F1 マイアミGP
F1分析|冷静なアロンソ。前を狙うのではなく、しっかり後方を抑えるために……余裕残しの走りで3位を確保
アストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、F1マイアミGPの決勝レースで3位フィニッシュ。余裕残しのペースでも、メルセデスとフェラーリを、完璧に押さえ込んだ。
田中 健一
公開日時: 2023/05/10 3:17
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レッドブルのマックス・フェルスタッペンが予選9番手からの大逆転優勝を達成したF1マイアミGP。そのレースで3位に入ったのは、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソだった。
アロンソはここまでの5戦で、実に4回の表彰台を手にしている。そのいずれもが3位だが、それでも昨年までのアストンマーチンでは考えられないような成績だ。2022年は表彰台ゼロ、2021年は1回……レーシングポイント時代の2020年は4回の表彰台を獲得しているが、すでにその数に並んでいるわけだ。
そのアロンソはマイアミGP終了後に、「そろそろ3位より上の結果が欲しい」と公言した。しかしその一方で、今季最強を誇るレッドブルとの差が、依然として大きいと認識している。
「もう一段上に上がって、2位表彰台に登りたい。そして、いつかはレースで勝つチャンスを掴みたい」
「でも現時点では、レッドブルは僕らよりも強いから、それは実現していない。レッドブルは強く、速く、そして信頼性も抜群だ」
ただ、上手の手から水が漏れることもある。そうなった場合、アロンソはしっかりとそのチャンスを掴み取るべく、レッドブルの次のポジションにいることを確実にしようとしているようだ。
「いつかそこに亀裂が入ったり、チャンスがあったりすれば……僕らは(勝利や2位を掴めるポジションで)きちんと備え、週末のどのタイミングでもミスを犯さないようにする必要がある」
今回のマイアミGPでアロンソは、まさにそういうレースを展開した。そのことが、レースペースを分析するとよく分かる。
F1マイアミGPのレースペース分析
Photo by: Motorsport.com / Japan
上のグラフは、F1マイアミGPの決勝レースにおける、トップ5台のレースペース推移を折れ線で表示したものだ。このうち濃い緑で示されているのが、アロンソのレースペース推移だ。
このアロンソのペースを見ていくと、「あぁ、まだ余裕を残していたんだな」と思える箇所が複数あることが分かる。
グラフの赤枠2〜3の部分、アロンソのペースはその前後と比べると急激に上がっていることがよく分かる。これはつまり、本来ならばこのペースアップしたラップタイムを続けることができるという意味であろう。折れ線の傾きを考えると、なるほど赤枠2〜3が同じ傾きで並ぶことも分かるだろう。
ただアロンソは、その最大限のペースで走ることをせず、後続を抑えることに徹した。それにより、前の2台に何かがあった時、そのチャンスをしっかり掴み取ろうとしたのだろう。
アロンソが全力で走っていれば、レッドブルとのペース差は縮まっただろうが、それでもやはり3位が精一杯。それだけ攻めるのは、ペースの面でもリスクがあるし、パワーユニットにもダメージを蓄積してしまう。ならばジョージ・ラッセル(メルセデス)以外を抑えることに徹すればいい。
しかも今回のレースでは、異なる戦略で走ったレッドブルのふたりが、レース終盤にコース上で直接対決するのは明らかだった。もしかしたら、そこでの同士討ちの可能性もあるかもしれない……そんなことも見越しての、アロンソのペースだったと言えるだろう。そんなことを考えると、恐ろしさすら覚える。
ところでレッドブルは、昨年コンストラクターズランキンング1位だったこと、さらに予算制限に違反したことで、今季の空力試験が著しく制限されている。そのため、今後の伸び代が少ないのではないかとも言われている。一方でアストンマーチンは昨年コンストラクターズランキング7位だったため、より積極的な開発を行なうことができる。
それを考えれば、シーズン後半にはより接近した戦いが見られるかもしれない。
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