スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦:富士
あのヤマケンが泣いた。SFでの低迷に年初の負傷……「フォーミュラ向いてない」とまで思った山下健太が会心の3位表彰台
スーパーフォーミュラ第2戦富士で3位表彰台を獲得した山下健太。彼にとっては久々の表彰台となったが、これまでの様々な出来事が重なり、レース後は涙を見せた。
編集: 2023/04/09 12:12
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富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ第2戦。6番グリッドからスタートしたKONDO RACINGの山下健太は、終始上位争いを展開して4番手でフィニッシュすると、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)のペナルティにより3位表彰台を手にした。彼にとっては実に3年ぶりとなるスーパーフォーミュラでの表彰台だ。
そんな山下はチェッカー後の中継インタビューでも表彰台でも、熱く込み上げてくるものを堪えているのは明らかだった。どんな状況でも常にマイペースでひょうひょうとしている山下のこんな姿を見たことがある者は、ほとんどいなかったのではなかろうか。
「色々と思い出すと泣いちゃいそうなんですけど」と記者会見の中で話す山下。ここ数シーズン、スーパーフォーミュラでは苦しいシーズンが続いており、それが彼を精神的に追い込んでいたようだ。
山下は2017年にスーパーフォーミュラにデビューし、2019年に岡山で初優勝。同年はシリーズ5位となったが、2020年の開幕戦もてぎを最後に表彰台から遠ざかり、ここ2シーズンは入賞もままならない日々が続いた。
Photo by: Masahide Kamio
「SFではすごく苦労していて、自分が何をやってもうまくいかないという印象が強かったです。SFに乗ってる人ならみんなわかると思うんですけど、理解できないことがすごく多いです」
「そこをいくらやっても結果が出ない時期が長かったですね。3年色々やったけど、何も感度がなく。ポイントもとれなかったんで、向いてないのかなとも思ったんですよ……」
そう言って言葉を詰まらせた山下。その後の質問では、自らが珍しく感極まった理由についてさらに補足した。
スーパーフォーミュラで苦戦し思い悩む山下に追い討ちをかけたのが、年初の負傷。鈴鹿でのスーパーGTテストで大クラッシュし、背骨の圧迫骨折という怪我を負ってしまった。これによりスーパーフォーミュラ、スーパーGTの公式テストをそれぞれ1回欠席。スーパーフォーミュラにおいては、車両も変わる新シーズンに向けて担当エンジニアも変更して心機一転、浮上を目指そうとしていた矢先の負傷だったため、彼としても負い目に感じる部分があったようだ。
パルクフェルメに戻った山下
Photo by: Masahide Kamio
「SFで活躍できない時期も長かったんですけど、今年に入ってから事故をして、きつい期間がありました。……また泣いちゃいそうなんですけど(笑)」
「色々重なっちゃって。普段は泣かないんですけどね。テレビで勝って泣いてる人をみて、なんでレースで泣くんだろうと思っていたんですけど、気持ちがわかっちゃいました(笑)」
そう語る山下に、1位の席に座っていた野尻智紀(TEAM MUGEN)は労いの言葉をかけた。彼自身も今でこそ2度のシリーズチャンピオンだが、デビューイヤーに初優勝を記録して以降、長きに渡って足踏みをしており、シリーズ2勝目まで5年を要した苦労人だ。
「向いてないって思う時、いっぱいあるよね。俺もいっぱいある。ランキング18位(実際には17位)の時、マジで辞めてやろうと思ったもん(笑)。頑張ろう」
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そんな野尻の言葉に、会見場からは自然と拍手が起こった。
山下にとって、スーパーフォーミュラでこれほど長いマイレージを刻んだのは今季初めてだが、「このデータをみんなで考えていけば、トップに届くところにいけるのかなという感触はあります」と語る。今回は体力的にも厳しい部分があったようだが、本調子になればさらなる大暴れを見せてくれるかもしれない。
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