「どう挑むべきかは分かっている」角田裕毅、3度目のF1モナコGPへ。チームが拠点置くファエンツァ被災も気持ち切り替える
アルファタウリの角田裕毅は、3度目のF1モナコGPへの挑戦に向けて「どう挑むべきかは分かっている」と意気込んだ。
5月26日(金)から28日(日)にかけてモンテカルロ市街地サーキットで開催される”伝統の1戦”モナコGP。自身3度目の挑戦となるアルファタウリの角田裕毅は、カレンダー屈指の難所を前に「どう挑むべきかは分かっている」と自信を覗かせた。
角田は2019年にFIA F3、2020年にFIA F2とF1直下のカテゴリーを単年で駆け上がり、2021年にアルファタウリからF1デビューとスピード昇格を果たした。ただ、2020年シーズンはCOVID-19の影響によりモナコでのレース開催が中止となっていたため、角田はF1でモンテカルロ市街地サーキットを初走行することとなった。
2021年は決勝で16位。2022年は決勝こそ17位と下位に沈んだものの、予選順位は11番手と苦戦続くアルファタウリで速さを見せた。
ル・マン24時間レース、インディ500と並び”世界3大レース”のひとつとして数えられるモナコGP。やはり、角田としても特別な雰囲気を感じているようだ。
「2021年のF1デビューイヤーまで、僕はモナコでレースをしたことはありませんでした」
角田はチームを介してそう語った。
「しかし、昨年は予選で11番手でした。(モナコGPは)4日間、とても特別な雰囲気に包まれています」
「特に予選では、ドライブが楽しくてユニークなサーキットだと思います。バリアにどれだけ近づけるか、コーナーに向けてどれだけスピードを乗せられるのか……その自信が予選日にコックピットの中でとても楽しませてくれるんです」
アルファタウリの今季マシン『AT04』は、グリッド上で最遅マシンのひとつだが、角田は5戦を終えて入賞2回、それ以外は11位と奮闘を見せている。
コース幅が狭くツイスティなモンテカルロ市街地サーキットでのオーバーテイクは容易ではないことから、チームとしても予選ペースに適したマシンセットアップを組んでいくと角田は言う。
「レースではオーバーテイクが難しいので、(予選日が)最も重要な1日になります。そのため、自分自身の準備を進めながら、ロングランよりも予選に適したセットアップを見つけようと思います」
「サーキットをリスペクトし、徐々にスピードを上げ、できるだけタイムを稼ぐ必要があります」
「一方で、路面の改善幅はかなり大きく、各セッションでラップタイムが大幅に上昇していくのが当たり前だと考えています。モナコでのレースは3回目なので、どう挑むべきかは分かっています」
「最初の時よりも、間違いなく準備は整っています」
ST. HELENA - Extreme E - The Electric Odyssey moored off Monaco
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
なお、モナコGPの前に予定されていたエミリア・ロマーニャGPは、同地の豪雨による洪水被害により中止。アルファタウリが拠点を置くエミリア・ロマーニャ州のファエンツァも大きな被害を受けた。
角田は、豪雨や河川の氾濫によって街に流れ込んだ土砂の清掃を率先して行ない、ファエンツァへの救援募金を募るなど地域に貢献した。
被災しながらも復興へ向かう人々のたくましさに感銘を受けたという角田。彼は被災した人々の思いも乗せてモナコGPを走る。
「ファエンツァとその周辺地域では、本当に厳しい状況が続いています」と角田は語る。
「本当にひどい被害を受けた人たちを助け、街をきれいにするために、地域のみんなが力を合わせて頑張る姿を見た時は感動しました。でも今は、今週末のレースに集中して、できる限りのことをするのが僕のミッションです」
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