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WEC、トヨタ7号車に発生したセンサートラブルを受け、新プロトコルを導入。”強制ピットイン”は避けられる?

WECは、ハイパーカークラス車両に搭載が義務付けられているトルクセンサーが故障した場合、修理に時間を使わずに済むようにするための新しい手順を導入した。

#7 Toyota Gazoo Racing - Toyota GR010 - Hybrid - Mike Conway, Kamui Kobayashi, Jose Maria Lopez

写真:: Paul Foster

 FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ6時間レースから、ハイパーカークラスの車両に搭載が義務付けられているトルクセンサーが故障した際、修理を強いられるようなことがないよう新しいプロトコルが導入された。

 これは、第2戦ポルティマオで2台にトルクセンサーの問題が起きたことを受けて導入されたものだ。

 ドライブシャフトのトルクセンサーは、ハイパーカーにおいて重要な要素となっている。ハイパーカークラスで走行する各車両について、性能調整(BoP)に定められている出力と各スティントで使用するエネルギーをこのセンサーで測定し、監視しているからだ。

 LMDh車両はリヤ駆動だが、LMHのハイブリッド車両はフロントドライブシャフトにもトルクセンサーが搭載されており、ハイブリッド出力時のトルクを監視している。

 このレースでは、トヨタ7号車のトルクセンサーが作動しなくなったことで、リヤドライブシャフトのアッセンブリ交換を強いられた。僚機8号車とワンツー体制を築いていた7号車だが、ピットでの作業で約11分をロスしたことで、総合9位でフィニッシュするのがやっとだった。

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 トヨタはレースコントロールにデフォルトのセンサーを使って走行を継続することを訴えたものの、7号車はスタート前からトラブルを抱えていたため、これは却下された。以前のプロトコルでは、そうした要求が認められるには2スティント分のデータが収集してある必要があったという。

 実際、プジョーの94号車にも同様のトラブルが起きたものの、こちらはトラブルが起きたのがレース後半だったため、走行継続が許可されている。

 今回導入が合意された新しいプロトコルでは、レース序盤に故障が発生した場合、車両をデフォルトまたはバックアップモードで走行するための手順が定められた。

 トヨタのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、スパからこの手順が実施されることを明らかにし、次のように説明した。

「我々はFIAやACO(フランス西部自動車クラブ)と、このようなことが起こったときにクルマを止めないようにするために可能な限りのことをしなければならないということに、非常に早く合意した」

「我々は、デフォルトモードでの走行を可能にするために利用可能なデータを最大限に活用するために、手順をどのように改善できるかについて非常に建設的なミーティングを行なった」

 またバセロンは詳細は明かさなかったものの、バックアップにはギヤボックスのインプットシャフトにあるパワーを計測するセンサーが関係していることを明らかにした。

「ギヤボックスのインプットシャフトという冗長性が1つあるので、エンジンの出力(に関するデータ)は確保できている」とバセロンは説明した。

「利用な可能なデータを最大限に活用することで合意したんだ」

 バセロンは、デフォルトモードでの走行がパフォーマンス上のアドバンテージにならないことが重要だという。

「このアイデアは、パフォーマンス的に有利にならないようにデフォルトモードを定義する必要がある」

「こうした制御を行なってデフォルトでクルマを走らせることができたとしても、パフォーマンスは上がらないようにしなければならない」

 バセロンは、デフォルトモード時のパフォーマンスについて「どうにかしてダウングレードする必要があるが、それほど大きくはない」と語った。

 ポルティマオでトラブルに見舞われたプジョーの94号車も、BoPで定められたトルクカーブと1スティントあたりのエネルギー許容量の範囲内に収めようと努力したため、スピードを落としていた。

 プジョー・スポールのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、ポルティマオでのトラブルの結果「合法性を保つために、かなりクルマをデチューンしなければならなかった」と明かした。

 彼は、デフォルトモードで走行するマシンがBoPの定めるパラメータ内に収まるようにする責任がチームにあることを強調した。

「センサーが故障したときに、それをバックアップするための独自のソリューションを開発しなければならない」

「ポルティマオではそうではなかったが、トラブルが起こったときに最大限のパフォーマンスを発揮できるようにすることも、我々の仕事の一部だ」

 一方で、これまで目立ったトラブルが起きていなかったセンサーが相次いで故障したことについて、関連性は明らかとなっていない。ジャンソニーは、WECがメーカーからの回答を待っているところだと明らかにした。

 ポルティマオでの不具合は、2021年にLMH車両が導入されて以来、レースウィークエンドで発生した初めてのものだったが、バセロン曰くテスト中には問題が起きたことがあったという。

 今後も同様のトラブルが発生する可能性は否定できない。いかにパワーを落とさずにデフォルトモードで走れるようにしておくかも、チーム力が問われるポイントになると言えるだろう。

 
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