トヨタWEC代表の小林可夢偉、7号車にトラブル襲うも「11分で修理したメカニックに感謝」僚機8号車はポルティマオ完勝
Toyota GAZOO Racingでドライバー兼チーム代表を務める小林可夢偉は、7号車を襲ったトラブルを残念に思う一方で、11分でマシンの修復作業を終えたメカニックを称賛している。
ポルトガルのアルガルヴェ・サーキットを舞台に、2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間レースが行なわれ、決勝レースをToyota GAZOO Racingの8号車『GR010 HYBRID』を駆るセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮組がポール・トゥ・ウィンを達成した。
一方で、小林可夢偉とマイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス組の僚機7号車にはトラブルが発生。レース序盤で優勝戦線から脱落することとなったが、ドライバー兼チーム代表を務める小林はマシンを素早くコースへ送り出したメカニックを称賛している。
決勝レースでは1回目の給油を前に8号車が7号車の前に立ち、開幕戦セブリング1000に続くトヨタのワンツーフィニッシュに向けて盤石な体制を築いたように見えた。
しかし、レース開始から1時間20分が経過したところで、7号車のリヤのドライブシャフトセンサー交換のためにピットでの修復を余儀なくされた。
このトルクセンサーはFIA側がパフォーマンスを監視するためのもの。チームがコントロールできるパーツではなく、レース開始前から7号車からデータを吸い上げることができなくなっていたという。
これにより7号車はガレージに入らざるを得なくなり、7号車だけでなく8号車のメカニックが協力し、左リヤをアッセンブリ交換。わずか11分のタイムロスでマシンをコースへ戻すことに成功した。
しかしこれにより、7号車は最後尾近くからの追い上げを強いられ、優勝した僚機8号車から7周遅れの9位でチェッカーを受けることとなった。
小林は8号車の優勝を喜ぶ一方で、7号車は不運なトラブルだったと評している。しかしトラブルの中でも、チームのメカニックは迅速な対応ができたと考えている。
「チーム全体として、8号車の優勝は喜ばしいことです。彼らは本当に素晴らしい働きぶりで、全くミス無く、勝利に値する走りでした。彼らに祝福を贈ります」
チームを介して小林はそう語った。
「一方、7号車はピットガレージで11分間費やすことになり、上位フィニッシュのチャンスは失われてしまいました。11分というわずかな時間で素晴らしい作業を終えてくれた2台の車両のメカニックには感謝していますし、チームの頑張りを本当に誇らしく思います」
「クルマの感触はレースを通して良かっただけに、運が無かったとしか言いようがありません。それだけに、次戦へ向けた準備のために更なるハードワークが必要です」
「次戦スパまでは僅かな期間しかありませんが、ル・マンへ向けた準備のためにも我々全員にとって重要なレースです。ライバルとの差がさらに縮まってきていることは明確であり、我々に降りかかった今日の事象は忘れて、さらに強くなって戻ってくるべく集中していきます」
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid: Sébastien Buemi, Brendon Hartley, Ryo Hirakawa
Photo by: JEP / Motorsport Images
優勝した8号車としては、ポルティマオで今季初優勝。平川も今回の完勝に満足することなく、4月29日の第3戦スパ・フランコルシャン6時間に視線を移している。
「チームが完璧な仕事をしてくれて、今回勝てたことを本当に嬉しく思います」と平川は言う。
「GR010 HYBRIDは好感触でしたし、前戦セブリングでは僅か2秒差で勝利を逃していただけに、今季初勝利を挙げられたことに本当に満足しています。僕自身は首位でバトンを受けとりましたが、よりその座を着実なものとすべく、2位のフェラーリとの差を広げることができました」
「ここポルティマオのように1周が短く、コース上のトラフィックが激しいコースでは、それは容易ではなく、神経を研ぎ澄ませる必要がありましたが、自分の走りには満足しています」
「7号車は週末を通して速かっただけに、彼らの結果は残念です。スパがすぐに待っているので、チームとしてさらに強くなって戻ってこられるよう頑張ります」
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