スーパーフォーミュラ 第5戦:SUGO

リアム・ローソン、スーパーフォーミュラ第5戦は戦略噛み合わず。エンジニアとのコミュニケーションでわずかなズレ……終盤に鬼神の追い上げも5位

スーパーフォーミュラ第5戦で、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)は5位に終わった。彼のペースはトップに匹敵するものだったが、レース戦略に関するわずかな誤解が大きく響いたようだ。

戎井健一郎 Jamie Klein

編集: 2023/06/19 2:55

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Liam Lawson, TEAM MUGEN

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦をポイントリーダーとして迎えたTEAM MUGENのリアム・ローソン。しかしレースでは5位に終わり、優勝した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)に選手権首位の座を明け渡したが、その噛み合わなかったレース戦略について本人とエンジニアが振り返った。

 予選で6番手となり、グリッド3列目からの発進となったローソン。スタートで4番手に上がり、大湯都史樹(TGM Grand Prix)、宮田、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)の3台を追いかけていた。

 直後を走っていた野尻智紀(TEAM MUGEN)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らがピットウインドウオープン後早々にタイヤ交換を行なう中、ローソンはステイアウトを選択して残り10周までピットストップを遅らせた。しかし野尻ら早めにピットインしたドライバーはコース上でマージンを稼いでおり、長らく坪井を抜きあぐねていたローソンがピットストップを終えた時には、7番手まで転落していた。

 そこからローソンはフレッシュタイヤで驚異の追い上げを見せ、ファステストラップを更新しながらKids com Team KCMGの2台を攻略すると、最後は大嶋和也(docomo business ROOKIE)の背後まで迫り5位でフィニッシュした。ただ彼らにとっては、戦略面が噛み合わずに本来のポテンシャルを活かしきれなかった感は否めないレースとなった。

 今回のレースは早めのピットインを選択したドライバーが軒並み上位に顔を揃えたが、なぜローソン陣営はピットストップを引っ張ったのか? 実は彼らにもピットウインドウオープン直後に入る計画があったのだが、エンジニアとドライバーの間でコミュニケーションにわずかなズレが生じ、今回のような戦略になったのだという。

「リアムは僕たちに、宮田選手との戦いに集中しよう、早めにピットインする野尻選手たちのことは気にしなくてもいいと話していました」

 そう語るのは、ローソンの担当エンジニアである小池智彦エンジニア。しかし彼が受け取ったニュアンスはローソンの意図していたものとは少し違っていたようだ。

「僕はリアムの言ったことを誤解していました。僕は宮田選手の前に出ることにとにかく集中していましたが、リアムが言いたかったのは今回のレースを最小限のダメージに抑えようということで、2位や3位でもいいということでした」

 ローソンの無線を、チャンピオンシップのライバルである宮田の前でフィニッシュすることに固執したいということだと解釈した小池エンジニアだったが、ローソンの発言の真意としては、先にピットインするドライバーをカバーすることに囚われず、安全パイをとるレースをしたいということだったようだ。

 結果的にローソン陣営は早めのタイヤ交換を行なわず、トップを走る宮田の動きをフォローする戦略を採った。しかしローソンはペースの上がらない2番手坪井の後ろで引っかかるような形となった上に、宮田が思いの外早くピットに入ったことに気付いた時には、もうカバーをするには手遅れな状態だった。ただこの段階でピットに入っていれば、宮田には勝てなくとも、ローソンの考えるような“ダメージリミテーション”のレースができた可能性がある。ただ小池エンジニアとしてはリアムの意向を「打倒宮田」だと解釈していたため、残り周回でセーフティカーが出動することに賭けてステイアウトする作戦をとった、ということだろう。

 決勝レースは路面温度が高くなることを見越して、第1スティントでは内圧の低いタイヤを履いていたローソン。しかし実際のレースは想定以上に曇っており路面温度も上がらなかったため、これもステイアウト作戦の足を引っ張ってしまった。小池エンジニアは10周目にピットインしていれば宮田を倒せた可能性があるとして、自らの判断ミスだと語った。

「第2スティントには内圧が高めのタイヤを用意していて、実際リアムはそのスティントで最速でした。もし10周目にピットインしていれば、優勝できたかもしれません」

 一方ローソン本人も、明らかに間違った戦略を採ってしまったと考えており、戦略次第では十分に優勝を狙えるペースがあったと話す。ただチームを責めるつもりはないという。

「ポジションを失ってしまったけど、チームを責めたくはない」とローソンは言う。

「このことをしっかりと分析して、同じミスを繰り返さないようにしたい」

 チャンピオンシップでは宮田と12ポイント差のランキング2番手につけるローソン。次戦富士は開幕大会でも大暴れしたサーキットだが、6月末にインシーズンテストが行なわれることもあり、接近した戦いが繰り広げられるだろうと語った。

「僕たちはうまくいかないレースもあった中で最大限の結果を残してきたけど、ミヤタは安定している。僕たちも後半戦はもっとポイントを稼げるように頑張らないといけない」

「今年初めの富士のレースでは強さを見せられたので、それを再現できればと思う。ただ来週は富士でテストもあるので、接戦になりそうだね」

 

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