F1 メキシコシティGP

F1分析|タイヤの性能劣化は比較的小さめ……決勝戦略はソフト&ミディアムの1ストップ? 2ストップ? アストンマーティンは好印象

F1メキシコシティGPの初日FP2でのロングランを見ると、決勝は1ストップが主流になりそうだが、2ストップの可能性も捨てきれない。

田中 健一

公開日時: 2026/10/31 9:16

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Lando Norris, McLaren

Lando Norris, McLaren

写真:: James Sutton / LAT Images via Getty Images

 F1メキシコシティGPのフリー走行2回目では、各車が積極的にロングランを行なった。ここで使われたのはソフトタイヤとミディアムタイヤ。決勝レースではこの2種類のタイヤが主に使われることになると思われるが、初日の段階では、この2種類の間にデグラデーション(性能劣化)レベルの差はあまりないようだ。

 同グランプリの舞台であるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは、標高2200mという高地にあるため空気密度が低く、ダウンフォースを生み出しにくい。しかも路面のグリップレベルも低いため、C3〜C5という最も柔らかい組み合わせのタイヤが持ち込まれ、それぞれハード(C3)、ミディアム(C4)、ソフト(C5)に割り当てられた。

 その中でもハードは若干硬すぎるため、パフォーマンスの面で他の2種類よりも若干劣る。そのため決勝での主流は、ミディアムとソフトということになろう。

F1メキシコシティGPフリー走行2回目ロングランベース推移:ミディアム

F1メキシコシティGPフリー走行2回目ロングランベース推移:ミディアム

写真: Motorsport.com Japan

 まずミディアムタイヤに関しては、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の3人がロングランを行なった。上の折れ線グラフは、この3台のロングランペースを、折れ線グラフで示したものだ。

 このロングランを見ると、いずれもデグラデーションが小さい。アントネッリは、走行開始当初こそデグラデーションの傾向を示しており、ペースが1秒ほど遅くなっているものの、その後は安定してラップタイムを並べている。またガスリーは、しっかりとタイヤマネジメントをしていたのか、ほとんどでグラデーションの傾向が見られない。

 この3台のデグラデーション値の平均値は0.087秒/周であり、実に小さいと言える。

F1メキシコシティGPフリー走行2回目ロングランベース推移:ソフトタイヤ

F1メキシコシティGPフリー走行2回目ロングランベース推移:ソフトタイヤ

写真: Motorsport.com Japan

 一方でこちらは、ソフトタイヤのロングランペースである。ミディアムに比べると、全体的にデグラデーションのレベルは大きいように見える。しかし平均値を算出すると、ミディアムタイヤとほとんど変わらない。

 その中でも特に印象的だったのは、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)である。アロンソの計算上のデグラデーション値は、1周あたり0.005秒。これは他と比べても群を抜いた数字であり、アロンソ”お得意”の1ストップでライバルを出し抜く……そんな展開も十分に想像できる。しかもこれまでと違い、アストンマーティンのベースとなるレースペースも決して悪くなく、今まで以上に入賞が期待できそうな初日の検証結果である。もちろん、燃料搭載量の差が分からないので、まだ確実なことは言えないが。

 ただそんなアストンマーティンにとっての最大のライバルとなりそうなのが、レーシングブルズ勢だ。レーシングブルズは2台とも、アタックラップのペースが速く、ロングラン時のデグラデーションもアストンマーティンに次いで小さい。

 この他、アルピーヌやハース、アウディもそれほど大きな差はないため、入賞圏内を巡る争いは大激戦となりそうだ。

 トップグループでは、絶対的なペースが速いのはマクラーレンでありそうだ。しかしながらメルセデスやレッドブルに比べると、デグラデーションが大きそうな印象。決勝では若干苦しむことになるかもしれない。

 そういう意味ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンに今季3勝目のチャンスが訪れそうだが、FP2でのリアム・ローソン(レーシングブルズ)との接触により1グリッド降格ペナルティを受けたことが痛手となってしまうかもしれない。

 またフェラーリ勢は、ルイス・ハミルトンがトラブルに見舞われたことでソフトタイヤのロングランを行なっておらず、これは未知数の部分である。ただハミルトンらは今回のマシンに手応えを感じている様子だ。

 ピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベッラはこの日の走行を終え、次のように語った。

「ミディアムとソフトのコンパウンドは非常に優れたパフォーマンスを発揮し、その性能差は0.8秒/周だった。グリップが限定的なこのサーキットでは、ソフトタイヤがポテンシャルを最大限に引き出す上で特に効果的だった」

 そうベッラは語った。

「ロングランで収集されたデータによると、この2種類のタイヤはある程度のデグラデーションが見られることを示している。これによりレース戦略において、タイヤマネジメントを慎重に行なう必要がある1ストップ作戦から2ストップ作戦まで、複数の可能性が生まれる」

「左のフロントタイヤには、局所的にグレイニングが見られた。しかしFP2では改善の兆しが見られた。路面状況が初日と同じペースで変わり続けるのであれば、グレイニングは週末を通して軽減されるはずだと予想される」

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