佐藤蓮、SF第3戦鈴鹿はドライブシャフト破損で0周リタイア。“予選番長”大湯と対照的な車両特性でレースペースに期待もスタートすらできず
スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿で、フォーメーションラップ中にトラブルが発生してレースを終えた佐藤蓮。表彰台を狙えた手応えがあっただけに、悔しさが残ると語った。
鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ第3戦は、優勝を争うドライバーたちが各所で激しいバトルを繰り広げる見応え満載なレースとなったが、7番グリッドを獲得しながらもそのレースに参加することさえできなかったのが、TCS NAKAJIMA RACINGの佐藤蓮だ。
3月の合同テストから鈴鹿で速さを見せていたNAKAJIMA RACINGは、今回のレースに向けて注目チームのひとつと言えた。もちろん、テストの際とは路面温度や風向きも変わってくるためアジャストは必要になってくるが、佐藤は予選前のフリー走行でのアジャストもまずまずうまくいっていたようだった。ただ迎えた予選ではQ2に進むも伸び悩み、8番手タイムに終わった。
決勝レースは他車の予選タイム抹消もあり、7番グリッドからのスタートとなり、レコードライン側の奇数グリッドに陣取った佐藤。そしてフォーメーションラップを終え、いざスタートを迎えようとしたその時、目の前5番グリッドの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がストールしてしまう。これにより、追加のフォーメーションラップ(エクストラフォーメーションラップ)が行なわれることなり、牧野はコースマーシャルの手を借りてピットレーンへ……前が開ける形となった佐藤にとっては、ジャンプアップする大チャンスが到来した。
しかしその佐藤も、エクストラフォーメーションラップへの発進に手こずり、なかなか加速していけずに後続のマシンに先を譲った。「クラッチが滑ってる」「まっすぐ走らない」と無線で訴えた佐藤はグリッドに整列することなくピットレーンへ。そのままガレージにマシンを収めてリタイアとなった。
佐藤はピットに戻る中で「ドライブシャフトが折れたかもしれない」とチームに話していたが、中嶋悟総監督もチームのレースレポートの中でドライブシャフト破損がリタイアの原因であると認めた。
トラブルの予兆は事前にはなく、発進に向けてバーンアウトしたタイミングでトラブルが出たのではないかと語る佐藤。レースに向けて期待していただけに悔しいとコメントした。
Ren Sato, TCS NAKAJIMA RACING
Photo by: Masahide Kamio
「クルマも調子良さそうで、戦略的にも表彰台を狙えそうだったので、ちょっと悔しいですね」
「今回のレースはセーフティカーも入りましたし、戦略的にもチャンスを逃したなと思いますが、これもレースなので切り替えます」
今回のレースでは、終盤に大湯都史樹(TGM Grand Prix)と野尻智紀(TEAM MUGEN)の接触によってセーフティカーが出されたため、タイヤ交換を遅らせる作戦をとっていた宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)らがそのタイミングでピットインし、アドバンテージを得る形となった。上記のコメントから察するに、佐藤もピットインをレース後半に引っ張る作戦だったと思われる。
■レースに強い車両特性は大湯と真逆?
富士スピードウェイで行なわれた第2戦では、ピットストップで順位を落として最後方に下がりながらも、驚異のレースペースで9位まで追い上げた佐藤。今回の鈴鹿戦でも決勝に向けて自信を持っていたようだが、彼は8番手に終わった予選を振り返る際に、興味深いコメントをしていた。
「うちのクルマは曲がっていくし、安定はしているんですが、グリップを引き出せていないような気がします」
「バランスとしてはすごく良くて、ドライバーとしても攻められている感覚はあるのですが、全体的なレベルがトップと比べて足りていないのかなと思います」
「ただその一方で、タイヤには優しいと思います。だから決勝は速いと思いますが、予選と決勝で(セットアップの)差別化ができていないので、そこに苦しんでいる状況です」
これは、ここまでの3レースで常に予選上位グリッドを獲得しながらも、レースペースに苦しんでいる大湯と対照的な部分があるように感じられる。一方で、それぞれ異なるものが求められる予選と決勝のセットアップを差別化するのに苦労している、というのは大湯も佐藤も同じということだろう。予選用セットアップと決勝用セットアップを高い次元で両立できるチームこそが、スーパーフォーミュラを制する……大湯と佐藤が置かれている立場の差は、それを如実に表した例だと言える。
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