アントネッリ完勝でタイトル争いのリードを拡大。2位ルクレール……ラッセルはリタイアで50ポイント差に|F1ベルギーGP決勝
アンドレア・キミ・アントネッリが、F1ベルギーGPを制した。ルクレール、フェルスタッペンという表彰台の顔ぶれとなった。
Andrea Kimi Antonelli, Mercedes
写真:: Clive Rose / Formula 1 via Getty Images
F1ベルギーGPの決勝レースが行なわれ、アンドレア・キミ・アントネッリが優勝した。フェラーリのシャルル・ルクレールが2位。アントネッリとタイトル争いの渦中にあるジョージ・ラッセル(メルセデス)は、1周目に痛恨のリタイアとなった。
天候が読みにくいことで有名なスパ・フランコルシャン。金曜、土曜は雨に見舞われることなく、ドライコンディションで行なわれた。しかし決勝レースは、雨雲が近づく中スタート時刻を迎えた。気温は17度、路面温度は28度というコンディション。スタートタイヤはほとんどがミディアムであったが、13番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)をはじめ5台がハードタイヤ。ソフトタイヤを選んだマシンも2台いた。
なお前述のノリスをはじめ、カルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、アイザック・ハジャー(レッドブル)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)らがパワーユニットのいずれかのコンポーネントを交換したことで、グリッド降格のペナルティを受けた。
スタートの蹴り出しこそポールポジションのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が良かったが、ターン1の立ち上がりからの加速は2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が素晴らしく、オーバーテイクを成功させた。
しかしラディオンを登り切った後の長いケメルストレートで、アントネッリが抜き返し首位を奪還。さらにはフェラーリのシャルル・ルクレールもフェルスタッペンを抜き、2番手に上がった。
ケメルストレートエンドのレ・コームでは、フェラーリのルイス・ハミルトンとメルセデスのジョージ・ラッセルが接触。ラッセルはこれでスピンしてコースオフし、グラベルに捕まってしまい動けず……リタイアとなった。アントネッリとのタイトル争いを考えれば、痛恨のリタイアである。ハミルトンもこのクラッシュにより、左側のバージボードを壊してしまったようだ。
これによりセーフティカーが出動。さらに後方では、ハースのエステバン・オコンがチームメイトのオリバー・ベアマンと接触して左フロントタイヤにダメージを負いコースオフするシーンもあった。
このオコンやベアマン、バルテリ・ボッタス(キャデラック)、ハジャーは、1周目を終えた段階でピットインし、タイヤ交換義務を完了。ハジャーは2周目終わりにもう1回ピットインを済ませてハードタイヤに戻し、レース最後まで走り切れる体制を整えた。
5周目からレース再開。ハミルトンは一瞬オスカー・ピアストリ(マクラーレン)を抜いたが、オー・ルージュまでの直線区間でピアストリが抜き返した。
6周目のケメルストレートでは、フェルスタッペンがルクレールをオーバーテイクし、2番手のポジションを取り戻した。
ルクレールのペースがあまり上がらず、真後ろにピアストリが迫る。そして8周目のケメルストレートで、ピアストリがルクレールに並びかけるも、ここでのフェラーリのトップスピードの伸びは悪くなく、横並びに。そして2台が接触。ピアストリのマシンから、何らかのパーツが弾け飛んだ。
ピアストリはペースが落ち、続く9周目にハミルトンにオーバーテイクを許してしまう。ただこのハミルトンには、1周目のラッセルとの接触の責任があったとして、5秒のタイム加算ペナルティが科されることになった。
ハミルトンはルクレールに追いつき、再三にわたってプレッシャーを仕掛けるも、抜けない。そんな中ハミルトンは「僕はシャルルより速いよ」と無線でポジション入れ替えを提案するが、ピットは動かなかった。
15周目頃から、中団グループのマシンを中心にピットインする車両が出始めた。そんな中17周目を走り終えた段階で、2番手を走っていたフェルスタッペンがピットイン。ミディアムタイヤからハードタイヤに履き替え、6番手でピットに戻った。
その直後にバーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言され、各車スロー走行に。ただこのVSCはすぐに解除されたため、その恩恵を受けるマシンはなかった。
しかしVSC解除直後に、先頭を行くアントネッリがピットイン。フェラーリ勢はこれには反応しなかった。これで3番手に上がったピアストリの真後ろには、グリッド降格があったノリスが追いついてきて、19周目にはノリスが先行した。
20周目に再びVSCが出動。ここでフェラーリ勢がダブルピットインした。これでまだピットストップを行なっていないノリスが首位に立ったが、ルクレールはアントネッリの前に出ることに成功。ハミルトンは5秒のペナルティも消化し、6番手でコースに復帰した。ただハミルトンは、ピット作業を終えて走り出した際に、右フロントの作業クルーを巻き込んでしまう。幸い大事には至らなかったようだが、ヒヤリとするシーンであった。
タイヤを交換したルクレールは当然ペースが良く、23周目のケメルストレートでノリスをオーバーテイク。首位に立った。
アントネッリはノリス攻略に手間取ったが、ルクレールの3周後、26周目にオーバーテイクを完了。ここからルクレール追撃体制に入った。
フェルスタッペンも29周目にノリスを攻略。抜かれたノリスは30周を走り切ったところでピットインしたが、左リヤタイヤの交換に手間取り、大きくポジションを落としてしまう形となった。
アントネッリはじわり、じわりとペースが上がらないルクレールとの差を詰めていく。そして34周目のケメルストレートで、ズバリとオーバーテイク完了。首位に返り咲いてみせた。ルクレールもなんとか粘るが、次第に2台の差が広がっていった。
40周目、ハミルトンがピアストリを抜いて4番手に浮上。前を行くフェルスタッペンとの差は約4秒というところだった。
結局アントネッリは最終的にルクレールとの差を1.9秒まで開き、トップチェッカー。第6戦モナコGP以来、今季6勝目を挙げた。
2位にはルクレール、3位にはフェルスタッペンが入った。
ハミルトンはピアストリを抜いた後、フェルスタッペンを追いかけたが、差を縮めるには至らず。4位でのフィニッシュである。なおハミルトンは、ピットストップ時にクルーを撥ねてしまったことについて、レース後に審議対象となることが決まっている。
ピアストリはフェルスタッペンから1.7秒差の5位。ハミルトンに何らかのペナルティが科された場合には、順位が入れ替わる可能性がある。
ベスト・オブ・レストは、アウディのガブリエル・ボルトレトで8位。イギリスGPに続き2戦連続での8位となった。9位には今回アップデートが投入されたレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドが入った。
10位争いは実に熾烈であった。アルピーヌのフランコ・コラピントとピエール・ガスリー、そしてレーシングブルズのリアム・ローソン、アウディのニコ・ヒュルケンベルグの4台で争われた。
決め手となったのは、コラピントがケメルストレートでガスリーとローソンの2台をまとめてオーバーテイクしたシーン。その後守り切って、貴重な10位1ポイントを手にした。
アストンマーティン・ホンダ勢は、フェルナンド・アロンソが2周遅れの19位でフィニッシュ。ストロールはクラッチのトラブルにより、リタイアとなった。
アストンマーティンは、次戦ハンガリーGPにシャシーの大規模アップデートを投入する予定と公言している。このアップデートによりどこまで浮上できるのか? 大いに注目される。
次のハンガリーGPは、1週間後に開催である。
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