F1
最初に勝つ時はホンダと共に……アストンマーティンF1現場責任者クラック語る「我々は長期的なパートナー」
苦戦が続くアストンマーティン・ホンダ。しかしチームの現場責任者であるマイク・クラックは、ホンダへの信頼を口にした。
田中 健一
編集: 2026/10/27 8:11
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Lawrence Stroll, Koji Watanabe, Shintaro Orihara
写真:: Alex Bierens de Haan / LAT Images via Getty Images
アストンマーティンF1のチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、チームがホンダに代わるパワーユニット(PU)パートナーを探しているのではないかという噂を否定。「勝つ時は今のパートナーと一緒だ」と断言した。
2026年からタッグを組んだアストンマーティンとホンダ。大きな期待が寄せられたが、現実は甘くなかった。マシンの完成が遅れ、いざ開幕するとパフォーマンスは低迷。シーズン中盤にはマシンとPUにアップデートが投入され、戦闘力は上がったものの、時折入賞を争えるという程度。当初の期待からすれば、まだまだ足りないというのが正直なところだ。
この低迷の原因の大半は、ホンダのPUのパフォーマンス不足にあるのではないかと言われることも多い。そのためアストンマーティンは、別のPUメーカーにアプローチしているのではないかという報道も世界中でなされている。
F1アメリカGPの決勝レース終了後、ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原伸太郎と共にメディアの取材に応じたクラックには、こんな質問が飛んだ。
「アストンマーティンが2028年の選択肢として、レッドブル・パワートレインズと提携することを検討しているという報道がありました。それは全くの事実無根で、そのような議論は一切行なわれていないと断言していただけますか?」
これに対してクラックは、こう回答した。
「私が言えるのは、我々は長期的なパートナーシップを結んでいるということ、つまりホンダと提携しているということだ」
「ホンダは今週末、500回目のレースを終えた。我々が初優勝を遂げる時にも、一緒にいることだろうね」
クラックは、ホンダと共に初勝利を挙げることを目指していると断言した形だ。
なおシンガポールGPの後にチームオーナーのローレンス・ストロールが日本に向かいホンダと会談したことを、チーム代表のエイドリアン・ニューウェイがアメリカGPの金曜日に認めている。しかしこれは、噂されたような提携解消に向けた話し合いではなく、「定期的な会議だ」とニューウェイ代表は説明した。
そのニューウェイ代表もホンダへの信頼を口にしている。
「ホンダは素晴らしい企業だ。彼らがすぐにスピードアップし、このPUレギュレーション特有の問題点を理解してくれると確信している」
ホンダとしても、PUのパフォーマンスが劣っていることを十分認識している。ホンダ・レーシングの渡辺康治社長はmotorsport.comのインタビューに応じた際、開発のスタートが遅かったため、エンジンの開発に遅れが生じたこと、そして昨年までレッドブル・パワートレインズに供給していたPUのエンジンをベースにしたわけでなく、ゼロから新しいエンジンを開発し直したことを明かした。
アメリカGPの決勝後の会見では、ホンダF1の折原チーフエンジニアも、電動パワーの割合が引き下げられる来季のPU開発に関して尋ねられた際、こう語った。
「確かにエンジンは我々の弱点です。ですから、その改良に懸命に取り組んでいます」
「特に来年は、エンジンの性能が今年よりも重要になります。ですから、エンジンの改良は我々にとって重要なポイントです」
「トップチームに追いつくためには、いくつかのステップが必要です。来年の開幕戦までに前進することを目標にしていますが、その時点でトップチームに追いつくのは難しいと言わざるを得ません」
「ですから、もう一歩踏み出す必要があります。そのため、シーズン中盤にさらに大きなステップを踏むことを目標にしています。これが我々のロードマップであり、現在このロードマックに基づいて作業を進めています」
ちなみにPUだけに問題があるわけではない。シャシーにも大きな問題があるのは明白であろう。これはニューウェイ代表もクラックも認めるところだ。例えばニューウェイ代表は「短い開発期間しかなかった」と認めており、クラックも「シャシーとPUが常に密接に関係している問題」だと語っている。
その上燃料メーカーであるアラムコ、潤滑油メーカーであるバルボリンとタッグを組むのも今年が初めて。アストンマーティンとホンダだけが密接に仕事をすればいいというわけではなく、燃料や潤滑油、さらにそれ以外のパートナーとも統合していく必要があるだろう。
アストンマーティン・ホンダとして乗り越えていかなければいけない壁は、まだまだありそうだ。しかし今は生みの苦しみ……それがしっかりと実を結ぶことを期待したい。
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