マルコ・ベッツェッキ、チェコGP決勝は出場停止に! スプリントでのマーシャルへの悪行に厳罰
アプリリアのマルコ・ベッツェッキは、スポーツマンシップに反する行為をしたとして、チェコGP決勝レース出場を禁止された。
Marco Bezzecchi, Aprilia Racing
写真:: Gold and Goose Photography / Getty Images
アプリリアのマルコ・ベッツェッキは、チェコGPスプリントでマーシャルを「突き飛ばし、殴打した」としてMotoGPスチュワードから処分を受け、チェコGP決勝レースへの出場を認められなくなった。
ポイントリーダーのベッツェッキは、スプリントの残り2周、ターン3で5番手走行中に転倒を喫した。
ベッツェッキは、グラベルで止まったバイクに駆け寄ると、マシンを回収しようとしていたマーシャルを突き飛ばしたばかりか、さらにもう一度同じマーシャルの顔面を殴打。彼は現場を立ち去り、今季5度目のリタイアとなった。この映像はSNSで拡散された。
ベッツェッキは、このスポーツマンシップに反する行為について土曜日夕方にスチュワードへ召喚された。事情聴取を行なった結果、スチュワードは残りのセッションへの出場停止処分を科すことを決定した。
声明では次のように説明されている。
「2026年6月20日16時07分41秒、チェコGPのMotoGPスプリントにおいて、転倒後、あなた(ベッツェッキ)はマシンを回収しようとしていたサーキット・マーシャルを突き飛ばし、殴打した」
「これはスポーツの利益を損なう行為であり、FIMグランプリ世界選手権規則第3.3.2.2条に定められる違反、すなわち『大会またはスポーツの利益を害するいかなる不正・不誠実な行為、または個人もしくは集団によるそのような行為』に該当する」
「以上の理由により、FIM MotoGPスチュワード・パネルは、FIMグランプリ世界選手権規則第3.2.1条および第3.3.2.3条に基づき、あなたにチェコGPへの出場停止処分を科す」
アプリリアはこの決定を不服として控訴し、チームマネージャーのパオロ・ボノラとモータースポーツ部門責任者のマッシモ・リボラがベッツェッキに代わってヒアリングに出席した。
しかし、元500ccクラスGPライダーのサイモン・クラファーが率いる控訴審委員会はこの訴えを退け、当初の処分を維持した。
長文の声明の中でスチュワードは次のように述べている。
「FIM控訴スチュワードは、ライダー側から提出された主張および映像、公式報告書、さらに事故を取り巻く状況などの証拠を慎重に検討した」
「ライダーが事故直後に苛立ちや失望、あるいは高ぶった感情を抱くことは理解している。しかし、そのような状況が、職務を遂行しているサーキット関係者に対する身体的攻撃を正当化する理由にはならない。サーキット・マーシャルやその他の安全担当者は、モーターサイクル競技を安全に運営するうえで不可欠な存在である。彼らは競技者を守り、大会を安全に継続するため、走行中のマシンなど危険が伴う環境で職務を遂行している。このスポーツは、彼らが脅迫や虐待、身体的暴力を恐れることなく職務を果たせることを前提として成り立っている」
「スポーツマンシップの原則は、すべての参加者に対し、いかなる場合でも役員、マーシャル、ボランティアを尊重することを求めている。安全担当者に対する攻撃的な身体的接触は、その基準から著しく逸脱する重大な行為であり、選手権の安全運営を支える相互の信頼と尊重を損なうものである」
「今回の相手が、事故後にライダーのマシン回収作業に従事していたマーシャルであったことは特に重大である。彼らはライダーと大会全体の安全、そして競技の円滑な運営のためだけに行動していた。マーシャルに対する身体的暴力は、プロフェッショナル・モータースポーツにおいて断じて容認できない。状況のいかんを問わず許されるものではない。このような行為に適切な対応を取らなければ、選手権全体の競技者に誤ったメッセージを送ることになり、スポーツを支える役員やボランティア、スタッフを保護するという統括団体の責務にも反する」
「行為の重大性、被害者がサーキット安全担当者であったこと、適切な行動基準を維持する必要性、さらに当事者および他者への抑止効果を総合的に考慮すると、当初のスチュワード・パネルがライダーの行為を『スポーツの利益を損なう行為』と認定したことは妥当である。また、科された制裁は違反の重大性に照らして均衡が取れており、スチュワード・パネルに認められた裁量の範囲内にあると判断する」
この出場停止処分はベッツェッキにとって大きな痛手となる。土曜日のスプリントで転倒した結果、チームメイトでランキング2番手のホルヘ・マルティンに対するリードはすでに15ポイントまで縮まっていた。
またこの処分により、アプリリア最大のライバルであるドゥカティにとって大きな好機が生まれることになる。ランキング3番手のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)はベッツェッキから36ポイント差、マルク・マルケス(ドゥカティ)も65ポイント差まで迫っている。
ベッツェッキはライバルが差を縮めるのを指をくわえて見ているしかない状況となったが、スチュワードの声明の通り許されざる行為をしてしまった以上、自業自得としが言いようがないだろう。
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