スーパーフォーミュラ 第4戦:オートポリス

大湯都史樹&阪口晴南の接触は大湯に「危険なドライブ行為」の裁定。両者からあのアクシデントはどう見えていた?

スーパーフォーミュラ第4戦オートポリスの決勝レースでは、入賞圏内を争っていた大湯都史樹と阪口晴南が接触。結果的に大湯に非があるという裁定が下ったが、お互いの目にあのアクシデントはどのように映ったのか? それぞれに話を聞いた。

戎井健一郎

公開日時: 2023/05/21 11:19

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Sena Sakaguchi, P.MU/CERUMO・INGING, Toshiki Oyu, TGM Grand Prix

「なんでいっつもこうなるの!?」——スーパーフォーミュラ第4戦が行なわれるオートポリスで、大湯都史樹(TGM Grand Prix)の叫び声がこだました。

 第3戦鈴鹿で優勝争いに加わりながら、野尻智紀(TEAM MUGEN)との接触によりリタイアに終わった大湯。そして今回のオートポリス戦でも、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)と絡んだことでコースオフ。今回もトップ5を狙えるようなレース展開だっただけに、大量のポイントが彼の手からすり抜けていったことになった。

 ただ、前回の鈴鹿での接触とはやや事情が異なる。鈴鹿での接触は大湯に追突する形になった野尻に非があると判定されたが、今回のインシデントは大湯に対して「危険なドライブ行為」があったとされ、大湯に競技結果から30秒加算のペナルティとペナルティポイント1点が科された。

 接触の状況を振り返る。41周のレースは29周目、終盤戦に入っていた。大湯はタイヤ交換でフレッシュタイヤに履き替えたばかりで、周りのライバルを凌駕するペースで走行していた。まずは牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を攻略すると、瞬く間に阪口にも追い付き、ジェットコースターストレートでアウトから阪口に並びかけた。そして急勾配の坂を下り、右へターンインしようというタイミングで2台は接触し、大湯はグラベルトラップに飛ばされリタイア、阪口もマシンにダメージがありリタイアとなったのだ。

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 このアクシデントは両者からどう見えていたのか? まずは“抜かれる側”だった阪口の見解を聞いた。

接触でホイールが割れタイヤ交換した阪口だが、それでもペースは戻らずガレージイン

接触でホイールが割れタイヤ交換した阪口だが、それでもペースは戻らずガレージイン

Photo by: Masahide Kamio

 レース後のメディアミックスゾーンで多くの報道陣からマイクを向けられ、レースを振り返っていた阪口は、やがて「皆さん接触のことを聞きにきてると思うんですけど……(笑)」と苦笑しながら、自ら接触について語り始めた。

「大湯選手のペースが明らかに良いのは分かっていて、自分の相手は牧野選手だと思っていたので(大湯に)抵抗する気はありませんでした」

「OT(オーバーテイクシステム)も使っていませんでしたし、ジェットコースターに差し掛かって、ディフェンスせずに『来るんだったら来てくれ』という状態でした」

「僕の視点としては(大湯が)コーナーが来る前に切り込んでいるように見えました。不運なアクシデントだったと思います」

 そう語った阪口。アウト側の大湯に対してスペースは残しており、大湯が一瞬早くステアリングを切ったことが接触の原因だと主張したのだ。

「外から見ればギリギリだったように見えるかもしれませんが、ラインは残していたつもりです。あともう少しでコーナーに切り込むというところで、大湯選手がコンマ数秒ハンドルを切るのが早かったのだと思います」

 一方の大湯は、自らに非があると判定されたことを知り、阪口の元に謝罪に行ったというが、彼個人としては非常に判定が微妙なレーシングアクシデントなのではないかと考えているようだ。

「僕としても思うところはあります」

「晴南からすればぶつけてきたと思うでしょうし、僕からすれば、そもそもペース差がある中でもう少しスペースを空けてもいいでしょう……とも思います」

 また、阪口は大湯がステアリングを一瞬早く切ったことで接触したと考えている一方で、大湯は「切った覚えはない」という。

「当たったことで切ったように見えているのかもしれませんし、お互い気付かぬうちに吸い込まれて……という可能性もあります。今回そういった裁定が出たので、晴南にも謝りに行きました。ただ、正直レーシングアクシデントだと思っています」

「もちろん、お互いあそこで当たる気はありませんし、僕も“抜く”というよりは“並んでいった”というような感覚で、相手が引いたら抜くし、相手が前に行ったらクロスラインを取ろうと考えていた中での接触でした」

「だから『なんでこうなっちゃうの?』というか……。仮にあそこで僕が引いたとしても、どう引こうが当たっていたと思います」

「晴南は1台分のスペースを空けたと言っていましたが、それも個人の感覚ですし、そうだとしてもギリギリすぎないか? と思っちゃいますね(苦笑)」

 

Photo by: Masahide Kamio

 いずれもせよ、今回の接触は大湯に非があるとのジャッジが下された訳だが、とにかく大湯は噛み合わないレースが続いている。第2戦富士では勝利を目指してのアタックが奏功せず、タイヤをロックアップさせた結果タイヤトラブルに見舞われた。そして第3戦、第4戦は接触……。余談だが5月初旬のスーパーGT富士戦でもガス欠症状に見舞われた。

 大湯は“運”を味方につけることができていないと語る。

「何せリザルトが残らない……残念すぎるとしか言いようがないです。運を手繰り寄せられてないです」

「速さは見せられているし、レースは目立ててるんだけど、それがまとまらないというか……。色んな条件が噛み合わないと勝てない中で、何かが毎回欠けてしまっている。その主な原因は運というか、流れというか……。僕はそういうの信じたくないタイプなので、運だけで片付けたくはないですが」

 

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