KTM、若手ライダー使い捨てを反省か? 「あまりにも早くMotoGPに送り込み過ぎた」と上層部
KTMのモータースポーツ部門を率いるピット・ベイラーは、KTMとしてMoto2クラスから多くのライダーを性急にMotoGPクラスへ昇格させすぎたことを認めた。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
KTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・ベイラーは、Moto2クラスから育成ライダーを性急にMotoGPクラスへ送り込みすぎていたと認めた。
2023年シーズンに向け、KTMは大きく陣営のラインナップを変更。ファクトリーチームからは今季も2勝を挙げたミゲル・オリベイラが離脱し、後任にはジャック・ミラーが加入する。そしてテック3(来季はGASGAS)はレミー・ガードナーとラウル・フェルナンデスから、ポル・エスパルガロとアウグスト・フェルナンデスへの総入れ替えとなる。
KTMとしては近年、多数の才能ある若手ライダーをMotoGPクラスへ昇格させ続けており、その才能の”プール”は参戦メーカーの中でも随一のものだった。
しかし同時に、彼らは陣営でそうしたライダーを活かしきれていなかったとも言える。2021年のMoto2チャンピオンであるガードナーは「プロとして不十分」という評価を受け、わずか1年で放出されたことを明かしており、ラウル・フェルナンデスも1年でアプリリア陣営のRNFへの移籍を決めた。
それ以前もイケル・レクオナをMoto2クラスからテック3に昇格させたものの、コロナ禍の中の2年間で放出。レクオナからは怨嗟の声が聞かれていた。
2023年に昇格してくるMoto2チャンピオンのアウグスト・フェルナンデスも、そうした”先輩たち”と同様のプレッシャーに晒されているはずだ。彼は1年契約である上、Moto2クラスにはMoto3でルーキーながらも王者となったペドロ・アコスタという逸材が控えているのだ。
ただアウグストにとって幸運なのは、チーム上層部がMoto2クラスからの昇格にあたり、これまでは性急さがあったと欠点を認めているところだろう。
英Autosport/Motorsport.comのインタビューに応えたベイラーは、若手登用に関して次のように語った。
「MotoGPクラスに昇格すると、プレッシャーが掛かるものだ」
ベイラーはそう語る。
「しかし我々は今、ペドロに来年何ができるかや、MotoGPクラスに行く準備ができているのか、といったことについては話したくないと思っている」
「そして個人的には、我々は素晴らしいMoto2ライダーを、あまりにも早くにMotoGPへ送り込み過ぎたと思う」
「つまり、Moto2で2度目の素晴らしいシーズンを送ってもそれは、ライダー達を傷つけるようなものではないということだ。あのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)ですら、2年やっている」
「レッドブル・ルーキーズカップ、Moto3、Moto2と、下位カテゴリーを少し早く通過させすぎていたと思う。若く才能のあるライダー達はロケットのように通過してきているが、MotoGPクラスはまた別世界なんだ」
「だから、我々も1年後にアウグストを交代しようと言うつもりはない」
「ペドロを落ち着かせ、将来に向けてその才能を育て続けることに、むしろやる気が向いている」
「彼がこのパドックにおける、将来の”ダイアモンド”であることは明らかだ。しかし、彼をMotoGPに昇格させることを急ぐべきではないと私は思っている」
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