スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦:富士

リアム・ローソンのスーパーフォーミュラ”デビュー戦初優勝”はどれくらいすごいのか?

スーパーフォーミュラ参戦初戦でいきなり優勝を果たしたリアム・ローソン。日本国内トップフォーミュラでのデビュー戦優勝は、実に1978年のマルク・スレール以来のことだ。

編集: 2023/04/19 5:19

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Liam Lawson, TEAM MUGEN

 先日富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラの2023年シーズン開幕戦。このレースを制したのは、TEAM MUGENのリアム・ローソンだった。

 ローソンはこのレースがスーパーフォーミュラへのデビュー戦。デビュー戦で勝利を飾ったドライバーは、2013年にスーパーフォーミュラが始まって以来はじめてのこと。日本のトップフォーミュラのシリーズ(フォーミュラ・ニッポン、全日本F3000、全日本F2)を遡っても、1978年のマルク・スレールが最も直近の例である。

 それだけでもローソンの初参戦初優勝は、十分評価に値する成績だと言うことができるだろう。ただ、最近参戦した外国人ドライバーたちと比較すれば尚更、どれだけの離れ技だったかということがわかるだろう。

 ローソンは昨シーズンはFIA F2に参戦し、ランキング3位となった。これで、F1の参戦に必要なスーパーライセンスの発給条件を満たしたが、ローソンが加入できるシートはなく、来日してスーパーフォーミュラに挑むことになった。

 この流れは、2016年に来日したストフェル・バンドーンや、2017年に来日したピエール・ガスリーとよく似ている。

 バンドーンは2015年に、FIA F2の前身であるGP2で7勝を挙げ、チャンピオンに輝いた。11戦あったフィーチャーレースのうち、10戦で表彰台を獲得するというまさに圧倒的な安定感と強さでのチャンピオン獲得であった。バンドーンはその前の2014年にも、参戦1年目ながらランキング2位となっており、F1デビューに向けては申し分のない成績を残していた。

 当時のバンドーンは、マクラーレンの育成ドライバーだった。しかし2016年のマクラーレンは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンという、チャンピオンふたりを擁しており、バンドーンが座るシートはなかった。そのためバンドーンは、ダンディライアンからスーパーフォーミュラに参戦することになった。

 ただ、F1の開幕戦でアロンソがクラッシュにより負傷したため、バンドーンが急遽招聘されてバーレーンGPでF1デビュー。つまり、スーパーフォーミュラを戦う前に、F1デビューを果たしていたわけだ。

 ガスリーは、バンドーンがチャンピオンになった翌年、2016年にGP2でチャンピオンに輝いた。これにより2017年にトロロッソからF1デビューするのは確実とみられていたが、チャンピオン決定が最終戦までずれ込んだこともあり、トロロッソにはダニール・クビアトが残留することが決まった。そのため、最終的にチャンピオンを手にしたガスリーは、すぐにF1に行くことはできず、バンドーン同様来日してスーパーフォーミュラで武者修行することになった。

 バンドーンもガスリーも、GP2チャンピオンとしてスーパーフォーミュラに挑んだ。しかし、ローソンのように最初から勝てたわけではない。

 バンドーンは鈴鹿での開幕戦で3位。それだけでも、歴戦の強者たちを相手にいきなり表彰台を手にしたことで、驚きを持って迎えられたものだ。

 ガスリーはテストの段階では「バンドーンより上かも」と高い評価を受けたが、デビュー戦となった鈴鹿ではシフトのトラブルもあり、10位に終わった。

 このように、スーパーフォーミュラのデビュー戦で優勝するのは、実に難しいことだ。バンドーンやガスリーにとって、日本は文化も環境も、ヨーロッパとは大きく異なる。レースに向けての進め方も違う。そしてスーパーフォーミュラを走るドライバーたちのレベルは高く、しかも国内のサーキットを知り尽くしている。

「これまでのレースとは全く異なる環境で、本当に素晴らしいドライバーたちと戦うことができ、光栄に思う」

 バンドーンはスーパーフォーミュラ初戦の後、そう語っている。

 またガスリーも、「僕にとってはチャレンジングなことだったし、素晴らしいドライバーたちと一緒に走ることができたというのは、本当に勉強になった。初めて日本のレースに来て、日本のチームと一緒に仕事をした。考え方もコミュニケーションの取り方も違う」と、スーパーフォーミュラを評している。

 それでも、さすがはGP2王者。いずれも高い適応力を見せつけた。バンドーンは結局2勝を挙げてランキング4位となり、2017年にマクラーレンF1のレギュラーシートを掴んだ。ガスリーもやはり2勝を挙げて、ランキング2位。このシーズン中にトロロッソからF1デビューを果たし、翌年にはやはりレギュラーシートを手にした。

 デビュー戦でバンドーンやガスリーを上回る、優勝という結果を残したローソン。シーズンを通じて、同じようなパフォーマンスを発揮し続けることができるだろうか? その活躍が、ローソンが来季F1に行けるかどうか、資金石となるはずだ。

 しかし彼の前には、チームメイトの野尻智紀をはじめ、高い壁が立ちはだかっている。

 

関連ニュース:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 持続可能なスーパーフォーミュラを目指して……横浜ゴムが今季投入した”サステナブル”タイヤとは一体何なのか?

次の記事 スーパーフォーミュラのレベルは高い! 今季デビューのリアム・ローソン、スーパーライセンスポイント配点の低さに苦言「F2と同じにすべきだ」

最新ニュース



アントネッリ、幸運を速さに繋げて完勝。初開催マドリンクを制す。ノリスが不運すぎる3位。角田はマシンにダメージも14位完走|F1スペインGP決勝

F1

F1 F1

スペインGP

1 時間前

アントネッリ、幸運を速さに繋げて完勝。初開催マドリンクを制す。ノリスが不運すぎる3位。角田はマシンにダメージも14位完走|F1スペインGP決勝



F1スペインGP決勝速報|超速ノリスに悲運……VSCに嫌われ勝利逃す。アントネッリが今季8勝目。角田裕毅は手負いのマシンで14位

F1

F1 F1

スペインGP

1 時間前

F1スペインGP決勝速報|超速ノリスに悲運……VSCに嫌われ勝利逃す。アントネッリが今季8勝目。角田裕毅は手負いのマシンで14位



マルク・マルケス、2戦連続完全勝利でランキング首位に浮上! ベッツェッキ痛恨の転倒|MotoGPサンマリノGP決勝

MotoGP

MGP MotoGP

サンマリノGP

3 時間前

マルク・マルケス、2戦連続完全勝利でランキング首位に浮上! ベッツェッキ痛恨の転倒|MotoGPサンマリノGP決勝



このままではF1は続いていかない! アロンソの警告「マドリンクは素晴らしいサーキットなのに。まともになるのは2031年なんて……待てないよ」

F1

F1 F1

スペインGP

4 時間前

このままではF1は続いていかない! アロンソの警告「マドリンクは素晴らしいサーキットなのに。まともになるのは2031年なんて……待てないよ」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録