スーパーGT 第2戦:富士
“ダウンフォースマシン”のホンダNSX-GTが富士で4台予選Q2進出。HRCとして取り組んだ「セットアップの精度向上」も一因に?|スーパーGT第2戦
スーパーGT第2戦富士の予選ではホンダ・NSX-GT勢が数多く上位のタイムを記録したが、これについてHRC(ホンダ・レーシング)は、セットアップの精度を高めるという取り組みが実を結んだと語った。
戎井健一郎 Jamie Klein
公開日時: 2023/05/03 12:09
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富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦の予選セッションでは、100号車STANLEY NSX-GTがポールポジションを獲得。ホンダ陣営は5台中4台のNSX-GTがQ2に駒を進めるなど、高いパフォーマンスを見せた。
空力性能に優れた“ダウンフォースマシン”と評されるNSX-GTは、どちらかと言えばハイダウンフォースのサーキットやストップ&ゴーのもてぎなどを得意としてきた。もちろん車両特性以外にもタイヤなど様々なファクターがあるのは確かだが、長いストレートを持つ富士でのレースでホンダ陣営が4台予選Q2に進出するのはNSX CONCEPT-GT時代の2014年第5戦以来であり、NSX-GTとなってからは初である。
この結果を受けて、HRC(ホンダ・レーシング)でスーパーGTのラージ・プロジェクトリーダー(LPL)を務める佐伯昌浩氏は次のように語った。
「開幕戦岡山は荒れた展開になったので、我々が進めてきた『セットアップの精度アップ』を評価できない1戦になりました。今回はその評価をする上で良い気象条件となり、全体のセットアップ精度を上げるという方向性は合っていたと確認できた1日になりました」
また、車体開発責任者である往西友宏氏も今回の予選結果について「開発凍結でハードの性能を上げられない中、チームさんとの共同作業で、NSXの力を引き出すという取り組みが具現化できたのは良かったと思っています」とコメント。佐伯LPLに同意した。
予選では、好調ホンダ陣営の中でもQ1とQ2でチームの好不調が入れ替わった。ポールの100号車STANLEYはQ1でカットラインギリギリの8番手に終わっていたが、これはコンディション変化というよりも、Q1のセットアップが狙いから外れていたことが要因だった様子。裏を返せば、短時間のアジャストによる軌道修正でQ1からコンマ8秒のタイムアップを実現したのは、セットアップのベースが強固なものだったから……HRCのコメントを総合すると、そう推察することもできる。
#100 STANLEY NSX-GT
Photo by: Masahide Kamio
またQ1でワンツーだったARTAの2台に関しては、HRC曰くQ2では軽微な「トラブル的なもの」があり、わずかにタイムロスがあったという。そのため往西氏は「全てクリアな状況であれば各車同じタイムを出せる実力だった」と振り返っている。
なお16号車ARTA MUGEN NSX-GTでQ2を担当した福住仁嶺は、自身のドライビングで少し「ミスがあった」と表現しており、「ちゃんとまとめていたらポールをとれる感じはあった」とした一方で「久々に楽しい予選だった」と明るい声色で話していた。HRCサイドだけでなく、ドライバーからも今回の予選に関する手応えが聞こえていた。
Photo by: Masahide Kamio
こういった結果を生む一因となったセットアップのベースアップについて、HRCはどのような形で取り組んできたのか? これについては、ツールなどを用いた事前シミュレーションの精度を上げることで、サーキット入りする前の段階でセットアップの方向性を収束させ、「外れのない方向」にある程度絞り込んで持ち込むことができるようになったようだ。
開幕前からライバルの前評判も高いホンダ陣営。彼らは元来シーズン終盤戦で登場するSUGO、オートポリス、もてぎなどを得意としているが、富士で大量ポイントを稼ぐとなれば、シーズンを優位に進めることになりそうだ。
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