2022年F1サイドポンツーンのタイプを比較……空気を合流させるか、それとも分割するのか?
続々と発表される2022年のF1新車。もっとも大きな違いを生んでいるのは、サイドポンツーンの処理であり、7台それぞれが独自のデザインを採用しているようだ。
写真:: Motorsport.com / Japan
ここまで6台、初期開発段階のマシンにカラーリングを施したと公言しているハースも入れれば7台の2022年型F1マシンの姿が明らかになった。最も大きな違いとなっているとも言えるのが、サイドポンツーンの形状であろう。
初期に実車を発表したアストンマーチンとマクラーレンを比較しただけでも、その違いは大きかった。しかしその後発表されたマシンを見比べていくと、そのどれもが異なるコンセプトとなっている。
■ギャラリー一覧
レッドブルRB18|アストンマーチンAMR22|マクラーレンMCL36|アルファタウリAT03|ウイリアムズFW44|アルファロメオC42|
メインの写真は、各チームのマシンのサイドポンツーンのコンセプトを、グラフにプロットしたもの。縦軸がサイドポンツーンのリヤエンドの落とし込みの大小、横軸がアンダーカット(サイドポンツーン下部のえぐられた部分)の大小を表している。これを見ると、リヤの落とし込みが大きいマシンはアンダーカットが小さく、逆にリヤの落とし込みが小さいマシンはアンダーカットが大きい……そういう傾向がありそうだ。
最も極端な例は、ウイリアムズであろう。ウイリアムズはリヤが急激に落とし込まれ、フロアに繋がっている。その一方で、アンダーカットはほとんど存在しない。またエンジンカウル+サイドポンツーンのボリュームは大きそうだ。
これに近いのはマクラーレンMCL36だろう。このMCL36も、サイドポンツーン下部のアンダーカットはなく、サイドポンツーン後方は低く落ち込んでいる。ただウイリアムズと異なるのは、サイドポンツーンの少し上、ハロの幅分の段差が後方に向けて続いているという点だろう。ウイリアムズの場合は、ほとんど全ての気流がフロアに向かうように見える中、マクラーレンは少し上にも気流を導こうとしているかもしれない。
ハースは最終系ではないものの、前方部分にアンダーカットがありながらも後方にはなく、さらに落とし込みもきつい。その一方で、エンジンカウルに段差は設けられていないように見える。
アルファタウリは、ここまで発表されたマシンの中では、平均的な1台と言えそうだ。サイドポンツーン下にはアンダーカットがあり、ここを流れた空気と、サイドポンツーンの上を降ってきた気流を、リヤサスペンション前で合流させようとしているようにみえる。また、エンジンカウルには段差がつけられており、リヤウイングメインプレーンの下にも気流を導いている。
レッドブルは、どうもF1が公開したショーカーに、チームのカラーリングを施した画像を発表したに過ぎないという見方もある。実際にはどんなマシンが登場するかは分からないが、サイドポンツーン上面は路面と水平に後方へ向かい、アンダーカットも存在する。
そしてウイリアムズと逆の意味で極端なのが、アルファロメオとアストンマーチンだろう。いずれのマシンも、強烈なアンダーカットを持っている。しかしサイドポンツーン後方の落とし込みは小さい。つまりサイドポンツーンの上と下を流れる空気を、分断しているようにも思える。さらに両者とも、サイドポンツーン上に無数のルーバーを開けているのも共通点である。
実戦までには、各車の形状は変わっていくかもしれない。むしろ間違いなく変わるだろう。そしてシーズンが進むにつれ、変化が続いていくはずだ。
このサイドポンツーンのデザインが、どこかに集束するのか、あるいはそれぞれが独自の進化を遂げていくのか……そこも気になるところである。
まずはまだ発表されていないメルセデス、フェラーリ、アルピーヌのデザインに注目である。
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