F1分析バーレーンテスト2日目編|やっぱり目立つレッドブルの安定性。フェラーリはデグラデーションが顕著に
F1プレシーズンテストの2日目が行なわれた。トップタイムはアルファロメオの周冠宇だったが、目立ったのはレッドブルとフェルスタッペンの安定性。2日目のデータを見ても、その盤石ぶりが揺るがない。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
バーレーン・インターナショナル・サーキットで行なわれている、2023年のF1プレシーズンテスト。その2日目を見ても、やはりレッドブルが速そうだ。
2日目も各車が勢力的に周回を重ね、ほとんどのマシンがロングランも行なった。そんな中でも本稿では、来週のF1開幕戦バーレーンGPの走行と時間帯が被る、午後のセッションのロングランを分析してみようと思う。
ここでも速さを見せたのはレッドブルだ。レッドブルのマックス・フェルスタッペンはC3タイヤを履き、2度のロングランを実施。そのいずれも、1分37秒台のラップタイムを揃える、実に安定したモノだった。
F1プレシーズンテスト2日日ロングラン:C3
Photo by: Motorsport.com / Japan
青い線で示されたフェルスタッペンの32〜43周目までの連続走行を詳しく見ると、1分37秒957で走り始め、42周目には1分37秒340までペースを上げている。このC3タイヤはバーレーンGPではソフトタイヤに設定されるタイヤだが、一切デグラデーション(タイヤの性能劣化に伴うラップタイムへの悪影響)は見られない。
昨年のバーレーンGPでは、フェルスタッペンと言えど、ペースは下落傾向……デグラデーションの傾向が明らかに見られていた。それと比較すれば、今季のレッドブルRB19は、昨年型RB18からタイヤマネジメントという点でも進化しているように見える。
このフェルスタッペンのロングランが、この日全チーム中最も速いロングランだったが、実は初日にフェルスタッペンは、1分35秒台を連発するロングランを行なっている。つまりこの2日目のロングランは、初日よりも60kgほど燃料を多く搭載しての周回だったはずだ。2日目までを見る限りでは、レッドブルに弱点はなさそうだ。
一方で心配なのはやはりフェラーリだ。フェラーリは初日、あまりロングランを行なわなかったが、この2日目にはロングランを実施。走りから見えてくるのは、デグラデーションが大きそう、ということだ。
同じグラフの赤い線で示されたのが、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のロングラン時のラップタイム推移。レッドブルと同じC3タイヤを履いてのロングランだが、その線の傾向には明らかな違いがある。フェルスタッペン(青線)が僅かに右肩上がりなのに対し、ルクレールのグラフは右肩下がり……つまり走れば走るほど、ペースが低下しているのだ。これは明らかなデグラデーションであろう。
F1プレシーズンテスト2日日ロングラン:C1
Photo by: Motorsport.com / Japan
ルクレールは、バーレーンGPではハードタイヤに指定される予定のC1タイヤでもロングラン(赤い線)を行なった。このグラフも右肩下がりであり、デグラデーションの兆候が見える。同じC1でロングランをしたアルファロメオの周冠宇(濃い赤い線)にはデグラデーションの兆候は見られず、途中で周とルクレールのラップタイムが逆転しているため、グラフがクロスしている。
もちろん、それぞれのマシンの搭載燃料量が分からないため、実際の戦闘力が比較できるわけではないが、タイヤマネジメントという点では、フェラーリが苦しんでいるのは間違いなかろう。
とはいえ初日のフェラーリは、より激しいデグラデーションの兆候が見られた。それに比べれば2日目はある程度改善されたと言えそうだが、それでもタイトルを目指す上では心配なデータである。
昨年のフェラーリも、このデグラデーションに悩まされた。これを解消できなければ、タイトル奪還はありえないだろう。
開幕前の走行は、泣いても笑ってもあと1日。バーレーンでのプレシーズンテストは、2月25日が最終日である。ロングラン、1発のタイムアタックも含め、各車がより精力的な走行を見せることだろう。
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