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走行前日にまさかの代役オファー。大忙しの大津弘樹が実感した絶対王者・野尻智紀の強力パッケージ「これが強さの秘訣か……!」

スーパーフォーミュラ第4戦オートポリスで、野尻智紀の代役として参戦している大津弘樹。予選ではコースオフにより悔しい結果となったが、前年王者のパッケージで仕事をしたことは大いに学びになったようだ。

Hiroki Otsu ,TEAM MUGEN

写真:: Masahide Kamio

 オートポリスで開催されているスーパーフォーミュラ第4戦。このレースウィークを最も慌ただしく過ごしているのが、大津弘樹だ。

 もっとも、彼は予選日前日の夕方まで自宅で過ごしていた。今季はスーパーフォーミュラのホンダ陣営のシートを得られなかった大津は、陣営のリザーブドライバーにはなっていたものの、レースウィークに入るまではリザーブドライバーの必要性がない状況であり、大津はサーキット入りしていなかったのだ。

 しかし、体調不良を訴えた野尻智紀(TEAM MUGEN)が予選日前日の金曜日に肺気胸と診断されたことで事態は大きく動いた。野尻は大事をとってレースを欠場することが決まり、夕方16時頃に大津の電話が鳴った。そこから大津は急ピッチで準備し、熊本行きの飛行機になんとか間に合ったことで、金曜夜には熊本に入り、そして土曜早朝から現地で準備を進めたのであった。予選前にも、慌ただしくパドックを駆け回る大津の姿が目撃されていた。

「もちろん、常に(機会が)あるかもしれないという気持ちでいますが、まさかこういう形で乗ることになるとは思いませんでした」

 代役出場についてそう振り返る大津。奇しくも彼のSFデビュー自体も、体調不良の牧野任祐の代役としてだった。ただ今回は、2年連続チャンピオンである野尻の、ゼッケン1のマシンを引き継いでの参戦。「ちゃんと走らないといけない」と一層気が引き締まったという。

 プレッシャーがかかってもおかしくない状況にもかかわらず、大津は初日フリー走行で4番手タイムを記録するなど上々の滑り出しを見せていた。そして迎えた予選Q1、良いフィーリングを感じつつセクター1を駆け抜けた大津だったが、左に大きく回り込む100Rのターン10でリヤを滑らせ、コース外のスポンジバリアに接触してしまった。

「100Rでリヤ(のコントロール)を失った原因は分かっていません。予選なので多少攻めたという部分もありますが、(ダウンフォースが)抜けたことの対処もできないくらいにコントロールを失ってしまいました」

「(23年用の)タイヤやSF23エアロの難しい部分が出たのかもしれません。そこに対応できなかったことは悔しいし、リザーブとして呼んでくれたチームに申し訳ないです。明日最後尾から追い上げられるように頑張ります」

「フリー走行からうまく進めることができたので、このまま行けば上位に入れるという手応えがあっただけに、自分の仕事をできなかったという点で悔しいです」

 このように悔しさを語った大津だが、1号車のパッケージを体験できたことはかなりの収穫になった様子。彼自身、かつてはRedBull MUGEN Team Gohでスーパーフォーミュラに参戦した経験があり、今季も“ARTA 無限”からスーパーGTに参戦しているが、一瀬俊浩エンジニアを筆頭に多数のデータエンジニアが支える“SF1号車チーム”に加わるのは初めてだ。

 大津は昨年、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGからフル参戦し、今季の開幕前テストでも同チームから代役として参加しているため、新車両SF23も体験済み。しかしチームによってフィーリングは異なるとして次のように語った。

「(MUGENとダンディライアンでは)クルマの持っているもの、特性がそもそも違います」

「去年1年間ダンディライアンで走りましたが、マシン特性は変わらないままSF23に移行していた印象でした。ただMUGENのクルマはフィーリングが全然違いました。今のSFはスイートスポットを見つけないと速く走れませんが、野尻さんはそれがとてつもなく早く、ハイレベルなんだと感じました」

「今週末に向けて持ち込んだセットアップを進化させていくという過程の中で、MUGENの細かさ、速くタイムを上げるアイテムの多さを感じ、これが強さの秘訣なのかなと思いました」

「一瀬さんを筆頭に、データエンジニアの皆さんも、ドライバーに寄り添いながらコメントを引き出してくれて、やりやすかったです。こうやってクルマを作りながら、ネガティブな部分を消していくんだなということが分かり、学びになりました」

 
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