スーパーフォーミュラ

“客寄せパンダ”との声にもめげず、スーパーフォーミュラのPRに奔走する近藤真彦JRP会長。レースへの入口として「まず好きなチーム・ドライバーを作って」

スーパーフォーミュラを主催する日本レースプロモーションが定例会見を実施。その中で近藤真彦会長が、会長就任後のPR活動を通して感じたことなどを語った。

戎井健一郎

公開日時: 2023/06/19 7:28

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Masahiko Kondo

 6月17日、スーパーフォーミュラ第5戦が行なわれるスポーツランドSUGOで、シリーズを主催する日本レースプロモーション(JRP)による定例記者会見『サタデーミーティング』が実施された。今回は近藤真彦会長と上野禎久社長が参加し、近年の諸改革の進捗について報告した。

■入場者数は増加傾向。ファミリー層、若年層の割合もアップ

 上野社長からは、改革の成果を図る数値として様々なデータが示された。まず入場者数に関しては、昨年比で約40%増加しているとのこと。先日のSUGO戦も昨年の8,700人から13,000人に数字を伸ばした。

 もちろんこれはコロナ禍による諸制限が撤廃されたことと無関係ではないため、上野社長は40%増という数値を額面通りには喜べないとしたが、ファミリー層の割合が増加したというデータもあり、「我々の目的のひとつが叶いはじめている」と語った。

表:スーパーフォーミュラにおける大会期間中の入場者数比較(2022、2023年)

  富士大会 鈴鹿大会 オートポリス大会 SUGO大会 2022年 21,000人 16,000人 8,500人 8,700人 2023年 27,100人 25,500人 9,700人 13,000人

 また今季から正式ローンチされたデジタルプラットフォーム『SFgo』も、無料登録者を含めると16,000名というユーザー数を記録している。上野社長は特に10代、20代のユーザーが全体の4割を占めていることに注目し、「新しいファン層を呼び込めている」と手応えを口にした。

 また今季からスタートしたABEMAによる決勝無料中継に関しても、各大会で平均して10万を超える同時接続を記録しているという。上野社長は「正直予想を超える反響」だと語るが、こういったスーパーフォーミュラの“入口”に入ったファンを、SFgoの有料プラットフォームにいかに遷移させるかも今後はしっかり考えていく必要があるとした。

■会長就任から2ヵ月。PRに奔走する近藤真彦

 そして今年4月にJRPの新会長になったばかりの近藤会長は「就任から2ヵ月、本当に忙しい2ヵ月になりました」と開口一番に話す。芸能活動とレース活動の二足のわらじで活躍してきた近藤会長は世間的な知名度も抜群。その知名度も活かしながら、モータースポーツと関わりのある関係省庁やレース開催サーキットを有する自治体などを積極的に表敬訪問し、スーパーフォーミュラをPRしてきたのだ。 

「厳しい記者の方には『まるで客寄せパンダですね』と言われましたが、『はい、私はJRPの会長兼、客寄せパンダです(笑)』と言いながら、日本全国を回ってSFのプロモーションに努めてきました」と近藤会長は自虐的に笑う。

室伏広治スポーツ庁長官を表敬訪問

室伏広治スポーツ庁長官を表敬訪問

Photo by: Motorsport.com / Japan

 近藤会長は表敬訪問の中でスーパーフォーミュラを「アジアのF1」と表現するなど、レースファン以外の人たちにとってもキャッチーなワードを駆使しながらその魅力を伝えようとしている様が印象的であったが、そういったレースに疎い人たちに対してどういった部分をアピールしていくべきと考えているかを改めて問うと、近藤会長は「そこは僕もすごく悩んでいるところです」としつつ、次のように答えた。

「レースはレーシングカーが20台以上で一斉にスタートして、誰が何位を走っているかも分かりづらい、20周も経てば1位がどこを走っているかも分かりづらいようなスポーツです。そこはレースを好きな人なら理解してもらえますが、そうでない方に理解してもらうのは大変です」

 

Photo by: Masahide Kamio

「だからこそシンプルに、自分の好きなチーム・ドライバーを作って欲しいです。例えば地元出身のドライバーがいて、そのドライバーが青いクルマに乗っていたら、その青いクルマを応援してほしい。そこが原点なのかなと思います」

 スポーツを楽しむためには、必ずしもそのスポーツのルールや性質を骨の髄まで理解している必要はないとも言える。「応援したい対象」さえいれば、誰もが盛り上がることができる。例えば野球のWBCやサッカーのワールドカップで多くの人々が日本代表を応援したり、プロ野球やJリーグで地元球団を応援するように、「応援したい対象」が明確であればマニアでなくとも熱中できるのだ。そういう意味でも、以前から近藤会長が掲げる「スーパーフォーミュラからスター選手を」という目標がいかに重要なものか痛感させられる。

 

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