メルセデス、W14のコンセプト変更はテスト前から検討? レースでも結果が出ず「緊急性が高まった」
メルセデスは、プレシーズンテストや開幕戦の前から、今季のF1マシン『W14』のコンセプトを変える必要があることを理解していたようだ。
写真:: Erik Junius
メルセデスF1チームは、圧倒的な強さを誇るレッドブルに対抗できなかったことから、今季のマシン『W14』のコンセプト変更を検討しているが、開幕の前からその可能性があることが分かっていたという。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、開幕戦バーレーンGP後にすでに現行のデザインにタオルを投げ、コンセプト変更を検討するとコメントしていた。
できるだけ傷を広げずに対処することが重要だとはいえ、いささか判断が早すぎるようにも思えるが、メルセデスはその何週間も前から、何かを変える必要があると認識していたことが明らかになった。
トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、W14の改良が思うように進まないことに気づいたとき、風洞でその限界について”結論”を出したと語った。
「風洞での開発速度を見て、バーレーンに行く前から(コンセプトに関して)もっと大きな出発点を探そうという話が出ていたんだ」
そうショブリンは説明した。
「それは今年のクルマの開発だけを切り取って見ているわけではない。それは過去10年以上に渡ってやってきたことなんだ」
「もし必要なゲインが得られないのであれば、もっと大きな変化を起こす。別のエリアを探って、(ポテンシャルを)解き放ちたいと思うこともしばしばあるんだ」
「バーレーンの前に、それはすでに起こっていた。しかし、おそらく初期のレースを経て、それらをコースに持ち込む上で緊急性が高まったのだろう」
メルセデスが今シーズン序盤に予定している最大の変化のひとつは、”ゼロポッド”コンセプトの見直しである。
しかしショブリンは、レッドブルに勝つために必要なパフォーマンスを見出そうとするなら、チームはW14の他の領域も”オーバーホール”する必要があると述べた。
ウルフの言うコンセプト変更とは何かと問われたショブリンは、次のように答えた。
「おそらくサイドポッドという意味で、コンセプトという言葉を使っているのだろう」
「このクルマ(W14)は、昨年までのクルマを進化させたものであり、その多くの部分が側面の衝撃吸収構造に関連している。だからより大きな変更を考えているんだ。このままでは私たちが望むようなパフォーマンスが得られないことは明らかだからね」
「とは言え、他の部分も改善する必要があることは分かっている。サイドポッドの外観を変えれば、ギャップがすべて解消されると考えるのは見当違いだろう」
「現実には、そのギャップの大部分は、他のパフォーマンス領域からもたらされなければならないだろう。現在、次の5レースでパフォーマンスを発揮するために、多くのプロジェクトが進行中だ」
メルセデスはW14の全体的なコンセプトに関する取り組みと同時に、ルイス・ハミルトンが悩むリヤエンドの安定性欠如にも対処しなければならない。
チームメイトのジョージ・ラッセルよりも、明らかにハミルトンの方がW14に手を焼いている印象があるが、ショブリンは様々な面でW14を改善し、ふたりにとってより良いマシンにしていかなければならないと語った。
「(コーナー)エントリーでのスタビリティーが得られていない。それは彼らがクルマに自信を持てないということを意味する。タイヤを機能させるのが難しいし、高速コーナーではかなりスライドしてしまう」
「セッションを通じて両ドライバーからフィードバックを受け、それが開発プロセスに反映されている。そして最終的には、ルイスのためにクルマを改善すれば、ジョージのためにもなると考えている」
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