まさに”悪夢の1日”。クラッシュ相次いだカタルニアGPにライダーたち心境複雑「リスタート回数に制限設けるべきか……」
MotoGPライダーたちは、クラッシュが相次いだカタルニアGPで赤旗後のリスタートに臨む精神的な負担について語った。
Johann Zarco, Team LCR Honda crash
写真:: Gold and Goose Photography / Getty Images
MotoGPライダーたちは、2度の赤旗中断やアレックス・マルケス(グレシーニ)とヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が巻き込まれた大クラッシュなど、混乱を極めたカタルニアGPについて、複雑な心境を明かした。
最初の大きなアクシデントは、レース12周目に発生した。レースリーダーのペドロ・アコスタ(KTM)がターン10への下り坂で電気系統のトラブルと思われる症状で急減速。後ろにつけていたアレックス・マルケスは彼を避けることができなかった。マルケスは激しく暴れるバイクから振り落とされ、検査のため病院に搬送された。
レースは赤旗中断となったが、リスタート直後にも3台が絡む多重クラッシュが起きてしまった。ターン1への進入でザルコ、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)、ルカ・マリーニ(ホンダ)の3台が絡んで転倒。ザルコは左足がバイクに巻き込まれた状態で、グラベルを転がった。
不幸中の幸いだったのは、マルケスとザルコは共にクラッシュ直後から意識がある状態で、それぞれ骨折こそ負ったものの大事には至らなかったことだ。
しかし当時、ふたりの容態に関する情報が不足していたことから、3度目のスタートを切ることに反発したライダーもいたようだ。
金曜日の練習走行でクラッシュし、自身も脳震盪を起こしたアプリリアのホルヘ・マルティンは、リスタートの回数に制限を設けるべきではないかと疑問を呈した。
カタルニア・サーキットはレイアウトの特性上、ターン1周辺に安全上の懸念が存在するため、この問題は特に重要な意味を持つ。
「本当に危険な一日だった」と彼は認めた。
「クラッシュによる痛みも少しあったけど、アレックスの状況が本当に心配だった。彼が無事でよかったし、ザルコも無事でよかった」
「もちろん、ショーはいつも通り続けなければならない。でも、3回もリスタートしたなら、もう止めるべき時なのかもしれない。僕には分からないし、僕が決めることではない。でも、3回もリスタートするのはかなり危険だ。完全に集中力を失って、また最初からやり直すのは……」
「僕自身は対応できる自信がある。でもできないライダーもいる。だから、何度もリスタートを繰り返すのはかなり危険だと思う。一体いつまで続くんだ? 6回? 7回? 分からない。もしこれが続いたら……って思うんだ」
「だから、これは考えなければいけない問題だと思う。でも前にも言ったように、一番大事なのは、僕たち全員が生きていて、愛することを続けられることなんだ」
Alex Marquez, Gresini Racing, Pedro Acosta, Red Bull KTM Factory Racing
Photo by: Qian Jun / MB Media / Getty Images
ホンダのルカ・マリーニは、バルセロナの日曜日を「僕たちにとって最悪の日だった」と表現した。ザルコのクラッシュを見たことで、自身が大怪我を負った鈴鹿8耐テストでのクラッシュの記憶が蘇ったと彼は語った。
「アレックスとヨハンがしっかり回復してくれることを願っている。本当に僕たちにとって最悪な日だった」
「僕たちは世界最高のライダーだから、リスタートで集中し直す方法は分かっている。でも、それでも本当にきつかった。特に僕にとってはね」
「ヨハンがああいう状態で倒れているのを見た時、鈴鹿のクラッシュがフラッシュバックした。本当に、本当に嫌な感覚だった。今はもうアドレナリンもなくなって、レースへの集中も終わったから、胃の奥からすごく嫌な感覚が込み上げてきている」
「少なくともメディカルチームが、彼に痛みを感じさせないように良い仕事をしてくれていることを願うよ。あの瞬間の痛みがどんなものか、僕は知っているから」
「救急車がすぐ来てくれたのは幸運だった。今は病院で少し休めているはずだ。早く、そして何より100%の状態で戻ってきてほしい」
ライダーたちはリスタートしないことを望んでいたかと聞かれたマリーニは「いや、絶対に違う」と答え、レースを完走できたことに満足していることを示した。
ヤマハのアレックス・リンスは、マルケスが地面に倒れているのを目撃した後、レース再開をガレージで待つのがどれほど辛かったかを語った。
「こういうことが起こると、僕にとってレースは二の次になる」
「アレックスが地面に倒れているのを見たとき、心が張り裂けそうになった」
「本当にショックだった。すごく動揺していて、ピットの中で何度も深呼吸していた。仲間が倒れている姿を見るのは、本当に辛いことなんだ」
「結局のところ、僕たちはみんな人間だから。本当に厳しいし、苦しいよ」
さらに、MotoGPがこうした状況へどう対応すべきか問われると、リンスはこう締めくくった。
「分からないよ。でも僕にとって一番大事なのは、彼らの意識があったこと。ライダーに意識があると分かった瞬間、ようやく心が落ち着くんだ」
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