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わずか5回の開催ながら波乱の連続……”濃密”なアゼルバイジャンGPの歴史

2016年に初めてバクー市街地コースで開催されたF1。当初ヨーロッパGPの名称だったが、2017年からはアゼルバイジャンGPとなり、今に至る。しかしこのアゼルバイジャンGPは、結末を読みきれない、波乱に満ちたレースである。

Max Verstappen, Red Bull Racing kicking his car after retiring from the race

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 今週末にはF1アゼルバイジャンGPが開催される。バクーの市街地コースでF1が開催されるのはこれで6回目ということになるが、これまで5回という短い歴史の中でも、色々なことが起こってきたグランプリである。

 同サーキットでF1が初めて開催されたのは、2016年のこと。当初は”ヨーロッパGP”としての開催だった。このヨーロッパGPは順当なレースで、ポールポジションから逃げたニコ・ロズベルグ(メルセデス)がポール・トゥ・ウイン。どちらかというと、その直前まで行なわれていたル・マン24時間レースの結末の方が衝撃的だったと言えよう(首位を走っていたトヨタが、ラスト1周でトラブル発生……ル・マン初勝利を逃した)。

 2017年はアゼルバイジャンGPとして初の開催。このレースでは、なかなかあり得ないようなシーンが飛び出した。

 レース序盤に出されたセーフティカーの際、首位を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)に、2番手セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が追突してしまったのだ。ハミルトンに”ブレーキテスト”をされたと感じたベッテルは激怒し、ハミルトンのマシンに並びかけて体当たりをしてみせたのだ。当然これは審議対象となった。

 

 審議の結果、ベッテルは危険行為を判定され、10秒のストップ&ゴーペナルティを科されて後退。一方のハミルトンも、レース終盤にヘッドレストが浮き上がるトラブルに見舞われ、これを交換するために緊急ピットイン……この結果レッドブルのダニエル・リカルドが首位に立ち、2番手にはウイリアムズのランス・ストロールという順位になった。

 リカルドは結局そのまま優勝。2位は最終ラップのフィニッシュ直前でストロールを交わしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)という並びとなった。ストロールは、これが嬉しいF1発表彰台だ。

 2018年のアゼルバイジャンGPを勝ったのはメルセデスのハミルトン、2位はフェラーリのキミ・ライコネンであり、順当な結果のようにも見えるが、ドラマに満ちていた。

 

 レース中、レッドブル勢はチームメイト同士で激しいバトルを繰り広げていた。しかしターン1で、マックス・フェルスタッペンのマシンにリカルドが追突。両者はリタイアとなった。この一件は遺恨を生み、チームがフェルスタッペンを擁護する立場に立ったことで、リカルドのチーム離脱のきっかけともなった。

 

 またレース終盤、残り3周というところで、首位を行くボッタスのメルセデスのタイヤが突然バースト。前述の通りチームメイトのハミルトンの手に勝利が転がり込んだ。

 続く2019年はボッタスが前年の雪辱を果たして優勝。2位ハミルトン、3位ベッテル……順当なレースだったように見える。しかし波乱はフリー走行で起きた。

 金曜日のフリー走行1回目、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、マンホールの蓋の上を走行したが、その際にマンホールの蓋が浮き上がってしまい、ウイリアムズのマシンが大破。セッションは赤旗中断となった。

 ラッセルのマシンはフロアが大きく損傷しており、自力では走行不可能。クレーンで吊るされ、トラックの荷台に乗せられてガレージに運ばれることになった。

 ただここで、ウイリアムズには再度の不運が襲う……。

 ラッセルのマシンを運んでいたトラックは、クレーンのアームをしっかりと収納せずにコースを走行。ピットを目指した。しかしそのクレーンが、コースを横断するためのブリッヂに激突。アームは破損し、そこからは油圧シリンダー用のオイルが噴出……そしてそのオイルが、ラッセルのマシンに降り注いだ。

 

 これによりラッセルのマシンのエンジンカウルは、赤茶色のオイルにみるみる染まっていった……チームはマシンの修復前に、オイルを清掃しなければならなくなってしまったのだ。当時、パフォーマンスに苦しんでいたウイリアムズにとっては、まさに泣きっ面に蜂の状態となった。

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催中止。そして2021年には開催が復活したが、このレースでも波乱が起きた。

 先頭を走っていたレッドブルのフェルスタッペンが、突然リヤタイヤのバーストに見舞われてしまう。これによってフェルスタッペンはウォールにクラッシュしてしまい、レースを諦めざるを得ず、バーストした左リヤタイヤを蹴り上げて悔しがった。

 波乱はこれだけではなかった。フェルスタッペンのクラッシュによる赤旗中断後、先頭はレッドブルのセルジオ・ペレス。2番手からは、フェルスタッペンとタイトルを争うメルセデスのハミルトンが続いていた。そのハミルトンは、レース再開直後のターン1で、ペレス攻略を狙ってブレーキングを遅らせる……しかり痛恨のロックアップを喫してしまい、ランオフエリアに吸い込まれ、15位でのフィニッシュとなってしまった。

 

 モータースポーツはもちろん、勝負事にタラレバは禁物である。しかし2021年シーズンは、フェルスタッペンとハミルトンが同点で最終戦を迎えるという大接戦だった。そんな中において、両者がアクシデントにより無得点に終わったアゼルバイジャンGPは、結末を左右する上で重要な1戦だったと言えるだろう。もしどちらかが、ここで1点でも獲得していたら……どうなっていただろうか?

 アゼルバイジャンでのGPの歴史はこのように5回のみであるものの、様々な出来事が起きてきた……ここには書ききれない出来事も多数ある。まさに波乱に満ちたグランプリである。高速でコンクリートウォールも近いため、セーフティカーが出動する可能性も高い。

 さて2022年のアゼルバイジャンGPはどんな結末が待っているのか? 順当なのか、波乱なのか……見逃せない1戦となるだろう。

 
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