今年のF1はまだまだ分からない! ラッセルが逆襲の狼煙、今季2勝目。フェルスタッペンも復活2位|F1オーストリアGP決勝
メルセデスのジョージ・ラッセルがF1オーストリアGP決勝を勝利。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を手にした。
George Russell, Mercedes
写真:: Alastair Staley / LAT Images via Getty Images
F1第8戦オーストリアGPの決勝レースが行なわれ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が優勝。アストンマーティン勢はフェルナンド・アロンソの18位が最高位だった。
舞台となったレッドブルリンクは、1周4.3kmと短いため、71周という長丁場のレース。しかも気温35度、路面温度50度という灼熱のコンディションであり、タイヤがどれほどもつのかというところが最大の注目ポイントであった。
スタート時のタイヤは、ほとんどがミディアム。12番グリッドのガブリエル・ボルトレト(アウディ)と17番グリッドのカルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)の2台だけがソフトタイヤを選んだ。
スタートではポールポジションのジョージ・ラッセルがホールショットを決め、首位をキープ。フェラーリのシャルル・ルクレールが2番手を守ったかに思われたが、ターン4でルイス・ハミルトンがオーバーテイクした。
ルクレールのペースは上がらず、2周目にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)やマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にプレッシャーをかけられ、フェルスタッペンに先行されてしまうことになった。アントネッリはコース外走行を繰り返す荒れたスタート直後になった。
ラッセルは順調に逃げ、ハミルトンがこれを追う状態。ルクレールを攻略したフェルスタッペンが徐々にこの2台に迫っていった。
なおちょうどこの頃、キャデラックの2台が相次いでマシントラブルを発症しリタイア。ブレーキから出火してしまったようだ。
なお序盤はラッセルを追いかけていたハミルトンであったが、徐々にペースダウン。真後ろにはフェルスタッペンが急速に接近した。そして11周目、フェルスタッペンがオーバーテイク。これで勝負あったかと思われたが、今年のハミルトンは一味違う。ハミルトンはフェルスタッペンを抜き返すと、フェルスタッペンは再三やりかえそうとするが、ハミルトンは厳しいブロックでポジションをキープ。フェルスタッペンは半分グラベルに追いやられるようなシーンもあった。
フェルスタッペンはこのハミルトンの動きに憤慨。「ありゃあ絶対ペナルティだ」と無線で訴えた。
その直後に動いたのはハミルトンだった。ハミルトンは12周目終わりにピットインし、ハードタイヤに交換。前戦バルセロナ-カタルニアGP同様他とは戦略を変えてきた。翌周にはチームメイトのルクレールもピットインしてハードタイヤに履き替えた。
フェルスタッペンは18周を終えたところでピットイン。ハードタイヤに書き換え、ハミルトンの約2秒後方でコースに復帰した。その1周後にはラッセルもピットインし、ハミルトンの前でコースに復帰することに成功した。
22周目、フェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイク。しかし先ほどのデジャヴュのように、ハミルトンがこれを抜き返す。ただフェルスタッペンは先ほどのバトルから学習し、改めて抜き返すとハミルトンのラインを封じて攻略を完了。ラッセル追撃体制に入った。
アントネッリはスタートタイヤのまま走行を継続。そんな中24周目、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.がマシントラブルに見舞われてメインストレートでストップしてしまう。これを好機と見たアントネッリは、すぐさまピットに飛び込む。
しかしアントネッリ陣営の思惑は外れた。バーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言されず、アンダーグリーンのままのピット作業となってしまった。しかもアントネッリがコースに復帰した直後にVSCが宣言。これを活用したのがハミルトンで、ピットに飛び込んでソフトタイヤに履き替えた。かなりアグレッシブな戦略であるが、これで7番手まで後退した。
VSCが解除された後、30周目には若いタイヤを活かしてアントネッリがルクレールをオーバーテイク。その後ろではハミルトンもアイザック・ハジャー(レッドブル)を抜いて6番手に上がった。
そのハミルトンは、ルクレールに詰まっていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に追いつき、プレッシャーをかける。
37周目、ピアストリがルクレールをオーバーテイク。すぐ後方にいたハミルトンも、このルクレールをオーバーテイクしていく。抜かれてしまったルクレールは、この周回終わりで2回目のピットインを行ない、ハードタイヤを履いた。
前方に目を転じると、一時は5秒ほどの差があった首位ラッセルと2番手フェルスタッペンの差が2秒以内まで縮まった。ただその後は差が縮まらなくなっていった。
42周目終了時点で、ピアストリとハミルトンが同時にピットイン。これで先にピットインしたルクレールが先行する形となった。また首位を行くラッセルも、43周を走り切ったところでピットインした。
ラッセルは前が開けたところでコースに復帰することができたため、タイヤ交換を終えた後はマイペースで飛ばすことができた。一方でフェルスタッペンはこれに反応することなく、ハードタイヤのまま周回を続けた。
ただタイヤ交換を済ませたラッセルは、1分10秒8で周回。一方フェルスタッペンは1分12秒3のペースであり、そのペース差は1.5秒と大きいものであった。またアントネッリもフェルスタッペンとの差を急速に縮めつつあった。
フェルスタッペンはたまらずに49周を走り切ったところでピットインし、3番手でコースに復帰。ラッセルからは11秒の遅れとなった。
アントネッリは51周を走り切ってピットイン。これ上位勢の各車はピットストップを済ませた格好となった。ちなみにアントネッリは、フェルスタッペンの5秒後方でコースに復帰した。
56周目、ペースの上がらないルクレールをハジャーがオーバーテイクして6番手に浮上。ルクレールはその後ノリスにもあっさり抜かれてしまった。ルクレールはタイヤに苦しんでおり、59周終了時点でたまらずピットイン。ソフトタイヤに履き替えた。
終盤は上位3台の緊迫した争いとなった。
首位を行くラッセルのリードを、2番手フェルスタッペンが若いタイヤを活かして1周ごとに削り取っていく。しかしフェルスタッペンとて、前だけを見ているわけにはいかなかった。後方からはものすごいスピードで、アントネッリが飛んできていたからだ。
結局最終ラップに入った時には、ラッセルの2.2秒後方にフェルスタッペン、その0.6秒後方にアントネッリ……という情勢であった。フェルスタッペンとしては、前を追うどころではなかった。
アントネッリはオーバーテイクモードも使ってフェルスタッペンにプレッシャーをかける。しかし使い切ったタイヤながら、フェルスタッペンが徹底抗戦を繰り広げた。
結局ラッセルが逃げ切り、開幕戦オーストラリアGP以来となる今季2勝目を挙げた。フェルスタッペンは最後アントネッリにプレッシャーをかけられたものの、今回投入したアップデートの効果もあったか、メルセデスと互角にわたりあって2位を確保した。3位アントネッリは、0.3秒フェルスタッペンに届かなかった。
4位にはピアストリ。5位はハミルトンだった。ハミルトンは上位勢では唯一3ストップ作戦を採ったが、これは功を奏さず。ポジションを落とす結果となった。
この他6位ハジャー、7位ノリス、8位ルクレール。レーシングブルズが9位リアム・ローソン、10位アービッド・リンドブラッドと、ダブル入賞を果たした。レッドブルのお膝元のコースで、レッドブル系チームの4台全車が入賞した。
アストンマーティン・ホンダ勢は、フェルナンドアロンソが優勝したラッセルから3周遅れの18位。ランス・ストロールはマシントラブルによりリタイアとなった。
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