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WEC スパ・フランコルシャン
【WEC】スパ決勝詳報:トヨタ1-2完勝。終盤熾烈な”同門”バトル
WEC第2戦スパ6時間レースの決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingが1-2フィニッシュを果たした。8号車TS050 HYBRIDは開幕2連勝を挙げた。
中村理紗
編集: 2017/05/08 10:27
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WEC(世界耐久選手権)第2戦スパ6時間レースの決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingが1-2フィニッシュを果たした。8号車TS050 HYBRIDは開幕2連勝を挙げた。
スパの初日と2日目は、ベルギー特有の寒々しい曇り空や小雨に見舞われたものの、決勝日のスパ-フランコルシャンサーキットの上空には青空が広がった。
1時間:1号車ポルシェ、首位から5番手に転落
現地時間14時30分よりローリングスタート方式でスパ6時間レースがスタート。第1コーナーで4番手スタートの9号車トヨタのニコラ・ラピエールが、首位の1号車ポルシェを一時追い抜いてイン側をとった。しかし、ラピエールはコーナー入り口で煙を上げながらブレーキング。それでも止まりきれずにオーバーランしてしまい、5番手に後退した。
一方、3番手スタートだった8号車トヨタのセバスチャン・ブエミは、第1コーナーをコンパクトにまとめ上げ、走行ラインが膨らんだ7号車トヨタを交わして2番手に浮上した。しかしスタートから10分後、周回遅れのGTEクラス86号車ポルシェに引っかかった8号車トヨタは、7号車トヨタに先行を許した。その後、7号車トヨタをドライブするマイク・コンウェイはペースアップし、1号車ポルシェをドライブするアンドレ・ロッテラーに急接近。0.5秒差につけた。それに負けじと8号車トヨタも姉妹車7号車を追う。
スタートから20分経過後、最終シケインで1号車ポルシェに7号車トヨタが仕掛けるが、ここはポルシェがポジションを死守。ホームストレート後のターン1では、トヨタ2台の牙が1号車ポルシェを襲った。その翌周、最終シケイン手前のストレートで、スリップストリームを利用した7号車トヨタが1号車ポルシェのオーバーテイクに成功。シケインでイン側を閉め、首位に立った。
トヨタの猛進撃は止まらず、その次の周で9号車トヨタがマシンを暴れさせながらコース外を走行し、ブランシモンで2号車ポルシェに仕掛けた。さらに8号車トヨタが混雑したホームストレートで1号車ポルシェの隙をつき、2番手に浮上した。
スタートから30分後、首位から3番手に沈んだ1号車ポルシェのペースは上がらず、4番手の2号車ポルシェにも追いつかれてしまう。2号車ポルシェのブレンドン・ハートレーは1秒差内で姉妹車の後をつけた。その12分後、2号車ポルシェが1号車を交わして3番手にポジションアップした。
レーススタートから45分経過後、20周を走りきったところで首位の7号車トヨタがピットイン。1号車ポルシェもそれに続いた。1号車ポルシェはドライバーチェンジとタイヤ交換を行い、ニック・タンディのドライブでコースインした。その翌周に8-9号車トヨタがピットイン。トヨタ陣営は全車とも1回目のピットストップでドライバーチェンジを行わなかった。最後にピットインしたのは2号車ポルシェ。こちらも給油のみ行った。
2時間:2号車ポルシェ、緊急ピットインで痛手負う
7号車トヨタをドライブするコンウェイのペースは好調で、2番手の8号車トヨタとの差をじわじわと開いた。5番手の1号車ポルシェもペースを取り戻し、4番手の9号車トヨタの背後に張り付く。レーススタートから1時間が経とうかというところで、1号車ポルシェが9号車トヨタの前に出て4番手にポジションアップした。さらにレーススタートから1時間20分後、1号車ポルシェが2号車ポルシェに接近。2号車ポルシェは2スティント目タイヤであるためペースが伸び悩み、結局1号車ポルシェに先行を許してしまった。
スタートから1時間34分後、46周終わりに7号車トヨタと1号車ポルシェがピットイン。7号車トヨタは小林可夢偉にドライバーチェンジを行い、対する1号車ポルシェはダブルスティントを決行した。翌周8号車トヨタがピットイン。ブエミはアンソニー・デビットソンにバトンを渡した。9号車トヨタもそれに合わせてピットインし、”ルーキー”の国本雄資がハンドルを握った。最後にピットインしたのは今回も2号車ポルシェ。ハートレーは同郷のアール・バンバーにマシンを引き渡した。
2回目のピットインによって、隊列は首位が7号車トヨタ、2番手にダブルスティントの1号車ポルシェ、3番手に8号車トヨタ、4番手に2号車ポルシェ、9号車トヨタは5番手という格好となった。
3番手の7号車トヨタに2号車ポルシェが接近したが、レーススタートから2時間を経過するかというところで、2号車ポルシェはタイヤトラブルを抱え、緊急ピットイン。左リヤタイヤのみ交換した。このため、3番手の8号車トヨタとの差が約40秒に開いてしまうこととなった。
3時間:7号車トヨタの一人旅
今回WECデビュー戦となる9号車トヨタの国本は、LMP1クラスの隊列から引き離されてしまっていた。ラップタイムも他のマシンから2~4秒差つけられたため、2時間が経過した時点でトップから1分43秒差となってしまった。
7号車トヨタの小林は、2番手の1号車ポルシェに約30秒差つけて独走。レーススタートから2時間10分後、8号車トヨタが1号車ポルシェを捉えて2番手に浮上した。その勢いは衰えず、8号車トヨタは1号車ポルシェを引き離していった。
スタートから2時間24分後、70周目の終わりに7号車トヨタがピットイン。1号車ポルシェもそれに続いた。7号車トヨタはダブルスティント、1号車ポルシェはニール・ジャニにドライバー交換した。その翌周に8号車トヨタがピットインし、給油のみ行った。少し遅れて、72周目の終わりに9号車トヨタがピットイン。こちらも給油のみ行い、2スティント目に突入した。
78周目にようやく2号車ポルシェがピットインし、ティモ・ベルンハルトにバトンを渡した。そのため、トヨタの2台が1−2体制。2号車ポルシェは3番手の1号車ポルシェの背後でレースに復帰した。
4時間:FCYの恩恵を得て8号車トヨタが首位へ
6時間レースの折り返し地点で、GTEクラス86号車ポルシェが7号車トヨタの目の前でスピンを喫し、小林は間一髪でそれを回避した。小林は今回の予選でも、同じようなシーンがあった。その後、86号車ポルシェはホームストレート上で停車してしまったため、イエローフラッグが振られた。その隙に、7号車トヨタがピットイン(92周目終了時点)を行なった。
残り2時間46分というところで、コース脇に止まった86号車ポルシェを回収するためにフルコースイエロー(FCY)が発動された。このタイミングで1号車ポルシェ、2号車ポルシェ、9号車トヨタらが続々とピットに向かい、少し遅れてトヨタ8号車が遅れてピットインする。
トヨタ7号車は小林からコンウェイにバトンタッチし、8号車トヨタには中嶋一貴が搭乗、9号車トヨタの国本は、ステファン・サラザンにマシンを引き渡した。対するポルシェは2台とも給油のみ行った。その5分後にFCYが解除された。
この時点での隊列はFCYのタイミングでピットインすることができた8号車トヨタが首位となり、イエローフラッグが出た段階で先にピットインしていた7号車トヨタは約15秒遅れの2番手、3番手に1号車ポルシェ、2号車ポルシェは4番手に続いた。
ピットインのタイミングで損してしまった7号車トヨタのコンウェイは、良いペースで8号車トヨタを追い、じりじりとそのタイム差を縮めた。
5時間:2号車ポルシェ、2番手にジャンプアップ
レース残り2時間のところで、7号車トヨタはトップの8号車トヨタから約2秒差まで詰めた。対するポルシェの2台も僚友同士の戦いを繰り広げ、結局1号車ポルシェを2号車ポルシェが抜かして3番手にポジションを上げた。
117周目の終わりに1号車ポルシェがピットインし、ロッテラーにドライバーチェンジする。翌周には7号車トヨタが続いて給油のみ行った。
レース残り1時間54分というところで、LMP2クラスの28号車がクラッシュを喫したため、このレース2回目のFCYが発動された。それを合図に8号車トヨタがピットイン。またもや好タイミングでピット作業を済ませた8号車トヨタは、1分という大きなアドバンテージを得て首位を維持した。
119周目の終わりに2号車ポルシェがピットインし、ハートレーにドライバー交換。9号車トヨタも続いてピットインした。
レース残り1時間34分のところで、7番手トヨタと2号車ポルシェの2番手争いが繰り広げられた。7号車トヨタは懸命に逃げるもペースを上げられず、タイヤをリフレッシュした2号車ポルシェにストレートでオーバーテイクされて3番手に沈んだ。さらにその2台は首位の8号車トヨタとの差を縮め、約30秒差に迫った。
レース残り1時間9分(139周の終わり)という段階で、8号車トヨタが早めのピットイン。中嶋に変わって、ブエミがステアリングを握った。その翌周に1号車ポルシェもピットイン。給油のみ行ってコースに復帰した。それに7号車トヨタが続き、小林がマシンを引き継いだ。
その間、2号車ポルシェがLMP2クラス36号車と接触し、そのせいで36号車はスピンを喫してしまった。フロントカウルを破損させた2号車ポルシェは、その周でピットイン。フロントカウルの交換と給油を行なった。
2号車ポルシェは7号車トヨタの前にレースに復帰したものの、あっさり抜かされてしまい3番手となった。
トップの8号車トヨタと2番手の7号車トヨタのタイム差は30秒差、3番手の2号車ポルシェは2秒差のところで7号車トヨタを追うという格好になった。
6時間:ラスト1周、トヨタの2台はテール・トゥ・ノーズに
ラスト1時間に差し掛かったところで、ターン5で小雨が降り出したとFIAが報告した。その10分後雨脚はさらに強くなり、8号車トヨタのチーム無線では、今後の作戦について話し合われ、結局ステイアウトを選択。悪天候を警戒する他のチームの間にも一時緊張が走ったが、天候はそれ以上悪化することはなかった。
その間、2番手の7号車トヨタが猛追し、残り30分のところでトップと約17秒差となった。10分後、164周目の終わりでトップの8号車がピットインしスプラッシュ・アンド・ゴーを決行。その翌周に7号車トヨタもラストピットインを済ませ、1号車ポルシェがそれに続いた。その2周後に2号車ポルシェがピットインをし、残り11分でレースに復帰。よって、8号車トヨタが再び首位に返り咲いた。7号車トヨタは6秒差で2番手、3番手は1秒差で2号車ポルシェが続いた。
残り5分のところで、小林可夢偉が駆る7号車トヨタは8号車トヨタを視界に捉え、さらに猛プッシュをかける。ラスト1周でその差はたったの1秒。僚友同士の仁義なきテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げるも、トラフィックで姉妹車7号車を巻いた8号車トヨタがトップチェッカーを受けた。
トヨタ8号車は開幕戦2連勝を果たし、7号車トヨタが2位に入賞したことで、トヨタ陣営は1-2フィニッシュ。9号車トヨタも2周遅れで完走し5位となった。ポルシェ陣営は、2号車が3位で表彰台入り、1号車が4位となった。
大乱戦のLMP2、僚友同士の戦いを制した71号車、独走の98号車
多くの元F1ドライバーが参戦するLMP2は、6時間に渡って激しいバトルが繰り広げられ、結局予選でもクラストップだった26号車G-ドライブがクラス優勝を果たした。
ラスト1時間まで熾烈な首位争いを展開した31号車レベリオンがクラス2位、レース中盤でスピンを喫しながらも38号車ジャッキー・チェンDCレーシングがクラス3位につけた。
なお、LM-GTE Proクラスはレース序盤にフォードとの熾烈なトップ争いを繰り広げ、後半には同僚とテール・トゥ・ノーズの戦いを制した71号車AFコルセがクラス優勝を果たした。
LM-GTE Amクラスはほぼ独走状態の98号車アストンマーチン・レーシングが優勝。澤圭太が所属する61号車クリアウォーター・レーシングはクラス3位で表彰台入りを果たした。
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WEC第2戦スパ6時間レース決勝リザルト:
Cla # ドライバークルマClassLaps時間ギャップインターバルピットリタイアポイント 1 8
アンソニー デビットソン
中嶋 一貴
セバスチャン ブエミ Toyota TS050 Hybrid LMP1 173 7 2 7
小林 可夢偉
マイク コンウェイ
ホセ・マリア ロペス Toyota TS050 Hybrid LMP1 173 1.992 7 3 2
ティモ ベルンハルト
ブレンドン ハートレー
アール バンバー Porsche 919 Hybrid LMP1 173 35.283 8 4 1
アンドレ ロッテラー
ニール ジャニ
ニック タンディ Porsche 919 Hybrid LMP1 173 1'25.438 7 5 9
ステファン サラザン
ニコラ ラピエール
国本 雄資 Toyota TS050 Hybrid LMP1 171 2 laps 7 6 4
オリバー ウェッブ
ドミニク クライハマー
ジェームス ロシター ENSO CLM P1/01 LMP1 161 12 laps 7 7 26
ロマン ルシノフ
Pierre Thiriet
アレックス リン Oreca 07 LMP2 160 13 laps 8 8 31
ブルーノ セナ
ジュリアン カナル
ニコラス プロスト Oreca 07 LMP2 160 53.281 8 9 38
オリバー ジャービス
ホーピン タン
トーマス ローラン Oreca 07 LMP2 160 1'14.268 8 10 13
ネルソン ピケJr.
デビッド ヘイネンマイヤー・ハンソン
マティアス ベシェ Oreca 07 LMP2 159 14 laps 9 11 36
ロマン デュマ
グスタボ メネゼス
マシュー ラオ Alpine A470 LMP2 159 48.903 9 12 35
ネルソン パンチアティシ
ピエール ラグエス
アンドレ ネグラオ Alpine A470 LMP2 158 15 laps 9 13 24
ジャン-エリック ベルニュ
ジョナサン ハーシー
トア グレイブス Oreca 07 LMP2 158 5.336 9 14 25
ヴィタリー ペトロフ
シモン トルーマー
ロベルト ゴンザレス Oreca 07 LMP2 158 9.935 8 15 28
フランソワ ペロード
エマニュエル コラード
マシュー バシヴィーレ Oreca 07 LMP2 158 1'10.632 9 16 37
デイビット チェン
トリスタン ゴメンディ
アレックス ブランドル Oreca 07 LMP2 156 17 laps 9 17 71
サム バード
Davide Rigon Ferrari 488 GTE LMGTE PRO 151 22 laps 5 18 51
James Calado
Alessandro Pier Guidi Ferrari 488 GTE LMGTE PRO 150 23 laps 5 19 66
Stefan Mücke
Olivier Pla
Billy Johnson Ford GT LMGTE PRO 150 30.521 5 20 67
Pipo Derani
Harry Tincknell
Andy Priaulx Ford GT LMGTE PRO 150 1'12.484 5 21 91
Richard Lietz
Frédéric Makowiecki Porsche 911 RSR LMGTE PRO 149 24 laps 5 22 92
Michael Christensen
Kevin Estre Porsche 911 RSR LMGTE PRO 149 52.093 5 23 97
Darren Turner
Jonathan Adam
Daniel Serra Aston Martin Vantage LMGTE PRO 148 25 laps 5 24 95
Marco Sorensen
Nicki Thiim
Richie Stanaway Aston Martin Vantage LMGTE PRO 148 44.261 5 25 98
Pedro Lamy
Paul Dalla Lana
Mathias Lauda Aston Martin Vantage LMGTE AM 146 27 laps 5 26 77
Christian Ried
Matteo Cairoli
Marvin Dienst Porsche 911 RSR (991) LMGTE AM 146 31.110 5 27 61
Matt Griffin
Mok Weng Sun
Keita Sawa Ferrari 488 GTE LMGTE AM 145 28 laps 5 28 54
Francesco Castellacci
Miguel Molina
Thomas Flohr Ferrari 488 GTE LMGTE AM 144 29 laps 5 29 34
Karun Chandhok
Nigel Moore
Philip Hanson Ligier JSP 217 LMP2 151 22 laps 12 30 86
Michael Wainwright
Ben Barker
Nick Foster Porsche 911 RSR (991) LMGTE AM 76 97 laps 5
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