スーパーGT 第2戦:富士

ARTA、2台揃って上位争うもまさかの共倒れ。3番手走行の8号車にはガス欠症状、16号車はピット作業でミス|スーパーGT第2戦富士

スーパーGT第2戦富士で初日から好調ぶりを見せていた2台のARTAだったが、決勝レースでは10位、11位に終わった。彼らを襲ったトラブル、そしてペナルティの背景について聞いた。

戎井健一郎 Jamie Klein

編集: 2023/05/30 6:01

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#8 ARTA MUGEN NSX-GT

 富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦。2台体制のARTA MUGEN NSX-GTは、初日から好調ぶりを伺わせており、決勝レースでも揃って上位争いを展開していた。しかし、終わってみれば16号車が10位、8号車が11位と、2台でわずか1ポイントしか獲得できないという結果となった。

 ARTAは予選Q1をワンツーで通過すると、Q2では16号車は福住仁嶺にわずかなドライビングミスがあったようだがそれでも3番手、8号車は野尻智紀がパワーステアリングの不具合でコンマ数秒をロスしながらも7番手と、うまくいかない中でもポテンシャルの高さを見せていた。

 迎えた100周の決勝レースでは、序盤から16号車が2番手、8号車が5番手に浮上。8号車は前を行くマシンに引っかかることを危惧して早めのピットインを選択したことで順位を上げ、優勝争いに加勢した一方、16号車はピット作業で大きくタイムロスしながらも上位でのレースを続けていた。展開次第では2台揃っての表彰台……とまではいかなくとも、トップ5フィニッシュは射程圏内に捉えていた。

 しかし、16号車にドライブスルーペナルティが言い渡される。件のピット作業で違反が認められたのだ。スーパーGTではタイヤ交換と給油を同時に行なうことはできないが、どうやらタイヤ交換が終わっていないタイミングで給油リグを差し込んでしまった模様。HRC(ホンダ・レーシング)の佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーは、「ナットがうまく締まらないなどバタバタしている中で、コミュニケーション不足によってリグを差し込んでしまった……ということのようです」と説明した。

#8 ARTA MUGEN NSX-GT

#8 ARTA MUGEN NSX-GT

Photo by: Masahide Kamio

 ペナルティによって勝負権を失った後、福住からバトンを受け取った大津弘樹はレース後「何もなければ表彰台争いができたと思います」とコメント。「手応えがあるのに結果に繋がらないのがもどかしいです」と悔しがった。

 16号車が後退した一方で、8号車は終盤まで表彰台圏内の3番手を走行していた。最終スティントのタイヤコンパウンドはソフト側だったようだが、それでも大湯都史樹が意地の踏ん張りを見せて後続を抑えており、僅差で17号車Astemo NSX-GTを従えてファイナルラップに……入ろうとしていたのだが、大湯のマシンは最終コーナー手前で急激に失速。そのままピットに駆け込む形となった。

 8号車には、ガス欠の症状が出ていた様子。8号車担当の一瀬俊浩エンジニアが説明する。

「スローダウンする1周前に、大湯選手から『アラームがついた』という無線が入りました。彼も熱くなっていたのでハッキリは聞き取れませんでしたが、あのタイミングでつくアラームはガス欠しかないと思いました」

「とはいえ表彰台を争っていたので、ここでピットに入っても勝負権を失うだけですし、残り2周でリフト(アクセルオフ)をしたところで燃費も回収もできないので、『(燃料が)入ってるか分からないけど行けるところまで行ってくれ』と言いました。そしたら、ああいう状況になってしまいました。あそこ(最終コーナー手前)で一気に症状が出たのだと思います」

 なお8号車陣営は、燃料が持つギリギリの周回から1周余裕をもってピットインしたといい、大湯のバトル中も燃料をリッチに消費するようなこともなかったという。彼らにとっても予想外の事象であり、原因究明はこれから行なわれるようだ。

 GT500での2台体制で開幕前から注目を集めたARTA。2台揃ってバッチリ歯車が噛み合うレースはまだ見せられずにいるが、大津も「パフォーマンスは見せられている」と手応えを口にしており、一瀬エンジニアも「シーズンは長いので、うまく戦っていけばシリーズ争いに加われると思います」と語る。歯車さえ噛み合えば、脅威な存在となることには変わりない。

 

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