2022年のデータから予想する新シーズン:レッドブル、今季は楽な戦いにならない? 上昇の兆し見せるフェラーリ&メルセデスにどう対峙するか?
2022年のレッドブル、そしてライバルの成績から、2023年がレッドブルにとってどんな戦いになるのかを占う。

レッドブルのニューマシンRB19が、2月3日に発表される。おそらくこの発表会で披露されるマシンはRB19の最終仕様ではなく、シェイクダウン、そしてバーレーンでの合同テストに持ち込まれるマシンは、おそらく大きくその姿を変えてくることだろう。
昨年は圧倒的な強さを発揮し、シーズン17勝を挙げたレッドブル。しかし今季はそう簡単には行かないかもしれない。彼らのライバルが力を発揮してくるだろうと想像できるからだ。昨年のパフォーマンスを分析していくと、このことが読み取れる。

2022年F1 予選パフォーマンスランキングの推移
Photo by: Motorsport.com / Japan
予選でのパフォーマンスは、ほとんどのレースでフェラーリとレッドブルが1-2を占めた。トップはこの2チームが独占。22戦中レッドブルが9回、フェラーリが13回最速を記録している。
一方で決勝レースのパフォーマンスも加味したパフォーマンス推移を見ていくと、様相が少し異なる。別のチームが、パフォーマンストップを記録したレースが実は4つもあったのだ。
この決勝も含めたパフォーマンスでは、22戦中11戦でレッドブルがトップ。フェラーリは7回に留まっている。このデータからすればレッドブルは、一発の速さに秀でていたというよりも、決勝での安定性が高かったと言えるだろう。

2022年F1 総合パフォーマンスランキングの推移
Photo by: Motorsport.com / Japan
そしてこの総合パフォーマンスで4戦にわたって首位を記録したのが、メルセデスだ。シーズン前半はスペインGPだけだったが、後半になるとハンガリー、シンガポール、メキシコで最速。ブラジルとアブダビでは、フェラーリを差し置いてパフォーマンス2番手である。つまりメルセデスは、シーズンが進むにつれて序盤戦での苦労を解消していったということを裏付けることができる。このオフの間にさらに前進しているのは必至であり、2023年にはhレッドブルにとって手強い相手となるだろう。
フェラーリはシーズン後半には戦闘力を大きく落とした感がある。しかし最終戦を見ると、ある弱点を克服した可能性を垣間見ることができた。
フェラーリは戦略ミスやドライビングエラー、そしてマシンの信頼性不足によって2022年のチャンピオンを逃したのではないかと言われている。しかしそれ以上に大きかったのは、デグラデーションの大きい、つまりタイヤに厳しいマシン特性にあったと言えるだろう。そのため、予選では速くとも決勝では逆転を許してしまう……そういう結果になったわけだ。

しかし最終戦アブダビGPのレースペースを見ると、大幅に改善していたことが分かる。特にシャルル・ルクレールのペースは、デグラデーションの兆候も見られず、マックス・フェルスタッペンと同等のラップタイムを重ねた。
その前の数戦は、信頼性に懸念があったため出力を下げていたことを認めているフェラーリ。しかしアブダビではその懸念にも対処することができ、さらにデグラデーションという弱点も解消……2023年シーズンに向けて期待を抱かせる内容だった。
そんな改善の兆しを見せたフェラーリとメルセデス……これを相手に、2023年のレッドブルはディフェンディングチャンピオンとしてどんな活躍を見せるのだろうか?
なおレッドブルは、2021年の予算制限に違反したとして、空力開発が10%削減されることになっている。昨年チャンピオンであるため、コンストラクターズランキング7位のアストンマーチンを100%とすると、そもそも70%しか空力開発に充てることができなかった。それがさらに10%削減され、63%になるのはあまりにも痛手だ。そんなハンデをどう克服するのだろうか?
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