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メルセデス、アップデートの成功は間違いない? 2022年の”ぬか喜び”教訓も「大進歩」とチーム代表

メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、今年のスペインGPでチームが示した改善は、2022年に経験した”ぬか喜び”とは違うモノだと考えている。

George Russell, Mercedes-AMG, 3rd position, Lewis Hamilton, Mercedes-AMG, 2nd position, congratulate each other in Parc Ferme

写真:: Steven Tee / Motorsport Images

 F1第8戦スペインGPで、メルセデスはルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが2位と3位を獲得。トト・ウルフ代表はこの改善ぶりについて、昨年のような“ぬか喜び”ではないと考えている。

 メルセデスは、2022年から使用してきた”ゼロポッド”コンセプトを今季早々に捨て去ることを決定。パドックで主流派となっているダウンウォッシュ型のサイドポンツーンを投入するなど、第7戦モナコGPでマシンを大幅にアップデートした。

 モナコは特殊な市街地コースであるためアップデートの評価は難しかったが、第8戦スペインGPはより典型的なサーキットのため、その効果をしっかりと確かめられる機会になると考えられていた。

 実際、スペインGPでメルセデスは予選こそチームメイト同士での接触により力を発揮しきれなかったものの、決勝では優れたペースを発揮。レッドブルのマックス・フェルスタッペンには及ばなかったが、ダブル表彰台を確保する今季ベストの好成績を収めてみせた。

 この結果からアップデートは成功し、メルセデスは上昇気流に乗ったようにも見える。チームを率いるウルフ代表も、今回の結果を同じく好転の兆しだと捉えている。

 スペインGPで見せた進歩が、メルセデスの現状を反映していると思うかと訊かれたウルフ代表は、次のように答えている。

「私は決して楽観的にはなっていない。そうなるのは愚か者だけだ。ただ、基本的には昨年とは違うと感じている」

「まだバウンシングがあり、それが何故なのかを理解することは興味深い。ただ我々も過去12ヵ月で非常に多くのことを学んできている。それこそ、我々が自信を持つには、もう少し警戒すべき理由が沢山あるんだ」

 メルセデスは昨シーズン序盤も苦戦していたが、アップデートを投入したスペインGPでは悩まされていたバウンシングも収まりラッセルが3位、ハミルトンが5位でフィニッシュ。ここから逆襲を開始するかと思われたが、この後もマシンは勝利を争える状態にはなく、結局シーズン終盤のサンパウロGPまでシーズン初、そして唯一の優勝はお預けとなってしまった。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14, Esteban Ocon, Alpine A523

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14, Esteban Ocon, Alpine A523

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 ウルフ代表はメルセデスとレッドブルとの差はコンマ2~3秒だと考えているが、今シーズンの始まり方を考えれば、非常に大きな進歩だとファクトリー側の貢献を褒め称えている。

「コンマ2~3秒といったところだと思う。それが我々が今回の評価だ」

「非常に大きな前進だよ。ただ冷静である必要があるだろう。昨年も我々はバルセロナでかなり好調に思えたからね」

「しかし軌道が上向きであるなら、それは株価が上下するのと同じようなものだ。良い瞬間も悪い瞬間もあるだろうが、(ファクトリーがある)ブリックスワースとブラックリーで成し遂げられた仕事を、嬉しく思っている」

「これは過去数ヵ月行なわれてきたハードワークや、全く新しいサスペンションやフロア、ボディワークなどに着手するなど、開発の方向性を変えるという勇敢さを示すモノだ」

「我々は、今後開発していくためのより堅実なプラットフォームを持つことができているし、今は以前よりも(マシンへの)理解が少し深まっているんだ」

 
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