F1 メキシコシティGP

空気が薄いぞメキシコ。パフォーマンスの鍵はターボ……ホンダF1折原エンジニア「MGU-Hがないので、かなり厳しい。でもホンダに限ったことではない」

F1メキシコシティGPは、標高2200mという高地で行なわれる。そのため空気が薄く、いかにエンジンに空気を取り込むためにターボチャージャーを働かせるかが重要になる。

田中 健一 Juanjo Sáez

公開日時: 2026/10/30 7:06

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Lance Stroll, Aston Martin Racing

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写真:: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images

 ホンダF1の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、F1メキシコシティGPの木曜日に記者団の取材に応じ、標高が高く空気密度が薄いエルマノス・ロドリゲス・サーキットでは、ターボチャージャーの働きが重要になると語った。

 前戦アメリカGPでは、入賞圏内を目指せる速さを見せながらもマシンの大ダメージとそれに伴う緊急ピットインにより、ノーポイントに終わったアストンマーティン・ホンダ。今週末のメキシコシティGPは、また異なる試練が待ち受けている。

 メキシコシティGPの舞台であるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは2200mというF1の開催地としては屈指の標高に存在している。ゆえに空気密度が薄く、これが様々な部分に影響を及ぼす。

 F1マシンと空気の関係は、切っても切り離せない。空気密度が薄いということは、空気抵抗が低くなり、最高速が伸びやすいという要素に繋がる。しかしその一方で、ダウンフォースを発生しにくくなり、マシン各所の冷却にも影響を及ぼす。さらには燃料を燃焼させるために、エンジン内部に送る空気も足りなくなってしまう。

 この燃焼用の空気に関しては、ターボチャージャーが大きく寄与する。昨年まではこのターボチャージャーにMGU-Hが搭載されており、それを稼働させることで、ターボの作動をサポートしていた。しかし今年はこのMGU-Hが排除されたことで、昨年までとは異なる挑戦となる。

「現行レギュレーションでメキシコを走るのは今回が初めてです。昨年はMGU-Hが搭載されていたので、(ターボを)ある程度サポートすることができました。しかし今年はMGU-Hがないので、かなり厳しいと思います」

「昨年まではアイドリング時にも十分なブースト圧を得るために、MGU-Hをサポートとして使っていました。今年はアイドリング時でさえ、それがないんです」

 そのため今年は、スタート前に5秒間の”プレスタート”を設け、エンジンからの排気でターボのブースト圧を強制的に上げている。

「ターボラグは、このコースにおいて最も興味深く、重要な課題だと思います。これはホンダだけでなく、全てのメーカーが苦労することになるでしょう」

「ターボラグだけではありません。メキシコシティでは十分な空気を取り込むため、ターボチャージャーの回転数がかなり高くなります。そのため最悪の場合、エンジンの作動条件に何らかの制限が生じる可能性があります」

「これは他のメーカーでも起こり得ることだと思います」

「現時点では多くのダイナモテストを行なっており、エンジンの作動条件への影響はほとんどないか、ごくわずかだと考えています」

 折原エンジニアは、アメリカGPでのパフォーマンスには一定の自信を感じたものの、ターボラグの改善にはまだまだやるべきことがあるとも語った。

「オースティンでは、ターボラグの対策を講じて、その効果を確認できました。それは良い兆候だと思います」

「HRC Sakuraでも、ターボラグの最適化に懸命に取り組んでいます。そのための選択肢はたくさんあります。MGU-Kを使う方法、ポップアップバルブの使い方、他のデバイスの使い方など、様々な戦略があります」

「そのためHRC Sakuraでは、ターボラグの改善に全力で取り組んでいます」

 なお折原エンジニア曰く、メキシコシティGPに向けたシミュレーションもSakuraで行ない、ある程度の見当はついていると語った。

「メキシコのコンディションをシミュレートするために、HRC Sakuraでダイナモテストを行なってきました。ですから、ある程度の見当はついています」

「ただMGU-Hなしで高地を走るのは今回が初めてです。我々のプログラムでターボがどう作動するのか、非常に興味深いところです」

 この会見では、メキシコシティが他のサーキットとは大きく環境が異なることから、PUメーカー間の勢力図が変わる可能性もあるのではないかという質問も飛んだ。これについて折原エンジニアはこう語った。

「ターボチャージャーの運用方法によると思います。フリー走行や予選でどうなるか、興味深いところです。可能性はありますが、今は何とも言えません」

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