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グループC時代を俯瞰できる6台の競演。エキゾースト・サウンドの魅力を再確認

鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦では、グループC車両によるデモランが実施された。今から30〜40年前の車両ではあるものの、多くのファンがそのエキゾースト・サウンドに酔いしれた。

グループC〜夏の鈴鹿耐久決戦〜

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGT第5戦が開催された鈴鹿サーキットは、1963年の開業から今年で60周年。これを記念して、今年開催される4輪/2輪のビッグレースに合わせて、ヒストリックな車輌のデモランが行なわれてきた。今回はスーパーGTとは直接的な関係はないが、真夏の耐久レースとして歴史を重ねてきた鈴鹿1000㎞で主役を務めていた国内外のグループCマシンをメインに、6台のスポーツプロトタイプカーがデモランを行なった。

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 グループC時代のキング・オブ・キングとも言うべきポルシェ962Cは、当初予定されていたル・マン24時間優勝車両であるロスマンズ・カラーのポルシェ962C Le Mansではなく、89年の全日本スポーツプロトタイプカー選手権(JSPC)で高橋国光/スタンレイ・ディケンズ組がチャンピオンに輝いたADVAN alpha 962Cが参加。さらに日産が初めてル・マンに参戦した日産R86V(マーチ86G・日産)や、グループCが3.5L・NAエンジンに限定された第二世代の車両である日産NP35、グループCとほぼ同様の車両規定で北米を転戦していたIMSAシリーズのGTP仕様で開発されたマツダ767B、そしてグループC2/IMSA-GTPライト仕様のアルゴJM19CとスパイスSE91Cとマニアックなモデルも登場した。

マツダ767B
ADVAN alpha 962C
スパイスSE91C
ニッサンR86V
アルゴJM19C
ニッサンNP35
6

 メカニズム的にはアルミパネルで構成されたモノコックフレームから、炭素繊維強化プラスチックで成形されたカーボン・コンポジット・モノコックまで、グループC時代のメカニズムの変遷が分かるラインナップだ。またグループC(C1)とC2、あるいはIMSA-GTPとIMSA-GTPライト(シリーズスポンサーであるキャメルたばこのネーミングを使用した、通称“キャメル・ライト”と呼ばれるのが一般的)と、80年代から90年代序盤にかけての主要4カテゴリーの車両、そして唯一のロータリー・エンジン搭載モデル、さらに第2世代の1台がラインナップされた。

 6台というと台数的には少し寂しい気がしないでもないが、この日登場した6台を見れば、グループC時代を俯瞰することもできる納得のラインナップだった。さすがに、それぞれが現役時代だった頃ほどの迫力とはいかなかったが、それでもコスワースDFV系のV8サウンドに加えてポルシェのフラット6ターボやR86VのV6ターボ、NP35の自然吸気V12、そして767Bの4ローターREなど、異なるエキゾースト・サウンドを楽しめたことは、この日サーキットに集まったファンにとっても大きな収穫だったに違いない。

 ポルシェとマツダ、日産の2台、そしてスパイスも含めた5台のマシンはすべて、現役時代にサーキットで取材していたのだけれど、アルゴだけは取材した記憶もなく、個人的にはこれが“初取材”となるために鈴鹿サーキットに取材に出かけた。ところがそのアルゴ、実はオーナーの田中裕司さんによると「86年に富士で行なわれたWEC in Japanにザクスピード製のエンジンを搭載して出走していました」とのこと。改めて記憶の虚ろさを痛感させられることになった。

 考えてみればグループCレースが行なわれていたのは1980年代から90年代序盤で、今からもう30年から40年も昔の話になる。だから若いファンにとっては見たこともないレーシングカー、ということになるのだろうけれど、年配になると根強いファンも少なくないようで、土曜と日曜、2日間にわたってピットウォークが行なわれた際にスーパーGT参戦車と共に並べられると、「スーパーGTに比べて(気に留める)お客さんは少ないと思っていましたが、メインレースと同じか、場合によってはそれ以上の熱心なお客さんが大勢集まってくれて、びっくりしました」とデモランのチーム関係者が嬉しそうに語っていたのが印象的だった。

 今回出走した6台のうち5台は、個人が所有する“オーナー車”だが、日産のNP35のみはメーカー所有車両であり、普段は座間市にある日産ヘリテージコレクションに収蔵展示されていて、一般にも公開されている。そのNP35はデモランにおいて星野一樹さん(まだスーパー耐久シリーズなどでは現役を継続されているが、スーパーGTでは昨年限りで活動を休止しているので、あえて選手の肩書では紹介しないが、そのドライビングスキルが天下一品なのは言うまでもない)がドライブした。

 走行後にクルマから降りてきた星野さんは、ヘルメットを脱いで開口一番「いやぁ、楽しかったよ」と一言、嬉しそうにコメントしたが、改めてインプレッションを尋ねたところ興味深いコメントが返ってきた。

 星野さんは「自分も歳とったのかな」と苦笑しながらも「昔だったらパワーがあって、運転していて楽しかった。それだけの感想になりますが、そのクルマが開発された当時のことに思いを馳せることができるようになりましたね」とのこと。そして「あの頃、日産でどんな設計開発が行なわれていたのかとか、NISMOではどんな状況でテストが続けられていたのか、とかいろんなことが頭の中をよぎりましたね」と続けた。

 また「昨日(土曜日)の走行の後で、こんなに楽しかったってSNSに上げたら、(車両開発担当だった)水野和敏さんから『自分が作ったクルマを親子2代でドライブしてもらい、ありがとうございます』とコメントを返してもらいました」というエピソードも披露してくれた。

「ドライブしていてもV12の甲高いサウンドが気持ちよかった。やはりレースにサウンドは必要だと思いました。目でバトルしているのを見て、鼻でオイルの匂いを嗅いで、そして耳で甲高いサウンドを聞いて……もう五感すべてで感じるからこそレースが面白いんだと痛感しました。別にフォーミュラEを否定するわけではないけれど、やはりエキゾースト・サウンドは必要だと感じました」と星野さんは熱く語ってくれた。

 
 
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