トヨタ7号車が大激戦のル・マン24時間を制す! 8号車も3位表彰台、20号車BMWはわずか11秒およばず2位
大激戦の第94回ル・マン24時間レースは、トヨタ7号車がチームにとって2022年以来となる総合優勝をもたらした。
Winners #7 Toyota Racing Toyota TR010 Hybrid: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Nyck De Vries
2026年の第94回ル・マン24時間レースは、BMWやキャデラックとの激しいバトルを制し、7号車トヨタTR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリーズ組)が総合優勝を果たした。
ル・マンの夜を生き残り、朝を迎えたマシンたち。ハイパーカークラスはレース序盤から、BMW20号車とトヨタ8号車が首位を争い、そこにキャデラック38号車が絡んでいたが、トラブルでリタイアした38号車に代わり、僚機12号車が上位に食い込んできた。
レースファステストラップを記録するなど、20号車を猛追していた8号車だったが、残り6時間を切る直前に異変が発生。ピットで左フロントのブレーキの修理を行ない、20号車との差が2分以上に広がってしまった。
さらにレースは大きく動く。残り6時間を切った直後、LMGT3クラスのマンタイ91号車ポルシェがシケインでコントロールを失い大クラッシュ。これでセーフティカー(SC)が出動したのだ。
ハイパーカークラス首位のBMW20号車、キャデラック12号車はステイアウトしたが、トヨタはここでダブルピットストップ。7号車はルーティーンのピットストップだが、直前のピットストップで左フロントのブレーキのパーツを交換した8号車は、イレギュラーのピットストップで左フロントブレーキを改めてチェックし、7号車と同じSCの後ろでコースに戻った。
また、SC走行中にフェラーリ50号車にトラブル発生。コースサイドにマシンを止めて再起動を試したものの、無念のリタイアとなった。
ル・マンでは3台のSCがコースに入り、マシンを3つのグループに分けてコントロールする。首位の20号車、2番手の12号車は同じグループを走り、トヨタの2台はひとつ後ろのSCのグループに入った。
1時間以上のSC走行の後、隊列がひとつに整理され残り4時間53分からリスタート。ハイパーカークラスのトップ4台の差はこのSCで一気に無くなり、12号車は20号車のすぐ後ろでリスタート。トヨタ7号車はその7秒ほど後方、8号車もそのすぐ後ろについた。
20号車BMWのロビン・フラインスを12号車キャデラックのノーマン・ナトーが1秒前後の差で追う中、7号車の小林可夢偉がファステストペースで猛追。8号車の平川亮も、悪くないペースで4番手を走った。
7号車の小林は1周1秒近く12号車より速く、残り4時間30分のところで12号車を完全にロックオン。しかしトラフィックとのめぐり合わせが悪く、中々オーバーテイクには至らなかった。
その後方のトヨタ8号車は、7号車より1周早くピットイン。コースに復帰すると、20号車BMWの前を抑えることに成功した。12号車と7号車は同時にピットインし首位12号車、2番手8号車、3番手7号車という並びとなり、20号車も含めて完全に4台1パックとなった。
LMP2クラスも、首位デュケイン・チーム30号車のすぐ後ろをインターユーロポールの343号車、43号車が追走。LMGT3クラスも首位TFスポーツ33号車コルベットのリードは7秒ほどと、各クラス誰が勝つかまだ全くわからない状態だ。
20号車がじりじりと遅れる中、トップ3はトラフィックも絡んで一進一退。行き詰まる接戦が続いた。トヨタは戦略を分け、7号車が先にタイヤを交換するなど、2台で12号車攻略を狙った。
残り時間3時間20分ごろ、LMP2クラスの優勝争いを演じていた30号車がブレーキトラブルによりマシンストップ。これでFCY(フルコースイエロー)が出された。
このFCY解除のタイミングで狙っていた8号車のブレンドン・ハートレーは、うまく加速し12号車をオーバーテイク。さらにその後ろから7号車も迫ると、タイヤの違いを活かしてストレートエンドのミュルサンヌで見事なオーバーテイク。これでトヨタが3時間を残してワンツー体制を築いた。
ペースが良い7号車のデ・フリーズは8号車とのポジションスワップを要求。チームもそれを許可したものの、結局スワップはしないまま8号車がピットインしタイヤを交換したことで、7号車が総合首位に立った。
するとそのピット作業中、LMGT3クラスで優勝争いに絡んでいたハート・オブ・レーシング27号車アストンマーティンがコースサイドにストップ。これによりFCYが出され、ちょうどルーティーンのピットタイミングだった7号車や12号車はエマージェンシーピットストップを強いられた。
翌周に再びこの2台がピットに入ったが、7号車はあえて満タンまで給油せずに首位をキープすることに成功。22秒後方の2番手には20号車BMWが再浮上し、3番手に8号車。タイヤ交換を行なった12号車が4番手となった。
各車がフィニッシュまでの戦略を逆算する中、トップ3台は残り2時間あまりのところで同じ周にピットストップ。燃料が少し多い12号車だけが、少し遅いタイミングでのピットインとなった。
7号車は残り1時間24分のところでピットインし、タイヤ交換と合わせて小林可夢偉が再び乗り込んだ。20号車BMWもタイヤを交換したことで、同じタイミングでピットインしていた8号車が20号車の前に出た。
トヨタ8号車のセバスチャン・ブエミは、よりタイヤが新しい20号車BMWに迫られながらも2番手をキープ。その間に首位を走るトヨタ7号車の小林可夢偉はリードを広げた。
残り46分のところで8号車は20号車にオーバーテイクを許したが、その後ラストピットストップを終えたところでトヨタ7号車は20号車に22秒のリードを持っていた。
トップ3は燃料に全く余裕がない中、7号車の小林は少しずつリードを吐き出しながらフィニッシュを目指し、10秒ほどのギャップを築いてファイナルラップに突入し、危なげなくトップチェッカー。24時間を戦い切り、わずか10.9秒差で20号車BMWを退けてル・マン24時間制覇を成し遂げた。
7号車としては2021年以来、トヨタとしては2022年以来のル・マン制覇となった。今回はル・マン初制覇となったデ・フリーズを筆頭に、トヨタのメンバーは涙を浮かべ、ウイニングランを終えた小林を出迎えた。
2位は終始上位を走った20号車BMW。3位にはトヨタの8号車が入った。最終的なギャップを見ても、まさに大激戦だった。
LMP2クラスは、インターユーロポール43号車が連覇を達成。僚機343号車とワンツーとなった。太田格之進がチェッカーを受けたseven x seven Racingカラーのプロトン・コンペティション9号車はクラス11位だった。
LMGT3クラスは、TFスポーツ33号車コルベットがクラス優勝。木村武史が乗るケッセル・レーシング57号車フェラーリはクラス10位でフィニッシュした。
レース
| 順位 | チーム | # | ドライバー | クルマ | Laps | タイム | 前車との差 | ピット | リタイア原因 | ポイント | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 |
Toyota Gazoo Racing HYPERCAR
|
7 | |
Toyota TR010 Hybrid | 0 |
|
|||||||
| 2 |
BMW M Team WRT HYPERCAR
|
20 | |
BMW M Hybrid V8 | 0 |
|
|||||||
| 3 |
Toyota Gazoo Racing HYPERCAR
|
8 | |
Toyota TR010 Hybrid | 0 |
|
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