鈴鹿1000kmは今年で最後。来年からは『鈴鹿10時間耐久』として再出発
鈴鹿サーキットが会見を行い、2018年から「第47回サマーエンデュランス『鈴鹿10時間耐久レース』」(仮称)を開催することを発表した。
写真:: Yasushi Ishihara
鈴鹿サーキットが記者会見を行い、鈴鹿1000kmのコンセプトを継承する新たなレース「サマーエンデュランス『鈴鹿10時間耐久レース』」(仮称)を立ち上げることを発表した。
この『鈴鹿10時間耐久レース』は、スーパーGTのGT300クラス(JAF-GT含む)、FIA-GT3、ST-Xクラスのマシンが参戦する「欧州・米国・日本・アジアなど、世界各国で活躍するGT300・GT3マシンが一堂に会するGT世界統一戦」にすることが目指されており、スーパーGTを統括するGTアソシエイション及びブランパンGTシリーズなどを統括するSROモータースポーツグループとコラボレーションして、世界中から50台以上のエントリーを集めるという。
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの山下晋社長は会見で、「夏の耐久レースを再構築し、世界中のモータースポーツファンが楽しめるようにしたい」と、今回の決断に至った経緯を説明した。
「世界的なGTシリーズの統一戦という夢のステージを、将来に向けてここ鈴鹿で発展させていくことを目的に、2018年の8月に47回目を迎える真夏の耐久レースを、10時間耐久という新たな枠組みで開催することとしました」
これまで開催されていた鈴鹿1000kmは、「天候さえ良ければ、6時間を切るレースになっていた」山下社長が語る通り、耐久戦としては多少短いとの声も聞かれた。しかし、12時間などとなると早朝や深夜に走行が及ぶことになり、周辺環境に影響が及ぶ。そのため、10時半にスタートし、20時半にチェッカーが振られる”10時間レース”としての開催が決まった。またこの時間であれば、大阪からなら日帰りで観戦することもできるという。
「このイベントを地域全体で盛り上げ、観客、エントラント、関係するすべてのステークホルダーの皆様にとって、新たな価値を生み出す新しい夏の祭典として育てていく」
山下社長はそう付け加えている。
会見には出席しなかったが、GTアソシエイションの坂東正明代表も、次のようにコメントを寄せた。
「GTアソシエイションは、従来から目指しているスーパーGTのグローバル化の一環として、このレースがGT300の東南アジアの統一戦とも繋がるよう、努力と協力をしてまいります」
またSROのステファン・ラテル代表は、この日のために来日。会見に出席した。
「『鈴鹿10時間耐久レース』の開催発表ができることに興奮しています。SROはモビリティランドが企画した新たな取り組みに、心から賛同します。鈴鹿サーキットはその歴史的な価値に加え、オーガナイズで欧米アジアから高い評価を受けており、GT世界統一戦の舞台に相応しいサーキットです」
「SROはこのイベントが価値ある大会に育つよう、世界中の著名レースのチャンピオンやブランパンGT耐久のトップチームの参加に協力します」
なお、「鈴鹿10時間耐久レース」が開催されるにあたり、伝統の「鈴鹿1000km」の開催は今年が最後となる。しかしモビリティランドは、スーパーGTの鈴鹿戦は継続したいと考えている。
「スーパーGTの鈴鹿1000kmは本年度の開催で最後となります。2018年の鈴鹿ラウンドは、新たな日程・距離となりますが、スーパーGTシリーズ全体の更なる魅力向上に寄与できる組み立てで開催できるよう、準備を進めてまいります」
「今年の鈴鹿1000kmまでには、何らかの発表をしたいと思っています」
またGTアソシエイションの坂東会長も、鈴鹿1000kmについて次のように語った。
「2018年から新たな取り組みとなるスーパーGTの鈴鹿ラウンドは、スーパーGTシリーズとしてもファンの皆さんに新たなる興奮と感動をお届けできるよう、そして大勢のお客様にご来場いただけるよう、モビリティランドと一緒に、今後作り上げていきたいと思っています」
なおBOPはSRO主導で決められる予定。タイヤもラテルSRO代表によれば「おそらくワンメイクになるのではないか。その方がBOPもやりやすい」という。
新開催の『鈴鹿10時間耐久レース』は、8月23日(木)〜8月26日(日)の日程で開催予定。賞金総額は1億円になる見込みだという。
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