F1 アブダビGP

F1分析|”世紀の一戦”アブダビGP、ペース面で優位なのはハミルトンか? フェルスタッペンか?

F1最終戦アブダビGPの初日フリー走行2回目を分析。タイトルを狙うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンのロングランペースを紐解く。

田中 健一

編集: 2021/12/11 2:56

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Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)が熾烈なタイトル争いを繰り広げている2021年のF1も、いよいよ最終戦アブダビGPを迎えた。両者369.5ポイントと、全くの同点で並ぶという、F1史上稀に見る激戦となっている。

 泣いても笑っても、勝負が決する最終戦。その初日を見ると、FP2ではハミルトンがトップタイム。フェルスタッペンは0.641秒と大差をつけられた4番手に終わった。これについてフェルスタッペンは「ショートランはペースが少し足りず、思い通りにはならなかった」と語っている。

 これだけを見ると、現時点ではハミルトンがとても有利に見える。しかしながら、セッション後半に行なわれたロングランを見ると、そう簡単にはいきそうもない。

 FP2の後半、フェルスタッペンはソフトタイヤ、ハミルトンはミディアムタイヤでロングランを実施した。このFP2は、実施時刻が決勝レースとほぼ一致しているため、そのパフォーマンスを見極めるためにはとても重要なセッションである。

 ここでフェルスタッペンは、1分28秒代前半のペースで走行。このタイムはミディアムを履いたハミルトンよりも、1周あたり1秒以上速いモノだった。ピレリの発表によれば、ソフトとミディアムのパフォーマンス差は0.6秒であり、それを考えればフェルスタッペンのペースは目を見張るモノだったと言えるだろう。

 ただ、この時のペースの推移を見ると、フェルスタッペンの方はデグラデーション……つまりタイヤの性能劣化が起きていることが見て取れる。

 1分28秒162でロングランを始めたフェルスタッペンのペースは、その6周目には1分28秒746まで落ち込んでいるのだ。計算すれば、1周あたり0.116秒という大きなデグラデーションが起きていた。

 一方でミディアムタイヤのハミルトンは、1分29秒219でロングランをスタートさせ、そのラップタイムは徐々に向上。10周目には1分28秒732まで上がった。こちらのデグラデーションの値は、1周あたり-0.054秒。つまりタイヤの性能劣化はほぼ起きておらず、燃料が減ってマシンが軽くなるにつれて、徐々にペースが上がっていたということになる。

 ここから見ると、ソフトタイヤは使いづらいかもしれないという傾向も読み取れるが、それでもフェルスタッペンのロングランペースは、かなりのモノだというのは間違いないだろう。

 フェルスタッペンもチームのプレスリリースに、「ロングランではもっと戦える位置にいると思う」とコメントしており、自信を持っているようだ。

2021年F1アブダビGP FP2|レッドブルvsメルセデスロングランペース比較

2021年F1アブダビGP FP2|レッドブルvsメルセデスロングランペース比較

Photo by: Motorsport.com / Japan

 なおそれぞれのチームメイト、セルジオ・ペレス(レッドブル)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)は、ミディアムタイヤを履いてロングランを実施した。上のグラフは、レッドブルとメルセデス合計4台のロングランペースを視覚化したものだ。ハミルトンを含めミディアムタイヤを履いた3台のロングランペースは、ほとんど互角。優劣付け難いモノだったというのがお分かりいただけるだろう。そしてソフトを履いたフェルスタッペンが抜きん出ているのも見て取れる。

 さてもうひとつ言及しておきたいことがある。それはフェルスタッペンの最後の1周についてである。

 フェルスタッペンはソフトタイヤでのロングランを少し早めに切り上げてピットイン。そのまま迅速にタイヤをミディアムタイヤに交換して、再びコースインした。

 計測ラップは2周のみだったが、その1周目に1分28秒102を記録。これは同じタイミングで同じミディアムタイヤを履いていたハミルトンやボッタスから、0.6秒以上も速いモノだった。

 もちろん、それぞれのマシンがどれほどの燃料を搭載していたのかは分からない。ただロングラン中のこのタイムは驚異的なモノと言えるはずで、前出のフェルスタッペンの「戦える位置にいる」というコメントをさらに裏付けるモノであると言えるだろう。

 しかしメルセデスが帳尻を合わせ、2日目以降ペースを上げてくるだろうことも間違いない。いずれにしてもアブダビGPは、手に汗握る激戦となるだろう。日曜日の深夜、チェッカーフラッグが振られるまで、目が離せない。

 まさに世紀の一戦となるだろう。

 

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