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大嶋和也、長きに渡る苦戦を乗り越え殊勲の4位フィニッシュ。辛い時期を支えたルーキーレーシング豊田章男オーナーの涙にあわやもらい泣き

スーパーフォーミュラ第5戦SUGOで4位フィニッシュを果たした大嶋和也。ここ数年結果を残せないレースが続いていただけに、喜びもひとしおだったようだ。

Kazuya Oshima, docomo business ROOKIE

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦は、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)の今季2勝目で幕を下ろした。そんな宮田と並んで、今回のレースの“ヒーロー”だったとも言えるのが、4位に入ったdocomo business ROOKIEの大嶋和也だ。

 大嶋は2020年からルーキーレーシングのドライバーとしてスーパーフォーミュラを戦っているが、過去3シーズンは上位に食い込めない日々が続いた。3年間で入賞は5回、最高位は8位。特に昨年は1ポイントも獲得することができなかった。

 迎えた2023年シーズン、新車両『SF23』が導入されるこの年にチームは体制にテコ入れ。大嶋の1台体制はそのままに、監督に2度のスーパーフォーミュラ王者である石浦宏明を迎え入れ、エンジニアリングチームも強化した。

 そして第5戦のSUGOで、ついにチームの取り組みが結実した。大嶋はフリー走行、予選から好調で、8番グリッドを確保。決勝ではピットウインドウオープンと共にタイヤ交換を実施する作戦も功を奏し、最後は追いすがるリアム・ローソン(TEAM MUGEN)を従えて4位でフィニッシュすることができた。

 大嶋はレースを振り返り、今回は今までと比べ物にならないレベルのグリップを得られていたと語る。

「今までにない感覚のグリップ感で、ドライビングでアジャストするのが難しいくらいでした」

「リヤのグリップが足りないなという感覚はまだありますが、それでもここ数年のクルマの中ではグリップレベルが全然違っていて、これがこのまま続けば楽しいレースになりますね」

 このように、今回はかつてないほどの手応えがあったようだが、これは前述の体制強化や、車両の変更なども無関係ではなさそうだ。

「車両がSF23になり、新しいパーツを付けるときに組み方などを工夫して、今季は走り始めから1ランク上がったなという印象もありました。石浦監督も自身の経験も伝えてくれますし、若手の木谷(彬彦)エンジニアも、柔軟にドライバーの意見を取り入れて色々試してくれます」

「そうやって今までやっていなかったようなトライをやった結果、今回のようなレースができたので、すごく前向きな状況です」

 大嶋にとって、キャリア最後の表彰台は2019年のオートポリス戦。それ以降は長い間、上位を走れないレースが続いてきた。これは精神的にも堪えるものだったというが、大嶋はトヨタ自動車の現会長でルーキーレーシングのチームオーナーでもある豊田章男氏の言葉に励まされていたようだ。

「ここ数年、ほとんどビリのようなシーズンが続いていて、身内からも『フォーミュラでは遅いんじゃないか』という声が出るようになっていました」

今回のレースでも豊田オーナーが顔を見せた

今回のレースでも豊田オーナーが顔を見せた

Photo by: Masahide Kamio

「心が折れそうな中、オーナーの章男さんが『お前は速いんだから大丈夫だ』とずっと言ってくれていました。その期待に応えられて良かったです」

「章男さんもお忙しいと思いますが、それでも『休暇で遊びに来てるんだ』と言ってくださって。今回も目をウルウルさせながら喜んでくれたので、僕もだいぶ危なかったですけど……(笑)。4位で泣いちゃいけないと思って必死に堪えました」

 スーパーGTでは今でも勝利を積み重ねている大嶋だが、やはりフォーミュラの舞台で結果を残すことは、レーシングドライバーとして格別な喜びがあるという。「4位で喜んでいいのか」と思う部分もあるようだが、「次にもう一回4位をとった時に悔しいと思えるよう、頑張ります」と力強くコメントを結んだ。

 
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