
フェラーリは、プロトタイプカーで50年ぶりにル・マンにワークス復帰した1年目に、総合優勝を達成した。トヨタ8号車は2位となり、6連覇の夢は潰えた。
キャデラックは2号車が3位表彰台。3号車も4位に続いた。5位には、レース前半にトラブルでガレージに入ったフェラーリ50号車が入っている。
グリッケンハウスは、708号車が6位。残り20分を切って7番手を走っていた709号車がクラッシュしたが、7位で完走を果たしている。
ポルシェは終盤まで5号車が5番手を走っていたが、残り30分を切ってスローダウン。最後はスローペースでチェッカーを目指した5号車の8位が最高位となった。
これまで苦戦が続いていたプジョー勢は、一時首位を走る場面もあったが、終盤になって揃ってガレージにマシンを入れるシーンがあり、93号車が9位となっている。
LMP2クラスは、レース前半からトップ争いに加わっていたインター・ユーロポール34号車が快走。しかし終盤にドライブスルーペナルティを受けると、無線のトラブルも重なり最後は接戦に。2位のチームWRT41号車とは21秒差でチェッカーを受け、クラス優勝を果たした。
LM-GTE Amクラスは、終盤コルベット・レーシング33号車、アイアン・デイムス33号車フェラーリ、ORT by TFスポーツ25号車による三つ巴の優勝争いが展開された。最終的にコルベット33号車が優勝。GTE車両による最後のル・マン24時間レースを制した。
ケイ・コッツォリーノ、辻子依旦、横溝直輝の日本人トリオで挑んだポノスカラーのケッセル・レーシング74号車フェラーリは、クラス9位でフィニッシュ。
木村武史もドライバーを務めるケッセル・レーシング57号車は、一時クラストップを走るなど好調だったが、グラベルを踏んだ影響で緊急ピットイン。その後もリードラップに残り粘り強く戦っていたが、残り4時間を切ってクラッシュを喫しリタイアとなった。
藤井誠暢、星野敏が乗るDステーション・レーシング777号車は、夜明けを前に電気系のトラブルでリタイアとなった。
ガレージ56枠の特別エントリーで注目を集めたヘンドリック・モータースポーツのNASCARマシン、シボレー『カマロZL1』24号車はミスなく走行を続けていたが、終盤にギヤボックスのトラブルでガレージイン。最終的に285周を走り総合39位でフィニッシュしている。
記事をシェアもしくは保存
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。